西澤 晋 の 映画日記

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2010年 06月 24日

マルタの鷹(1941) ☆

マルタの鷹(1941) ☆_f0009381_10482593.jpg監督:ジョン・ヒューストン
原作:ダシール・ハメット
脚本:ジョン・ヒューストン
撮影:アーサー・エディソン
音楽:アドルフ・ドイッチ

出演:
ハンフリー・ボガート (探偵サム・スペード)
メアリー・アスター (依頼人ブリジット・オーショネイ)

       *        *        *

秘書のおねーちゃんだけは良いんだけど・・・

世間でときどきとりだたされるハードボイルドのスタンダードがこの映画『マルタの鷹』。しかし全く面白くない。私も若い頃に一度勉強がてに見たのだが、ひたすらたいくつ・・という印象で、ほとんど内容も覚えていなかった。なので今一度見直してみたのだが・・やっぱつまらない。

ハンフリー・ボガート演じるサム・スペードにまったく魅力がない。カッコつけてるようだが、まったくそう見えないのが悲しい。ボギー自体背は低いし、頭はでかいし、顔のアイテムはひろがってしまりがないし、肩幅せまいし、魅力らしい魅力はまるでない。このサム・スペードという探偵も、何をやりたい人なのかわからない。依頼人のオーショネイにキスをしてみたりもするが、その必要性を全く感じない。それは彼女もそうだし、ボギーもそうで、なんでここでこんなシーンがはいるの??って疑問にもつようなとことだけど、でも原作でそうなってるからとりあえずいれてみました・・みたいな感じ。そういうシーンがやたらと多い。

さらにオチもひどい。みんなが寄ってたかって追いかけている“マルタの鷹”は、16世紀にマルタ騎士団がスペイン王に献上するために作った純金の像で莫大な値打ちのあることという置物、しかし、それもふたを開けてみれば贋作だったという悲しいオチ。
そのオチで、なにか面白味が増すのかといえばまったくそんなことはなく、ただただとういうことにしたらいがいなんじゃないかないうていどのもの。このオチもなかったほうが作品をみてきた人になっとくできるのではないだろうか。

唯一みていて気持ちが良いのが、サム・スペードの秘書さん。この人はなにからなにまでてきぱきこなし、その有能さと潔さがとっても素敵だ。他は見るとこないなあ・・。残念な一本だった。

フレッド・ジンネマンが監督した『ジュリア』という映画の主人公戯曲作家のリリアン・へルマンが永きにわたり友好をかわしていたのがダシール・ハメット。この原作者である。

<あらすじ>
オーショネイ(メアリー・アスター)とサースビーは二人で黒い鷹の置物を追っていたが、彼女はサースビーが自分を裏切ろうとしているのではないかと感じ、サム・スペード(ハンフリー・ボガート)探偵事務所を訪れ彼の尾行を依頼する。そしてその仕事についたスペードの同僚アーチャーが殺される。
さらにカイロという怪しい小男が現れ、黒い鷹の置物を探してくれたら5000ドルの謝礼を出すという。
彼らが探していた鷹の置物は16世紀にマルタ騎士団がスペイン王に献上するために作った純金の像で莫大な値打ちのある。オーショネイとカイロは、イスタンブールに送られたガットマンという男の手先だったが、それぞれがこの宝物を独占しようとしていたのだ。
香港から入港したパロマ号の船長は重傷を負いながら、鷹の包をスペードの事務所に持ちこんで息絶える。スペードはガットマン、彼の用心棒ウィルマ、オーショネイ、カイロと事務所で会い、鷹の処分と殺人事件の犯人の処理について話をする。そこにダンディ警部補とパウルハウス刑事が登場。スペードはアーチャー殺害の犯人がオーショネイであり、サースビーと船長はウィルマに殺されたことを指摘する。そして、鷹の置物は鉛製の贋物にしかすぎなかった。

by ssm2438 | 2010-06-24 11:00


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