監督:三隅研次
脚本:吉田哲郎
撮影:森田富士郎
音楽:伊福部昭
特撮監督:黒田義之
造型:高山良策
出演:藤村志保 (名越早百合)
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ヒロインは藤村志保のほうが好き!
一作目の
高田美和よりも、
藤村志保のほうが情緒があって好きだ。物語的にもこの『大魔神怒る』のほうがエレガントだったかなという印象。ただ・・、大魔神の最大のみりょくである、暴走し始めたらもう女の涙以外にはとれられない狂乱振りは今回は影をひそめ、踏み潰すのは悪人の手下だけになっているのが寂しい。
お話も一作目と似たようなもので、新鮮さがないのが残念だ。大魔神の一作目を見てなければこれでもけっこうインパクトを受けると思うのだが、さすがに2番目に見るものだとすると、もうすこしなんらかのストーリー的な工夫がほしかったかな。
<あらすじ>
戦国時代。八雲の湖と呼ばれる美しい火口湖の真中にある神ノ島には、一族の守護神、武神像がまつられていた。千草城の若き城主千草十郎は、許嫁である名越の娘早百合(
藤村志保)と共に祖先の法要をいとなんでいた。
そんな千草の領内に、隣国の領主御子柴弾正が攻め入って来る。さらに弾正は、武神像をも粉々に砕いて湖に投げ捨てる。その戦いのなか傷ついていた十郎は、早百合の看護で身体も回復し、弾正を討たんものとスキをうかがっていた。しかし弾正の罠にかかって、早百合ともども捕われてしまった。弾正は、千草領の人々が大切にしている鐘を湖に沈め、十郎や早百合を火あぶりの刑に処そうとした。神に祈る小百合。その早百合の祈りが通じたのか、突然、大地を揺がす鳴動と共に、猛り狂った武神像が現われた。そして、逃げまどう弾正方の兵を踏み潰していく。弾正は武神像によって滅ぼされ、その武神像は、一瞬の間に、水滴となって湖に消えていった。