西澤 晋 の 映画日記

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2010年 07月 11日

大魔神(1966) ☆☆☆☆

f0009381_23492628.jpg監督:安田公義
脚本:吉田哲郎
撮影:森田富士郎
音楽:伊福部昭
造型:高山良策
特技監督:黒田義之

出演:高田美和 (花房小笹)

       *        *        *

良い人も悪いも人もかまわず踏みつける大魔神が素敵!

3作がつくられたが、そのそれぞれの話には関連性はなく、時間的、地理的継続性もない。ただそれぞれ違うシチュエーションで大魔神の暴れん坊ぶりを3人の監督が撮っている。その最初の1本。『座頭市シリーズ』『眠狂四郎シリーズ』などに腕を振るった安田公義とその時代劇専門スタッフによって作られた重厚かつリアルは特撮時代劇。

大魔神の魅力はいろいろあるが、身長を4・5メートルに設定したことがこの映画にリアリティを与えている。4.5メートルといったらアンドレ・ザ・ジャイアント2個分である。見応えのある建物のミニチュアは魔神の背丈に合わせ、フィルムの速度も2.5倍、また瓦一枚一枚の大きさに至るまでが1/2.5の縮尺で統一されている。手足のアップ用にも原寸大の手と足もつくってあったとか。

それに小道具の使い方がまたいい。体に巻かれた鎖とか、額に打ち込まれたタガネとか、それがそのまんま凶器としてつかわれる。あの鎖をまといながら動くってのがいいんだなあ。

<あらすじ>
戦国時代、丹波(今の兵庫県北東部~京都府南西部あたり)の山奥の岩壁に、魔神が封じ来れられていた。領民たちは魔神封じの祭をして、平和を祈っていた。その祭の夜、城内に家老大舘左馬之助一味の諜反が起り、城主花房忠清夫妻は殺される。子供の忠文と小笹は、魔神封じの巫女の手引きで、猿丸小源太とともに逃げ延びる。
f0009381_19493372.jpgそして数年がたった。武神像の傍らで忠文と小笹(高田美和)は成長をとげた。一方領主となった左馬之助は重税をかけ、厳しい労働状況のなか城の増築をおこなっていた。忠文と花房の遺臣たちは大工事の人夫にまぎれたれてお家再興の機をうかがっていたが、左馬之助の家臣・軍十郎に捕まってしまう。巫女の信夫は、左馬之助を訪ね、山の神の怒りの恐ろしさを伝え、彼の暴虐なふるまいを戒めた。しかし左馬之助は信夫を殺し、家臣の軍十郎に神像破壊の厳命を下した。軍十郎は、タガネを神像の額に打込んだその時、傷口から鮮血が落ちた。稲妻、雷鳴、地割れが起り、軍十郎は地割れの中にのみこまれた。
忠文の命乞いに身を捧げようとする小笹。その目の前で魔神像がうごきだす。そして顔の前で腕を交差させると恐ろしい形相になった。
城下で大あばれにあばれた魔神は、忠文たちの処刑台を紛砕し、左馬之助は魔神の額にささったタガネで城門の柱に釘付けされ息絶えた。さらに村里へ向って猛威をふるいはじめた魔神に、小笹は静まってくれるよう、清い涙を落した。すると魔神の怒りの相は消え、大音響とともに土砂となってその場に崩れた。魔神は小笹の涙で消えたのだ。

理不尽なまでに容赦のない魔神の暴れぶりは素敵。良いも悪いもなく、ひたすら怒りを表現するために暴れまくる。この理不尽さが『大魔神』の最大の魅力だろう。

by ssm2438 | 2010-07-11 23:49


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