西澤 晋 の 映画日記

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2010年 09月 04日

サルバドル/遥かなる日々(1986) ☆☆

f0009381_20232640.jpg監督:オリヴァー・ストーン
脚本:オリヴァー・ストーン/リチャード・ボイル
撮影:ロバート・リチャードソン
音楽:ジョルジュ・ドルリュー

出演:
ジェームズ・ウッズ (リチャード・ボイル)
ジェームズ・ベルーシ (ドクター・ロック)
シンディ・ギブ (犯されて殺される少女キャッシー)

       *        *        *

主人公に好感がもてないまなドラマが進行するので見るのが辛い。

はっきりいって映画としてはかなりいいほうだと思う。
・・・が、とにかく、主人公に感情移入できないまま物語が進る。主人公がみちる人と反対の方向性の行動ばかりとるのでストレスがたまるのだ。これは生理的問題の処理を怠った結果というか、そういう概念すらなかったオリヴァー・ストーンの演出の本質からくる見づらさだろう。

オリヴァー・ストーンの映画というのはどれも見づらい。情報の詰め込みすぎ。見ている人が情報を処理する時間を与えない。それは意図的に行われているところも多いが、無意識のうちにそうなってしまっているところもある。さらにあえて不確定な情報を矢継ぎ早に与え、見ている人はどう処理していいのか混乱してしまう。『プラトーン』『7月4日に生まれて』などの戦闘シーンではそういった演出がとても効果的だが、見ている人は消耗してしまう。この『サルバドル/遥かなる日々』でも、不確定な情報を大量に見ている人に与える演出はさえているが(乱用されているとも言う)、やっぱり見るのがしんどい映画だ。おかげで映画の本筋を追うのがめんどくさくなってしまう。
オリヴァー・ストーンの下手さは、見る側に見て欲しい情報を、見て欲しいように受け取ってもらう方法論がなってない・・というかまったくわかってないこと。そこが最大のネックだ。この映画をみると、その後に撮る『プラトーン』なんかは、かなりエンタな方向性でとられえているほうだと思える(苦笑)。

確かに見づらい映画だが、この映画の本質はかなりしっかりしている。
チャランポランなジャーナリストが、異国からのルポで安易にお金儲けしようとでかけたさきが、アメリカ政府が援助しているエル・サルバドル。しかし、その国の軍事政府は強権政治で民衆を苦しめていた。こんな政権をアメリカが援助していいのか・・ってサルバドルの現状をなんとか本国に伝えようとするジェームス・ウッズ。

・・・なので、エドワード・ズウィックなんかが撮ったらけっこう判り易くていい話になっていたんじゃないだろうかと思うのだが・・(苦笑)。

<あらすじ>
フォト・ジャーナリストのリチャード・ボイル(ジェームズ・ウッズ)は、アパートも追い出され免許もなく、スピード違反で警察に拘置されてしまう。その拘置所でしりあったドクター・ロック(ジェームズ・ベルーシ)と彼は出所するとエル・サルバドルへの旅に出る。
そこは、フィゲロア大佐(ジョルグ・ルーク)が、出生証明書兼投票用紙を持たずゲリラのシンパである可能性をもつ学生は処刑してしまうという怖ろしい国だった。エル・サルバドルに入った2人はいきなり殺されそうになるが、ボイルのいいかげんな口車でなんとな窮地を乗り切る。
かつての恋人マリア(エルペディア・カリロ)と再会し海岸の家で共に暮らし始めるボイル。さらに首都サン・サルバドルでフォト・ジャーナリストのジョン・キャサディ(ジョン・サヴェージ)と出会い、ボイルの中に忘れられかけていた、ジャーナリズム魂がささやかによみがえる。
やがてサンタ・アナでマルティが指揮するゲリラ軍が蜂起、フィゲロア大佐の部隊と交戦する。銃撃に倒れたキャサディは、最後に撮ったフィルムをボイルに託す。幾度となく危機を乗り越えマリアとサンフランシスコに向かうボイルだが、マリアは違法入国者とみなされ、ボイルだけが母国アメリカに戻っていった。

余談かもしれないが、レイプされてそのあと顔面を猟銃で撃たれてしまう可憐な少女を演じたシンシア・ギブだけは妙に印象に残った。

by ssm2438 | 2010-09-04 20:24


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