西澤 晋 の 映画日記

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2010年 07月 25日

プラトーン(1986) ☆☆☆☆

f0009381_11561654.jpg監督:オリヴァー・ストーン
脚本:オリヴァー・ストーン
撮影:ロバート・リチャードソン
音楽:ジョルジュ・ドルリュー

出演:
チャーリー・シーン (クリス・テイラー)
トム・ベレンジャー (バーンズ軍曹)
ウィレム・デフォー (エリアス軍曹)

       *        *        *

オリヴァー・ストーンの中では一番見やすいかな・・・。

自身の戦争経験にもとづき描いているだけあってリアルだ。リアルさを感じさせるツボを心得ているといったほうが確かかもしれない。夜間の銃撃戦はすごかった。

『プラトーン』におけるオリヴァー・ストーンの銃撃戦の特徴は、「撃たなければ死の恐怖が近づいていく。しかし、何を撃っていいのかわからない」という実践心理が映像化されているところだろう。<認識できないことの恐ろしさ>演出と私は勝手に呼んでいる。このストレス描写はストーンの映画にはよく感じることだ。
シナリオを書い『800万の死にざま』でのロザナ・アークエットとの人質交換の場面の切羽詰った緊張感。演出はしてないにもかかわらずず(監督はハル・アシュビー)、そのシーンはまるでオリヴァー・ストーンが演出したようにみえる。あれはきっとシナリオであのこまかなカメラの振りまで書いてあったのだろうなって想像する。あの映画も見せきらないで、見ている人にどうしたらいいのか判断出来ない心理状態をつくりだしていた。それは『サルバドル』でもそうだし、この『プラトーン』でも発揮されていたし、後に撮る『7月4日に生まれて』でも、あの<認識できないことの恐ろしさ>演出がさえていた。この頃のハリウッドではやたらとオリヴァー・ストーンがもてはやされていた。

物語の構造は、チャーリー・シーンを主人公(=感情移入の対象)に設定、その両サイドに二つの人格を配置している。戦時化では頼りになるが、人間性をうしなっているトム・ベレンジャーと、戦時化でも人間性をつねにもちつづけるウィレム・デフォー。ま、構造的にはよくある構造で目新しくないが、王道の構造というところだろう。効果抜群である。

ただ、オリヴァー・ストーンの見せ方というのは、散々叩いて、観客の頭の中に見せたい情報をつめこんでいくのだけど、それが定着する時間をあたえないのである。なので、みていてしんどい。これでもか、これでもかと、認識しなければならない情報が与えられる。きっとそれは、認識させない演出があり、ゆえに認識できるシーンではなんとか認識しようと観客が一生懸命みているからなのだろう。見えないものをあえてみなくてはいけないという意識にさせられるからしんどいのだ。
それでも、それが終わったら一休みの穏やかなシーンをもうすこし入れてもらえれば見る側としてはらくなのだが・・そういうシーンもあまりない。映画のなかでの抑揚のつけ方のド下手な監督さんであることには間違いない。

<あらすじ>
1967年、大学を中退してベトナムを志願したクリス(チャーリー・シーン)が現地に降り立った。最前線の戦闘小隊(プラトーン)に配属されたクリスにとって、戦争の現実は彼の想像をはるかに超えた苛酷なものだった。その小隊のなかでもっとも頼りになりそうなのは隊長バーンズ軍曹(トム・ベレンジャー)。かれの冷酷非情は判断は戦場ではただしく思えた。一方班長のエリアス軍曹(ウィレム・デフォー)は戦場にありながらも人間性を大事にしていた。ある日、ベトコンの基地と思われる小さな村を発見した。バーンズは真実を吐かない村民を銃殺、それに怒りをおぼえるエリアスは「軍法会議にかけてやる」と叫ぶ。エリアス軍曹の平和主義的言動に心良く思っていなかったバーンズは、エリアスが単身斥候に出た時、後を追って卑劣にも射殺してしまう。銃声をきいたクリスは不信感を抱くがべトコンは迫ってくる。
小隊がヘリコプターで後方の大隊陣地へと撤退していくなか、クリスとバーンズは、敵兵に追撃されながらなんとか密林から逃げ出してきたエリアスを見る。編隊長は救出を試みるが、援護射撃もむなしくエリアスは敵弾に倒れる。狼狽したバーンズをみて彼がエリアスを殺害を試みたのでは、と直感的に疑念を抱くクリスは陣地に帰頭後、バーンズに詰め寄るが、簡単に組みしかれる。彼の直感は正しかった。

やがて血みどろの夜戦が始まる。圧倒的な敵兵力の前にもはや大隊は壊滅寸前であった。絶望的な戦いを続けているクリスは計らずもバーンズの命を救う形となる。しかし殺戮マシーンと化したバーンズはクリスをも手にかけようとする。その時味方航空機による大隊本部へのナパーム弾投下ですべての戦闘が終息する。翌朝意識を取り戻したクリスは屍のなかを歩く。そこでなんとか生きているバーンズを発見、しかし、クリスは彼を射殺するのだった。

by ssm2438 | 2010-07-25 11:56


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