西澤 晋 の 映画日記

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2010年 11月 26日

ガス人間第1号(1960) ☆☆☆

f0009381_22444778.jpg監督:本多猪四郎
脚本:木村武
撮影:小泉一
音楽:宮内国郎
特技監督:円谷英二

出演:
土屋嘉男 (私立社陵文庫司書・水野)/ガス人間)
三橋達也 (警部補・岡本賢治)
八千草薫 (春日流家元・春日藤千代)

       *        *        *

このときの八千草薫は恐ろしく綺麗だった。。。

不幸にして人体実験でガス人間になってしまった主人公が、憧れの人日本舞踊の家元・春日藤千代のために銀行強盗をしながら金を貢というもの。報われない男の愛の物語である。物語はサスペンス/ミステリーの展開で進展していく。しかし、それがファンタジーの要素を持ってくるが、全体的には大人のドラマに空想科学テイストを加味したドラマだといえる。

この映画が公開された1960年は、私もまだこの世には生まれておらず、私がしっている八千草薫はかなりおばさんになってからのものだが、この映画のなかの彼女は素晴らしく綺麗である。自分を思って犯罪を繰り返した男のために、業火に崩れ行く舞台の上で、彼のために舞踊を舞う姿ははかなくも美しい。

東宝の特撮モノといえば、『ゴジラ』シリーズが有名だが、怪獣のでない映画もあった。それがこの「変身人間」シリーズだ。監督と特技監督はやはり『ゴジラ』シリーズの本多猪四郎円谷英二。後にテレビ放映される円谷プロが制作する『怪奇大作戦』の起源のような映画といえる。ガス人間の特撮もさほど違和感はなく、プロの技を感じる。そして最後の舞台とその会場が炎につつまれて崩落していくシーンはやはり特撮ものだな感心させられる。
しかし・・・、本多猪四郎の演出というのは、物語の展開を記号的にみせてしまい、匂わせて感じ取らせるような大人の演出ではない。ガス人間に貢がれたお金で家元を再興している八千草薫がスキャンダルにまみれる展開など、イジメがいのありそうなドラマなのだが、人間ドラマを撮る演出力としてはちょっと弱いかな・・。

<あらすじ>
吉祥寺の銀行を襲った犯人は五日市街道を逃走する。岡本警部補(三橋達也)はその犯人の車を追跡するが、追いついた車のなかはもぬけの殻。近くには日本舞踊の家元春日家の一軒家があった。そんな事件をきっかっけに同じような銀行強盗が頻発する。
岡本は、春日藤千代(八千草薫)に疑いの目をむけた。没落寸前だった春日家の家元・藤千代は、派手なキャデラックを乗り廻し始め、絶縁関係の芸人達にも金をバラまいているという。藤千代のバラまく札のナンバーが強盗によるものだと判明すると共犯容疑で逮捕した。
ところが、自ら犯人と名のる男・水野(土屋嘉男)が現れる。彼は、人間が宇宙旅行を容易にできるための人体実験の失敗によっていつでもガス状になることのできるガス人間にされてしまったのだ。彼は銀行強盗をして大金を貢いでいたのである。水野は逮捕され、藤千代は釈放された。しかし留置場に移された水野はガス状になりやすやすと脱獄してしまう。
スキャンダルにまみれた藤千代の舞台の日、観客の一部は「ガス人間を出せ!」などと罵声を浴びせる。怒ったガス人間が招待を現す。逃げまどう観客たち。観客がいなくなった場内、それでも藤千代はガ水野の為に踊り続けるのだった。舞い終えた藤千代がガス人間に抱かれていた。藤千代は水野の背でライターに火をつける。会場は大爆発を起す。

by ssm2438 | 2010-11-26 22:45


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