西澤 晋 の 映画日記

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2010年 11月 30日

あこがれ美しく燃え(1995) ☆☆

f0009381_1128534.jpg監督:ボー・ウィデルベルイ
脚本:ボー・ウィデルベルイ
撮影:モルテン・ブラウス

出演:
ユーハン・ヴィーデルベリ (スティーグ)
マーリカ・ラーゲルクランツ (臨時教師ヴィオーラ)

       *        *        *

行ってはいけないと理性では判っているけど、行ってしまう部分を描けるのがこの監督。

監督のボー・ウィデルベルイ『みじかくも美しく燃え』『刑事マルティンベック』の監督さんである。魅せ方は地味でけっこう退屈なのだけど、本質的には「行ってはいけない部分に行ってしまった人間の業」を描けるひとである。

誰のこころにもそんな想いはある。社会的しがらみを忘れて一度はその欲望にまかせてみいたい・・、実際やっていたとしても、そのあとは坂道を転がり落ちるようなものだともわかっている。普通は理性がそれを抑え、現実としてそれは行わないでいるものだ。そこをさりげなくやってしまうのがこの監督さん(でも、つまらないのだけど・・はは)。

『みじかくも美しく燃え』では、妻子ある軍人とサーカスの少女ピア・デゲルマルクが愛し合い、<社会性という抑制>もきかず、そのまま駆け落ち逃亡、最後は行くところなく自殺にいたるという悲劇を描いている。そしてこの『あこがれ美しく燃え』も、社会性の抑制が効かなくなってしまった少年と教師の話。おもえば『刑事マルティンベック』もそうなのかもしれない・・・。一度は「こんな社会性など忘れて行動してみたい」と思う人間の潜在的な欲望をさりげなく刺激している人なのかもしれない。

先生とどういうわけかラブラブし始めた頃の主人公と先生の可愛らしさといったらとっても素敵なのだ。こんな状態だったら学校に行くのが楽しいだろうなあって思ってしまう。ただ、後半はもうかなりしんどい。なんでこんなことにならなきゃいけないんだ??って思ってしまった。
・・・しかし、こんな学生生活がおくれたら、それはあまり気持ちよくないエンディングであろうとも、彼にとってはとっても幸せな思い出の1ページになったであろう物語にはちがいない。

<あらすじ>
1943年、ヨーロッパは第二次世界大戦の真っ最中である。しかし中立国だったスウェーデンは戦火を受けてはいなかった。15歳のスティーグ(ユーハン・ヴィーテルリベ)は、赴任してきた臨時教師ヴィオーラ (マーリカ・ラーゲンクランツ)に想いを寄せるようになる。ヴィオーラもそんな彼の気持ちがいやではない。地図を資料保管室に返しに行く時、はずみというか、勢いというか、スティーグからキスをされてしまう。一瞬拒否反応をしめすが、その後は特に否定する筋合いもなく受け入れてしまう。

それからしばらくは校内でふたりのささやかな情事が描かれるのだが、これはみていても微笑ましくなるほどさわやかだ。こんな学生生活送れたら人生幸せで仕方がないだろう。しかし、スティーグが彼女のうちを訪問するようになると一般的な社会倫理が麻痺してくる。

ヴィオーラは結婚しており、夫のフランクは行商で飛び回っている。その目を盗んで彼らは逢瀬を続けるが、あるとき不運にも鉢合わせ。しかしそんなフランクと奇妙な友情が芽生えていく。自分が昔浮気したせいで妻とは性生活はないことをほのめかす。フランクのことを知れば知るほど罪悪感をふかめるスティーグはヴィオーラから遠ざかるようになった。彼が訪ねなくなって、ヴィオーラは荒れ始め、酒に走る。ワインのボトルを割り、それを突きつけてスティーグに、自分の服を脱がすように強要する。スティーグは彼女に別れを告げる。公私混同のヴィオーラはスティーグを落第させてしまう。

by ssm2438 | 2010-11-30 06:37


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