西澤 晋 の 映画日記

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2010年 08月 03日

郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981) ☆☆☆

f0009381_7174883.jpg監督:ボブ・ラフェルソン
脚本:デヴィッド・マメット
撮影:スヴェン・ニクヴィスト
音楽:マイケル・スモール

出演:
ジャック・ニコルソン (フランク)
ジェシカ・ラング (コーラ)
パパダキス (ジョン・コリコス)

       *        *        *

この映画の中では、災難は二度やってくるのだ。

やたらと性描写のことがネタにあがる映画だが、別にジェシカ・ラングのオッパイや裸体がみえるわけでもない。シチュエーションが淫乱なのだ。淫乱というよりインモラルぶりがすごい。たぶんこの映画がアメリカでの上映時に30分もカットされたのはそのアタリが問題だったのだろう。

物語は、人は良いがあるどこかぬけている夫にうんざりしているその妻ジェシカ・ラングが、バッドなムードをたっぷりのジャック・ニコルソンに手篭めにされてそのまま情事をかさねるようになり、夫を殺してしまおうと画策する。
ヒッチコックのサスペンスなら、ケーリー・グランドなり、ジェームス・スチュアートみたいないい人が、犯罪にまきこまれて神経をすり減らしていくサスペンスになるのだが、この物語では犯罪者の二人のほうが、犯罪というストレスに神経をすりへらしていく。
そしてその神経をすりへらすイベントが2度連打させるのがこの映画のストーリー構成になっている。
まだ良心が残っている二人が殺人を犯すのだから相当なストレスが生じる。しかし、それに失敗。半分しにかけた旦那を病院に運ぶ流れになる。体が回復した旦那だが、自分を襲ったのは二人だとは知らない。そして再び殺人計画が実行される。

この同じストレス・イベント2回連打構成がかなりしんどい。作り手側の立場にたつと、観客にストレスを感じさせることとしては成功している。シナリオライターをめざす人は、こういう方法があるというのを知っておいても良いだあろう。

しかも、それは殺人のシークエンスだけではない。その後保険金殺人の疑いがかけられ裁判になる、ほとんど絶対絶命のシチュエーションになるが、弁護士の起点でこれを回避。安心したかとおもわせといて、再びその弁護士に解雇された助手が二人を脅迫するという2回連打構成。
さらに二人の仲たがいも2度ある。前半で駆け落ちする二人だが、ジャック・ニコルソンのギャンブル好きの本性をみてやっぱり旦那のもとにかえるジェシカ・ラング。有罪間違い無しの裁判をなんとか弁護士の機転でのりきった二人だが、幸せな時はやっぱりダメ男にみえるジャック・ニコルソンにうんざりのジェシカ・ラングで、けっきょく二人の仲はこわれ出て行くジャック。でも戻ってくる。

監督は『ファイブ・イージー・ピーセス』『ブラック・ウィドー』ボブ・ラフェルソン。粘着質の演出はかなりみごたえあり。でも疲れる(苦笑)。撮影は北欧の巨匠スヴェン・ニクヴィスト。さすがニクヴィスト、落ち着きのある色や、節度のある明るさはとてもいい。
映画をつくっているスタッフは、とても上手い人たちがそろっているのだけど、お話自体があまり観客に好まれる話ではない。

『キングコング』のヒロインとしてデビューしたジェシカ・ラングだが、役者としてはこの頃が一番脂がのりきっていた次期だろう。良い感じで、良心のまだのこっている、犯罪者を演じている。個人的にはそれほど好きな人ではなかったのだけど、この映画ではみょうに色っぽい。

<あらすじ>
不況の1930年代のカリフォルニア。前科者の浮浪者フランク・チェンバース(ジャック・ニコルソン)は、ギリシャ人の中年男ニック・パパダキス(ジョン・コリコス)が店主のレストラン兼ガンリン・スタンドに立ち寄った。言葉巧みにただ飯をくらいすぐ立ち去るつもりだったが、調理場で働く彼の妻コーラ(ジェシカ・ラング)に魅了され、しばしそのガソリンスタンドで自動車の整備工として住み込むで働くことにする。

数日後、パパダキスが出かけた時にコーラを襲うフランク。夫にイヤ気がさしていたコーラは、初めは抵抗していたが、抑えられていた欲情が爆発し、自らキッチン・テーブルの上にあお向けになりフランクに身をまかせる。それからというものパパダキスの眼をぬすんでは二人の情事は続く。
二人は邪魔者であるパパダキス殺害を思いつく。浴槽での何者かに殴る殺されたようにみせる殺人計画は、停電がおきるアクシデントのために失敗。パニックになるコーラを制して、パパダキスを病院に運ぶフランク。幸い彼は何者殴られたのか見えておらず、回復後もフランクとコーラには以前と同じように接してくる。二人は再び第2の計画をたてる。パパダキスを車で誘い出し、彼を後ろから殴り倒し、酔っ払い運転を偽装して谷底へ車ごと落として殺した。

パパダキスには保険金もかけられていた。フランクが前科者であるということを知っていた地方検事は、コーラとフランクによる保険金殺人事件だと考え、二人を追い詰めていく。
しかし、パパダキスは個人生涯保険と車による他人への傷害保険の2つに入っていた。コーラが殺人者なら、泥酔した主人が運転していた車に乗っていたフランクは2万ドルを手に入れることができる。コーラが無罪なら、彼女は生命保険1万ドルを受け取ることになる。フランクの弁護士カッツ(マイケル・ラーナー)は、2人の保険会社員を呼んで取り引きした。そこで、過失致死という扱いをするなら、自動車保険会社は生命保険会社に1万ドル払うことで済む。そして、コーラに払われた1万ドルは、弁護料としてカッツが受け取るという算段だ。

この事件が店を有名にし、コーラは大繁盛の店のきりもりに夢中になった。2人の間に平和が戻ったころ、カッツにクビにされた助手が2人を脅迫する。これを殴り倒してなんとか真実をかくすフランク。
二人は再出発を祝うつもりでピクニックに出るが、フランクの子を宿していたコーラが突然腹痛を訴える。正面からはトラックが迫る。、急いハンドルをきるフランクだが、コーラ側のドアが開いてしまい、彼女が外に投げ出されてしまう。車は横転、なんとかはいずり出てコーラのもとにかけよるフランクだが、すでにコーラは息絶えていた。

by ssm2438 | 2010-08-03 07:19


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