西澤 晋 の 映画日記

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2010年 08月 20日

リップスティック(1976) ☆☆☆☆

f0009381_18402033.jpg監督:ラモント・ジョンソン
脚本:デヴィッド・レイフィール
撮影:ビル・バトラー
音楽:ミッシェル・ポルナレフ

出演:
マーゴ・ヘミングウェイ (クリス・マコーミック)
アン・バンクロフト (女性検事カーラ)
マリエル・ヘミングウェイ (クリスの妹・キャシー)

       *        *        *

この頃のマーゴ・ヘミングウェイは美しかった・・・。

最近になるまで晩年の彼女をみてなかったのだけど、自殺する前の数年の彼女はすごい崩れてる。美しくない。このころの彼女はあんなに綺麗で見るものをひきつけていたのに・・・どうしてそんなことになってしまったのか・・・残念で仕方がない。あの痛みかたをみてると自殺にいたるほどの心労があったのだろう。

しかし、この映画のころの彼女は美しかった。映画自体はそれほど評価もされなかったが、でも、かなり頑張ってたと思う。画面的にもそこそこお洒落に撮ろうとしてる節があるった。ただ、そのお洒落さが、当時、「レイプをテーマにしてるのに、このお洒落感覚はなんだ!?」みたな印象を世間に与えたのだろう・・・、あくまで私の予想だけど。当時はこの映画はすこしは話題になっており、私は中学3年か高校生くらいだったと思う。

お話のとっかかりはなかなかいいのである。
世間でいかに評価されなくても、私個人はかなりのお気に入り映画である。

その日はトップモデルのクリス・マコーミック(マーゴ・ヘミングウェイ)の水着の撮影の日。妹のキャッシー(マリエル・ヘミングウェイ)は、姉に自分の学校の音楽教師スチュアート(クリス・サランドン)を紹介しようとして彼をロケ現場に招待していた。クリス自身がスチュアートの曲に興味を示していたのだが、その日は忙しくて彼の曲を聞く暇のなかった。さりげなく男が大事にしていたものを踏みにじるマーゴ。悪気はなくても、対象に対して真剣に取り組まない姿勢は相手には伝わるものだ。これが総ての原因でもないだろうが、このあいまいで、でも、たしかにある一つの起爆剤としては素晴らしい設定だったと思う。

結局、そこでは相手する時間がないと判断したクリスはあとで、自分の部屋を訪ねてくるように言ってしまうそこで彼女は犯される。
しかし、妹キャッシーのスチュアートに対する想いもかなり複雑なのだ。妹にしてみれば、大好きな音楽教師なので、姉を紹介することで、すこしお近づきになりたいな・・みたいな感じなのだろう。そして、姉が犯されているところを見ても、どう解釈していいのかあいまいなのだ。それ以上にスチュアートに対しては悪意を持ちたくないという基本ラインがあるようで、そのあたりも今後の行動判断にいろいろ作用してくるように出来ている。

レイプをしてしまう男にしても、彼女を犯したいから犯したという、性的衝動からではないところが実に切実でいい。自分自身が音楽を愛し、美しいと思っているものを、さりげなく無残に彼女がないがしろにしてしまった。ゆえに彼も、彼女が美しいともっている彼女の美貌や容姿をないがしろにしてしまう行動にでる。
妹に対してもかなり複雑だ。自分のことをずっと慕ってくれていたはずの彼女。そんなこんなで彼女の姉を犯してしまったが、裁判では無罪を勝ち取る。そして普通の生活に戻ったが、やはり妹にも慕われていたかった。それを確かめてみたかった。でも、確かめてみたら彼女は自分を恐れ逃げていった。なので追ってしまった。そして犯してしまう。
ナイーブな男心がかなり赤裸々に描かれていると思った。

いろんなあいまいさのなかで物語を展開させたこの映画、個人的にはとても大好きなのだけど・・、どうも世間的にはうけなかったらしい。私だけがけっこう好きな映画のひとつである。

<あらすじ>
先の水着撮影の時にクリス(マーゴ・ヘミングウェイ)をたずねたスチュアート(クリス・サランドン)だが、そのときはあわただしく、後日、彼女のマンションを訪ねて来るようにいいわたされた。翌日、スチュアートはクリスのマンションを訪ねた。やがて部屋中に彼がテープに録音して持参した電子音楽が異様な音を響かせはじめると、タイミング悪くクリスの恋人から電話が入ってきてしまう。
彼女が聴きたいというから持参した自分の電子音楽、なのに二度も集中しない態度をとられてしまったスチュアートは別室に退き、さりげなくこみ上げてくる怒りを抑えるていた。けべの向こうではまだ彼氏となにやら話している。自分の存在を無視されているのがいたたまれないスチュアートは音楽のボリュームをあげた。顔をだし、無神経に「音を下げて」というクリス。
彼はクリスの髪をつかむと狂ったように引きづりまわし、真赤な口紅をクリスに塗りたくった。そしてベッドの上に裸のクリスをうつ伏せにして手足を縛りつけ、彼女を犯した。その時学校から戻ったキャシーは、ベッドの上でもつれあっている男と女を見てしまう。愕然としてその場から離れるキャシー。

クリスは女性検事カーラ(アン・バンクロフト)の事務所を訪ねた。事件は裁判に持ちこまれだが、カーラの予測どおりスチュアート側の弁護士は、不当ともいえる手段でクリスに罪を被せようとし、重要参考人としての幼ないキャシーを巧みに利用して、見事、スチュアートを無罪にしてしまった。

裁判にまけたクリスは、自分を納得させるためにコロラドの山奥に引きこもるつもりで、猟銃を車に積み込んで最後の仕事にでかけた。やがてキャッシーもスチュアートに犯されてしまう。怒りに燃えたクリスは、車に積んであったライフルを取り出すとスチュアートに発砲した。車は横転し、血だらけのスチュアートがはい出して来た。クリスはなおも激しく撃ち続けた。ふたたびクリスは法廷に立っていた。だが今度は無罪を宣告されるのだった。

美しかりしマーゴ・ヘミングウェイ(↓)
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by ssm2438 | 2010-08-20 18:59


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