西澤 晋 の 映画日記

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2010年 10月 16日

オリーブの林をぬけて(1994) ☆☆☆

f0009381_22594532.jpg監督:アッバス・キアロスタミ
製作:アッバス・キアロスタミ
脚本:アッバス・キアロスタミ
撮影:ホセイン・ジャファリアン/ファルハッド・サバ

出演:
ホセイン・レザイ (ホンセン)
タヘレ・ラダニアン (タヘラ)

       *        *        *

大学の自主映画レベルなのだが・・・その純朴さが味でもある。

イランで一番有名な監督はといえばやっぱりこのアッバス・キアロスタミだろう。個人的には『風が吹くまま』がキアロスタミのベストなのだが、その次はやっぱりこの映画かな。ほかの映画は・・・・正直な話かなり退屈だ。『櫻桃の味』はどは世間では評判いいかもしれないが、私としてはどうも狙いすぎてる気がしてイヤだ。この映画も純朴さを狙いすぎてるきがしないでもないが、それをいったら黒澤映画なんかどれも狙いすぎててみられなくなってしまう(苦笑)。

この映画は、映画作りの最中にひとりの青年が相手役の娘に愛を告白しようと試みるひたむきなラブ・ストーリー。そのひたむきさはホー・シャオシェン『恋恋風塵』にもにた雰囲気がある。いや、ほとんどキアロスタミ版『恋恋風塵』といってもいいだろう。
ただ、残念なのが撮影状況のアバウトさであり、素人性全面に出ている。この映画は、映画撮影をしているスタッフのなかのラブロマンスだともいえる。考えてみると『映画に愛をこめて-アメリカの夜』とも同じ性質のもかもしれない。ただ、個々で撮影されているのは、役者を使った撮影ではなく、その地方にいき、その地方の人達をつかって撮影するというかなりいきあたりばったりの撮影であり、監督のビジョンを具現化したものであhなく、一応それに基づいて撮るけれども成り行きにまかせようというもの。
もっと整理すれば見やすくて良い作品になるのにって思えるのだが、その素人さが味だと思われる部分はなんかイヤで、全面的に肯定できない部分があるのも事実だ。

・・・しかし、うむむむむ・・・ラストのあのロングショットはじわああああああああああんである。個人的にはそれほど評価してないキアロスタミだが、あのカットには悔しいかな、やられた感がある。少なくとも『第三の男』のラストシーンの30倍は燃える!!

・・・しかし、この映画はなんなのだろう?
ずっとその女のことが好きだった男が、一度はプロポーズして拒否られる。そのご再び映画の撮影現場で一緒に仕事をするようになる、それを機会にまた男は真意を問う。。女が男を好きか否かということはここではまったく表現されていない。たぶん好きでも嫌いでもないのだろう。でも結婚したい相手だとはおもってなかったのでプロポーズは断ったに違いない。しかしどうも断ったのは両親らしく、本人の真意はわからない。
これを観ていると文明の育ってないところでは女の<好き力>は乏しいのだろう。それは日本の過去の文化をみてもそのような感じだ。90年代にまだそんな価値観のところが世界にはあるのだなあと改めて認識した。
もしかしたら・・いや、本質的にはそのほうが正しいのだろうって思う。女に<好き力>はないのである。彼らにあるのは自分にとって都合がいい存在か否かを見定める能力なのだろう。

<あらすじ>
ホセイン(ホセイン・レザイ)は映画撮影スタッフのなかの雑用係だった。監督は、映画の女優をある村の女達から選ぶことになった。その結果、村の娘のタヘレ(タヘレ・ラダニアン)がえらばれる。助監督のシヴァ(ザリフェ・シヴァ)は彼女を迎えに彼女の家に行く。彼女はおめかしして出てくる。彼女にとっては晴れ舞台なのだ。しかし撮影に必要なのは普通の田舎の子であり、その服にNGをだすシヴァ。そんな素人っぽいトラブルがあたりまえのように起きる。
撮影現場では、新婚の夫役をやるはずの男が、タヘラ相手だと緊張して話せない。仕方なく代わりにホセイン(ホセイン・レザイ)がその役を演じることになる。しかし今度は相手役のタヘラの様子がおかしい。実はホセインは、以前にタヘラにプロポーズしたが、彼女の両親から拒否られていたのだ。なんとかタヘラをなだめすかしてカメラの前にたたせるシヴァ。撮影中もタヘレに、その本心をききたがるホンセン。撮影が終わればもう彼女に会えない。最後の日、彼は返事をもらうため、オリーブの林をぬけ、ひた走るりオリーブの林を抜けていく。

純粋なのか強引なのか、強引を許すほどイランの女には<好き力>がないのか・・、良いのか悪いのか・・・日本人の私にしてみればよく判らない感覚の映画である。

by ssm2438 | 2010-10-16 23:20


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