2011年 01月 01日
監督:ジョン・マクティアナン 脚本:デヴィッド・アーノット/シェーン・ブラック 撮影:ディーン・セムラー 音楽:マイケル・ケイメン 出演: アーノルド・シュワルツェネッガー (ジャック・スレイター) オースティン・オブライエン (ダニー) * * * 映画の中の彼らがこちらに来たときは、銃は空砲であってほしかった。 映画ファンの男の子が映画の中に入ってしまい、そのなかでアクションスターと共演、さらに映画の中の悪役がこちらの世界に来てしまい、それをおってアクションスターもこちらの世界に来てしまうというお気楽ファンタジーアクション映画。 とにかく作っている皆さんが楽しそうでなにより。 アーノルド・シュワルツェネッガーが、制作総指揮をつとめた最初の映画。実はこれまで監督は何本かやっていたのだけど、制作総指揮という立場で仕事をするのはこれが始めてだったようだ。そういうわけで、自分のやりたいような方向性でプロジェクトを動かせることが出来たのだろう。映画好きのエッセンスがいっぱい詰まっている。当時この映画をみたとき、予備知識なしでみたのだけど、ベルイマンの『第七の封印』がでたときはびっくりしたものだった。 また、映画のなかには主人公がやたらと西部劇時代のクリント・イーストウッドのような雰囲気を出しているシーンがあって「・・・あれ?」と思ったのだが、ウィキペディアなどを読むと、彼はイーストウッドのファンらしい。・・・なるほど。 そんなわけで、この映画は自分の映画好きのエッセンスと遊び心で、敷居を高くすることなくお気楽にとった映画なのである。なので、この映画は、映画の内容がどうのこうのというよりも、作っている人たちが楽しくつくっているのだなあっていうその感じが伝わればいい、それだけでなかなか幸せにみられる映画だ。 監督は『プレデター』や『ダイハード』で一躍有名監督の仲間入りしたジョン・マクティアナン。ただし、この映画ではあまりにもエベントが大雑把過ぎるのであまりマクティアナンのよさは出てないかな。もうちょっとシリアス・・というか、コンセプトの縛りをしっかりしてたらこの人の良さが出るのに・・・惜しい。 やはりアクション映画の楽しさは、限定された状況の中ではらはらどきどきしながら戦うことにあるので、なんでもありになってしまうと危機感もなくなってしまう。映画のそとの主人公が映画の中に入っているときはそれなりに楽しかったのだけど、その反対に、映画の主人公達がこちらの世界に来たときはもうちょっと作られた世界のキャラクターとしての味が出せなかったものか・・って思う。 それに彼らの撃つ銃がこちらの世界でも機能するというのがどうも気になってしまった。映画の中ではその銃をうつとちゃんと敵もやられてくれるのだけど、こちらの世界で弾の入っていないただの空砲・・みたいな。 ちなみに撮影は『ダンス・ウィズ・ウルヴス』のタタンカ狩りを撮った私のごひいき撮影監督ディーン・セムラー。この人の夜の色使い(ライティング)などは、かなり好みなのである。 <あらすじ> ウェイトレスの母アイリーン(マーセデス・ルール)と2人暮しの少年ダニー(オースティン・オブライエン)の楽しみは、タイムズ・スクエアのうらにある二番館でアクションヒーロー、ジャック・スレイター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が活躍する『ジャック・スレイター』を観ること。ある日ダニーは、映写技師のニック(ロバート・プロスキー)の手伝いで、次回上映作『ジャック・スレイター』のフィルム・チェックに立ち会えることになった。 そこで別世界へのパスポートとなる魔法のチケットをもらったダニーは、その上映会の夜最新作の『ジャック・スレイター』を鑑賞しはじめる。 映画が始まるとダニーの魔法のチケットが輝き、ダニーはスクリーンの中の世界に呑みこまれた。物語の導入部を既に見てしまっただダニーは、悪役が誰で、何処にいるか知ってしまっているため、スレイターに協力することが出来る。しかし、チケットが入った財布を殺し屋ベネディクト(チャールズ・ダンス)に巻き上げられ、彼はその魔法のチケットの力で現実の世界へ逃げこんでしまう。ダニーとスレイターもそれを追う。 執拗に追ってくるスレイターを抹殺するには、現実の世界で彼を演じたアーノルド・シュワルツェネッガー(アーノルド・シュワルツェネッガー)を殺せばいいと考えた殺し屋ベネディクトは、本人を初め有名陣があつまる新作『ジャック・スレイター』のプレミア上映会の会場に、前作でスレイターに殺されたザ・リッパーを送り込む・・。
by ssm2438
| 2011-01-01 10:27
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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