西澤 晋 の 映画日記

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2010年 06月 17日

高校生ブルース(1970) ☆☆☆

f0009381_1174342.jpg監督:帯盛迪彦
原作:柴田成人『傷だらけの十六歳』
脚本:伊藤昌洋
撮影:喜多崎晃
音楽:伊部晴美

出演:
関根恵子 (北原美子)
内田喜郎 (加藤昇)
篠田三郎 (五十嵐)

       *        *        *

大映期待の新人関根恵子の記念すべき映画デビュー作。

っしかし、これがデビュー作なんて・・、スゴイなあ。大映はけっこうこの15歳の娘にかけてたのかもしれないなあ。いやいやスゴイスゴイ。しかし、大映はあえなく翌年1971年11月29日をもって倒産。

演出的にはかなりスタンダードな演出。音楽や効果音の使い方はじつにスタンダード。とっても勉強になる。関根恵子内田喜郎の体育館の準備室での初めての“H”シーンは、かべひとつへだてた体育館ではバスケットボールをやっている。キスしようとするととたんに外界のバスケットボールの音。それからムードがよくなってセックスにうつると、音楽だけで、抱き合う二人とバスケットボールの試合のシーンをカットバック。
妊娠してしまった処理をどうするか篠田三郎に相談にいった内田喜郎。篠田三郎が話すシーンではレコードをかける。そのレコードに録音されているのは蒸気機関車のおと。その蒸気機関車の音をバックに篠田三郎がお手伝いさんと“H”をして妊娠・中絶にいったった経過を話している。
・・・とにかく音のいれからはやたらと勉強になった映画だった。ただ、テーマ曲をやたらと流すのは簡便してほしい。もうちょっといい音響監督さんをつかってほしいものだ。選曲になんしてはこの頃の大映はあんまりよくないね。

物語はさわやかなセックスがらみの思春期者ではなく、ほろ苦い思春期もの。無防備に“H”をしてしまい、妊娠、そして中絶手術のための朝早起きしてアルバイトする内田喜郎にたいしてとにかく追い詰める関根恵子。
無責任な“H”をする内田喜郎も悪いが、そのころの男の子に、そのあとの責任能力を問うのはかなり無謀、おかげでおいつめられてる内田喜郎君。関根恵子の責めは正論かもしれないが、男の子にとってはつらいだろうな。
結局堕胎手術はせずに、思い出の体育館の準備室で、内田喜郎にお腹をふいつけさせて流産する関根恵子。このくだりはビレ・アグビスト『ツイスト&シャウト』でも見ていたが、やっぱり痛々しい。
そして硫酸。その前のシーンで「顔の綺麗さなんて・・」なんぞのくだりがあったから、てっきり顔にかけるのかと思ってどきどきしてみてたら・・・、そこまではしなかった。増村保造じゃなうってよかったなあ。増村保造は五寸釘で目をさすから・・(苦笑)。しかし、叔父にかいてもらった思い出の絵の自分の顔のところにその硫酸をかけ、金魚鉢にも硫酸たらすし、金魚はほんとに殺しちゃうし・・、いろんな意味で混沌としている青春時代の性欲がらみ映画だった。

しかし・・・関根恵子の映画は、男が情けない。

<あらすじ>
十六歳の美子(関根恵子)はクラスメイトの昇(内田喜郎)と、薄暗い体育倉庫で肉体関係を結ぶ。彼からなぜ自分を選んだのか?と聞かれた彼女は「一番愛されているようだったから」と答える。彼女自身も「彼を好き」という感情はなく、とりあえず誰もがするものだから・・というような流れでそうなることを受け入れた。しかし何度かのセックスの後彼女は妊娠してしまう。とたんに現実の世界が二人に押し寄せてくる。

「石橋を叩いたら渉れない」という有名なことわざ(私が言ってるだけなのかもしれないが)があるが、この映画は、叩いたら渉れないから叩かずにわたってみたら崩れて落ちて・・、そこからもう一度自分の生き方を再構築するという映画。

by ssm2438 | 2010-06-17 22:44


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