西澤 晋 の 映画日記

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2010年 11月 06日

ディア・ハンター(1978) ☆☆☆☆

f0009381_1129510.jpg監督:マイケル・チミノ
脚本:デリック・ウォッシュバーン
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
音楽:スタンリー・マイヤーズ

出演:
ロバート・デ・ニーロ (マイケル)
クリストファー・ウォーケン (ニック)
ジョン・サヴェージ (スティーヴン)
メリル・ストリープ (リンダ)

       *        *        *

ディア・ハンターのディアは、DEER=鹿である。

もっとも、『Dear Hunter』 でも 『Deer Hunter』 でも、“なんのこちゃ・・・?”のタイトルだけど(笑)。

やはり記憶に残る映画の一本だろう・・。映画としては好きな映画ではないのだけど、やはり頭の中にこびりついてはなれない恐ろしい映画である。

あのロシアン・ルーレットの恐ろしさと緊迫感は目を背けたくなる。でもホントに目を背けたいことは、自分をその立場を置き換えた場合、それが出来ない自分がいることの自覚させられることなのだ。そして、それが出来るかもしれない人がいるかもしれないという劣等感。感情移入を途中で放棄し、傍観者としてみる立場に移行するしかない自分の卑怯さを実感させられる。それを無理やり感じさせられるからこそ、この映画は恐ろしいのである。

ヴェトナム戦争なか、同郷の幼馴染であるマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スチーブン(ジョン・サヴェージ)の3人は捕虜になってしまう。その小屋は川の上に立てられており、床下が牢になっている。捕虜達は首まで水に浸かった牢のなかでロシアンルーレットのネタにされる時を待っていた。弾丸を一発だけ込めたリボルバーを捕虜が交互にこめかみに当てて撃ち合い、それにベトコンたちが金を賭けるというものだった。拒否すれば足をAK47で砕かれ、再び水牢に沈められ、出血多量で死ぬことになる。スチーブンが恐怖のために発狂し、撃たれて水牢に戻される。
マイケルは恐ろしさに怯えるニックを叱咤してテーブルに着く。何度かの撃鉄の音が響き、運良く生き延びているマイケルは「3発だ、おれは3発でやる!」と気狂いじみた要求をヴェトコンにする。どういう意味か分らないヴェトコンは、マイケルの銃に2発の銃弾を追加しその銃を渡す。覚悟をきめて、絶叫しながら自分のこめかみを撃つ。ハズレ。生き延びたマイケル。次はニックの番。恐ろしくて出来ないニックの顔をヴェトコンが何度かひっぱたく。「やるんだ」と叱咤するマイケル。最後の勇気を振り絞って撃鉄をひくニック。ハズレ。生き延びた。つづいてマイケルの番。ははは・・と嘲り笑うヴェトコンたちに、負けるもはははと笑い返す。一瞬の隙をついてその銃で彼らを撃つマイケル。そのための3発の銃弾だった。
倒したヴェトコンのAK47で全員を撃ち殺したマイケルは、負傷して意識のもうろうとしているスチーブンを水牢から助けだし、憔悴したニックとともに逃走する。丸太にしがみついて濁流を下り、間もなく友軍ヘリコプターが飛来したが、マイケルとスチーブンは力尽き、ニックだけが救出される。

ニックは、自分だけが生き残ってしまい、重い十字架を背負うことになる。


3時間をこえる大作で、正直前半部はかなりだるい。それが必要だという人もいるだろうが、私が思うに、マイケル・チミノは単に構成が下手なだけだと思う(苦笑)。少なくともあと30分は切れたはずだ。
この人の作りは、作るだけ作って、撮れるだけ撮って、それをつないで完成!・・みたいなノリで、多分ハリウッドの映画関係者みんなは「作る前にもっと効果的なストーリーラインを考えて無駄をしない作り方をしろよ!」と思っているだろう。出来たものに対して「良いの悪いの」いうことは誰でも出来ることで、それを作る前に予測して、無駄な部分を排除し、予算をすくなくし、質の高いものを作るのが才能ってモノだろうっておもうのだが・・。この映画でアカデミー賞は取ったマイケル・チミノだが、その後の『天国の門』では大金を使うだけ使って映画は大失敗、制作会社ユナイテッド・アーティスツは倒産。ハリウッドを一時期追放されてしまう。その後『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』で復活するも、その後は・・・・、沈黙の人である。

ちなみに私は『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』、大好きです。

by ssm2438 | 2010-11-06 11:30


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