2009年 01月 13日
監督:ジョナサン・カプラン 脚本:トム・トーパー 撮影:ラルフ・ボード 音楽:ブラッド・フィーデル 出演: ジョディ・フォスター (レイプされた少女・サラ) ケリー・マクギリス (地方検事補キャスリン・マーフィ) * * * こういう映画のケリー・マクギリスは実にはまってる。 この映画の特徴は、ひとことでいうとレイプ犯だけでなく、それを扇動した男も有罪にできるのか?という点。本作においては、その煽りかたがけっこうひどいのである。薬とアルコールでラリってるジョディ・フォスターを言い寄るが拒否されて険悪なムードのなか、一人の男が「そんな女、やってしまえ!」とけしかける。その場のムードも、その男に感化されて「やってしまえ、やってしまえ」コール。結局その男は周りの雰囲気の呑まれて、もう彼女を犯さざるをえなくなってしまう。さらに、「次はお前だ」とその男に指名されると、全然関係ないその男まで、アドリブの舞台に引き出された素人俳優のように、もう彼女を犯すしかないようなムードになっている。 個人が犯すというよりも、集団心理が彼女を犯すというシチュエーション。実に描きがいのある状況なのだが、もうちょっとなんと狂喜が描けても良かったのに。『フレンチ・コネクション』や『ランページ』のウィリアム・フリードキンに撮ってほしかった映画でした。 監督のジョナサン・カプランは、この前の映画で『飛べ、バージル/プロジェクトX』を撮っているのだが、こわは以外を悪くはない。ただ、話がそこそこ面白いというだけで、監督としての演出力はかなり最低の部類にはいる。この人がとるとなぜか画面というか、映画そのものというか、チープになってしまうのだ。テレビシリーズ的な演出なのだろう。実際近年は『ER III 緊急救命室』の第3シーズンから監督をつとめているようだが、実にテレビ向きというか、テレビ的にしか撮れないひとである。この映画もどこかTVMのような感覚を覚える。 主演のジョディ・フォスターはこの映画でアカデミー主演女優賞を獲得したが・・、個人的には「この作品でええ???」って印象が強かった。個人的にタイプではないのだけど、同い年なのでさりげなく気になる存在ではある。でも、この人は『アリスの恋』にでてたころが一番好きだ。あんまり大人になってからの作品でときめくものはない(苦笑)。 しかし、ケリー・マクギリスはけっこう好きなタイプだ。大柄でスーツ姿が似合うこういう雰囲気をもった人はなかなか良いですな。アゴがごついひとなので、ついついアメリカ版のGODGILLAをイメージしてしまう(笑)。それでも美人だと思うので、昔は気になってちょこちょこ彼女の出演作品をチェックしていたものだ。 <あらすじ> ミルという名の酒場デレイプ事件がおきる。被害者の名はサラ・トバイアス(ジョディ・フォスター)。酔ってマリワナも吸っていた彼女を3人の男達が犯したのだという。地方検事補キャサリン・マーフィ(ケリー・マクギリス)が事件を担当することになる。 被告側の弁護人は、「マリファナを吸いラリっていたのは彼女であり、その彼女が誘ったからこうなった」と無罪を主張して挑む姿勢を見せていた。様々な状況証拠を検証するが、被告側の弁護士のいうとおり、サラに有利な証拠はなく、3人の容疑は過失傷害との裁定の取引きに応じてしまう。 この事実を知ったサラはキャサリンを激しく責め、深く傷つき悲しみにくれる。女性として検事として真にあるべき道を教えられ、再び事件を裁判の場で争う決意を固めた。この裁判は、レイプをした男たちだけでなく、それをあおり、扇動したクリフ(レオ・ロッシ)という男を糾弾することが特異な点だった。果たして、レイプを実行してもいない人を有罪にできるのか・・・?
by ssm2438
| 2009-01-13 08:54
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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