西澤 晋 の 映画日記

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2010年 07月 07日

ガルボトーク/夢のつづきは夢・・・(1984) ☆☆☆

f0009381_21173535.jpg監督:シドニー・ルメット
脚本:ラリー・グルーシン
撮影:アンジェイ・バートコウィアク
音楽:サイ・コールマン

出演:
アン・バンクロフト (母・エステル)
ロン・シルヴァー (ギルバート)

     *      *      *

ルメット作品にしてはめずらしいハートウォーミング映画。

シドニー・ルメットといとえば社会派の巨匠、『十二人の怒れる男』を筆頭に、『セルピコ』『プリンス・オブ・シティ』『評決』などの裁判ものイメージが強い。ルメットの物語のなかでは、主人公が自分の良心に従って行動すると、それが社会的に軋轢を生む。社会をとれば自分の存在価値がなくなる。自分を社会から阻害される。そんなシチュエーションでそんときなにをどう選択するのだ・・?という、捨てきれない社会とのつながりの中で(それをあっさり捨てえられたらただのヒーローものになってしまう)、社会と反発しつつ、あるいは社会と妥協しつつ、どう自分を失わずに生きていくか・・、そういう物語と作る人だ。なので私はこの監督さんは大好きなのだ。
そのルメットの代表作としてあげるとして、先にあげたような映画が出てくるが、そっち方面でない映画で、どうしても落としたくない映画が『旅立ちの時』『ガルボトーク/夢のつづきは夢・・・』である。

当時これを見たときは(レンタルのVHS)、主人公の行為はちょっと理解しがたいもので、なかなか入っていけなかったのだが、最後はなかなかほほえましくなってくる。
この映画の主人公の母親(A・バンクロフト)は病気で死期がせまってきている。その母の夢というのが、“ガルボに会いたい!”なのだ。息子は、その夢をかなえるべく、引退して久しい往年の大女優グレタ・ガルボを必死で探し、母に会いにきてもらうという映画。しかしその行為の代償として、会社は休むは、そんなこんなで嫁とは対立するはけっこう大変。・・・しかし、よくよく考えてみるとやっぱり社会派か・・。自分の良心のために、社会を敵に回す、今回は会社であり、妻であり、そのあたりが彼を取り巻く社会になるのだけど・・・、そうか・・・、やっぱりこれもしっかりルメットしてる映画なんだ・・とこれを書いてみて理解し始めた(苦笑)。

<あらすじ>
会計士のギルバート(ロン・シルヴァー)は、母エステル(アン・バンクロフト)が脳腫瘍で余命いくばくもないことを知らされる。人に助けを頼むことを極端に嫌うエステルだが、そんな彼女がギルバートに頼みごとをした。「死ぬ前に一目ガルボに会いたい」。彼女はぐれたガルボの熱烈なファンであり、彼女の映画は全部みていた。
ギルバートは本気でグレタ・ガルボを探し出し、母にあってくれと頼む決意をする。老写真家ドカキスの協力を得て、徹底的にガルボ探索を開始するギルバート。会社の仕事そっちのけでガルボのアパートを訪ねたりファイア・アイランドの隠れ家に押しかけたりするが、費用ばかりかさんで、効果がない。妻との仲も悪くなるばかり。しかし、以前から好意を与せていたジェーン(キャサリン・ヒックス)と、なとか接点をさがしているうちに、あるノミの市で遂にガルボと遭遇。彼女をつかまえて夢中で母エステルのことをガルボに語るギルバート。病院に来たガルボは、エステルに会った。夢のようなひとときを過ごしあの世へと旅立つエステル。ギルバートの妻は実家に帰ったが、ジェーンと生きることになる。めでたしめでたし。

※ちなみにのガルボは会いにきてくれるのだけど、後姿だけで、本物の彼女がでているわけではありません。

by ssm2438 | 2010-07-07 21:23 | シドニー・ルメット(1924)


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