西澤 晋 の 映画日記

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2010年 07月 06日

黒の試走車(テストカー) (1962) ☆☆☆

f0009381_02373.jpg監督:増村保造
脚本:舟橋和郎/石松愛弘
撮影:中川芳久
音楽:池野成

出演:
田宮二郎 (朝比奈豊)
高松英郎 (小野田透)
叶順子 (朝比奈の恋人・昌子)


       *        *        *

記念すべき『黒のシリーズ』第一作!

とはいえ、このシリーズがむちゃくちゃ面白いかと言われるとそうでもないのだが、この映画の時代高度経済成長の人間のバイタリティを見せてもらえるからけっこう好きである。今の経済をみてると、あんなになにもあもがぎらぎらして生きられた時代というのはとても幸せだったのだろう。・・そう!この映画の素晴らしさ、登場する人間の、あのぎらぎら感なのだ。
きっと今の中国ではこのようなことが横行してるのだろうなあって思った(苦笑)。

第一作の自動車会社の企業スパイをテーマにした映画。それだけ、わくわくする。そして監督が増村保造というものをもあり、どうしてもそれ以前の『陸軍中野学校』を思い出してしまう。この映画を見ている間も、なぜかしらあの続きかなって(まったくそんなことはないのだが)、なんとなくそんな雰囲気を楽しみながら見ている自分がいた。
しかし田宮二郎に節操がない。それが映画全体の印象にマイナスポイントになってるような気がする。結婚を餌に、彼に惚れてる(一応恋人の)昌子を相手の寝床に送り込むのはどうなん??って思ってしまう。その結果販売競争に勝利するタイガー自動車だが、最後は、「やっぱりこんなのもう出来ません」って辞表を提出、彼女のもとに戻る・・ってくだりがどうも軽い。女も女で、結婚したいがためにそんなことまでするんか??って感じだった。

余談だが、車体を黒いカバーで覆われたまま走る試走車がなんとも不気味でいい。まるで『ザ・カー』の不気味な雰囲気も持っている。でも悪魔はやどってないけど・・(苦笑)。

<あらすじ>
テスト走行中の覆面車がカーブを切ったとたんコースアウト、横転して炎上した。自動車業界紙は、「タイガー試作車炎上、新車生産計画挫折か?」などと書きたてた。タイガー自動車では、試作車パイオニアのテストが事前に洩れ、写真まで撮られたことが問題になった。産業スパイの可能性を感じるタイガー自動車は、小野田透(高松・鬼車・英郎)に指揮をとらせ、社内に入り込んでいると思われるスパイの詮索を開始する。
小野田は、朝比奈(田宮二郎)らに指示を出しヤマト自動車の馬渡をマークする。ヤマト自動車の企画部長・馬渡(菅井一郎)は女癖が悪いのを知り、朝比奈は自分の恋人・昌子(叶順子)を馬渡に接近させる。資料を集めた結果、ヤマトでも秘密裡にスポーツ・カーを製作中であり、しかもタイガーがイタリアのデザイナーに依頼して作らせたデザインまで盗まれていることが判った。
ヤマト自動車とタイガー自動車の間の企業戦争は、価格の競争に焦点がうつった。山と自動車の会議室がのぞける向かいのビルのトイレからカメラでその内容を撮影し、読唇術のできるおばさんにたのんでその内容を解読、販売価格はわからないが、タイガーの販売価格はヤマトに筒抜けだということがわかった。
朝比奈は、結婚を餌にし、嫌がる昌子を馬渡のホテルに送り込む。昌子は価格競争の情報を盗み出す。価格競争に勝利しるタイガー自動車。
しかし、販売された新車のパイオニアが踏み切りでエンコし、それに急行列車が衝突する事故がおきる。タイガーは苦境に追い込まれた。まだ企業内にスパイはいる。朝比奈は、社長の娘の婿養子である、平木企画第二課長にたどり着く。かれは浮気現場を馬渡に知られてしまい脅されていたのだ。馬渡は列車妨害の罪に問われ、ヤマトを辞任し事件は解決した。パイオニアの売れ行きは上昇した。企画第一課長の内定をうけた朝比奈だったが、会社に辞表を出すと傷心の昌子のもとへ走るのだった。

by ssm2438 | 2010-07-06 22:33 | 増村保造(1924)


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