西澤 晋 の 映画日記

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2010年 07月 04日

高校生心中 純愛(1971) ☆☆

f0009381_2205278.jpg監督:帯盛迪彦
脚本:柴田久恵
撮影:喜多崎晃
音楽:伊部晴美

出演:
関根恵子 (宇野洋子)
篠田三郎 (丘谷由夫)

       *        *        *

前半の同棲時代の楽しいそうなこと・・、うらやましいかぎりだ。

監督は『高校生ブルース』帯盛迪彦。しかし原作があるわけではなく、あれほどのインパクトはない。関根恵子篠田三郎で倒産間近の大映を乗り切ろうといしてとりあえず作った感じの映画だが、のちのそのテイストが引き継がれる大映テレビのコアな部分が全部この映画にはつまっていた(苦笑)。どこをとっても大映という映画であった。

ただ、シナリオはぬるく、物語の展開的に「それはないだろう」ってところが一杯ある。その展開にしたいのはわかるが、そうならもっと観客を納得する説明をしてほしいものだ。これは物語作りをしているとよくあるのだけど、映画会社やプロデューサーサイドは「無理やりにでもこんなシーンをいれたい」と要求し、展開的に不自然な流れを強請してくる。それが実力のある人が脚本を書いていると、ある程度はつじつまをあわせられるのだけど、ほとんどの人はできないものである。というよりも、きちんと書ける人のほうが苦手かもしれない。上手い書き手は総てが整合するようにドラマを組み立てているものであり、そこに無理な展開を入れるとそこで書けなくなるもである。ふと『ガメラ3』があたまをよぎった。
で、そのまま、無理やりな展開がシナリオとなり、それを撮ってしまうとこのような映画になる。最後も、二人が心中する必要性がないのでいまひとつぴんとこない。あと“H”シーンもなくても良かったのに。むりやり宣伝効果としていれこんだようだが、どうせ撮るならきちんとした物語の風景のなかでとってほしかった。夢でもないのに、いきなりそこだけイメージシーンなのはしらける。

しかしこの映画の関根恵子はとても天真爛漫で可愛い。彼女の若さと明るさが全面に出た映画だろう。

<あらすじ>
高校2年生の丘谷由夫(篠田三郎)と宇野洋子(関根恵子)は、夢と希望を語り合う爽やかなカップルだった。しかしある日、赤軍派とつながりを持ち始めた由夫の兄が、日ごろから思想的に対立のあった刑事の父親を殺し警察に逮捕される事件がおきた。さらに母も急死した由夫は学校をやめて兄の裁判費用のためにはたらくという。洋子は、「殺人犯の家族」という理由で由夫との交際を禁じたられた。
由夫が両親のお骨を持って郷里の信州に帰ると聞いた洋子は駅にかけつけ、そのまま乗り込んでしまう。それから二人は兄妹ということで、信州に部屋を借り暮らし始める。なにからなにまで幸せな日々だった。しかし、宇野家からの捜査願いによって由夫は誘拐犯人として逮捕され、洋子は家に連れもどされる。
兄の裁判の日、傍聴席で再会した二人は、洋子の家族に会い、交際の許可を求めるが、洋子は部屋に軟禁され、追いかえされてしまう。
親が勧める交際相手の仲本は洋子をドライブに誘うが、このチャンスに由夫のもとに行こうとする洋子を見て嫉妬、「自分と付き合えないなら、このまま崖から落ちて死ぬ」と車を猛スピードで走らせる。車内でもみあいになり間一髪車から飛びだす洋子だが、仲本の車はガードレールを突っ切ってがけ下に落ちてしまう。仲本は死亡。伊豆あたりの作業現場で働いていた由夫がそのニュースをラジオから聴く。そこに洋子が現れる。
「私も仲本君を殺してしまった」という洋子。自首するという洋子。
「神さはま、オレから愛する人を総て奪っていく。父も、母も、兄も・・。そして今度は洋子まで・・。もう誰にも奪わせない」と覚悟をきめる由夫。二人は思い出の信州を訪れ、「もうさよならは云わなくていいのね」と、降りしきる雪の中を山奥深く消えていった。

by ssm2438 | 2010-07-04 22:10


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