西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2010年 10月 07日

恐怖の報酬(1953) ☆☆☆☆☆

f0009381_1941312.jpg監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
撮影:アルマン・ティラール
音楽:ジョルジュ・オーリック

出演:
イヴ・モンタン (マリオ)
シャルル・ヴァネル (ジョー)

       *        *        *

どうみてもフランスのどこかに見えるが、中米を舞台にした話である(笑)。

物語は非常に単純。スピルバーグの『激突!』とおなじくらい単純だろう。
ベネズエラのとある油田で大火災が発生、石油会社はニトログリセリンの使用を決断。安全装置のないトラックでニトログリセリンを運ぶのは命がけである。そこでラス・ピエドラスという街にたむろしてい男たちに呼びかけ、2000ドルの報酬で運ばせることにした。イブ・モンタン他3人が選ばれた。この4人がペアを組、ニトログリセリンを積んだ二台のトラックにのって目的地まで運ぶという話。。トラックが動き出すまではたるいのだが、そこからは手に汗握る連続。アンリ=ジョルジュ・クルーゾーのサスペンスで鍛えたぎりぎりするような演出が見ごたえ充分。
第6回カンヌ国際映画祭グランプリ、第3回ベルリン国際映画祭・金熊賞を受賞している。

ヒッチコック以上にサディスティックな演出のアンリ=ジョルジュ・クルーゾー。というか、明らかにサディストだと思う。遺作となった『囚われの女』もサディストの本性むき出し(加虐性にくるっているというわけではなく、劣等感と虚栄心がその根底にあることをしっかり描けている)。そんなクルーゾーの演出的サディズムが爆裂しているのがこの作品。
イブ・モンタンの相棒になったジョーというオヤジは、ビビって運転ができなくなる。そんなチキンのジョーをなじるモンタン。登場人物は、クルーゾーのよってどんどん追い詰められていく。

ひと段落ついたところで、紙タバコをつくって吸おうするとぶあっと風が吹いてどっか~~~~~ん。そしてそのあとは油の沼地。ここを抜けるシーンはやっぱり痛い。チキン・ジョーがびびって運転できないので運転はずっとイブ・モンタンがやっているのだが、その沼ではジョーが車をおりて、油におおわれて見えない地面の様子を確かめながら進むことになる。一度止まってしまえばもう動けなくなるだろうという状況。そんなときジョーが足をすべらせて倒れてしまう。しかし車を止められないモンタンは絶叫する彼の足の上行くしかない。それまでなじってきたチキン・ジョーの痛みを代償なくして彼等の報酬はありえない。
こういう追い詰め方がじつにスゴイ。

<あらすじ>
南米ベネズエラ。ラス・ピエドラスという町から500キロ離れた山の中の油田が火事になり、石油会社は山上までニトログリセリンを運び上げ、その爆破によって鎮火することにした。危険なニトログリセリン運搬には2000ドルの賞金がつけられた。街の与太者の中からマリオ(イヴ・モンタン)、ビンバ、ルイジ、スメルロフの4人が選ばれた。当日スメルロフは姿を見せず、ジョー(シャルル・ヴァネル)がマリオと組むことになった。
f0009381_19535141.jpgf0009381_19533197.jpgマリオとジョーの組が先発、30分遅れてルイジとビンバの組が出発するが、ジョーは運転にびびってしまい後から来たビンバ組に追いこされてしまう。道中は洗濯板のような悪路、転回困難な狭路、落石などいろいろな障害が待ち受ける。道路をふさいでいる大石を、沈着なビンバは少量のニトログリセリンを使用して爆破し、無事に通りぬける。

そのあとは坦々とした行進がつづき、一同もほっとしたとき、突如ビンバの車が大爆発を起し、跡かたもなくけし飛んだ。爆発のあとは送油管が切れて石油がたまりかけていた。早くここを通りぬけないと油に足をとられて動けなくなる。ジョーが車を降り、前方を確認しながら進む。一度車をとめたらもう動けなるだろう。しかしそジョーが油に足をとられて倒れてしまう。車を止めることができないマリオは倒れたジョーの脚の上を通りぬけなければならなかった。
なんとか油の沼を通り抜けて、ジョーを助け上げ、介抱しながらようやく目的地につくことができたが、ジョーは既に息絶えていた。ニトログリセリンのおかげで火事は消しとめられ、マリオは賞金4千ドルをもらった。帰路についたマリオはカーブでハンドルを切りそこね、トラックはマリオをのせたまま、崖下へと転落していった。

by ssm2438 | 2010-10-07 19:41


<< ソフィーの選択(1982) ☆☆☆☆      白と黒のナイフ(1985) ☆☆ >>