西澤 晋 の 映画日記

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2011年 01月 02日

ナバロンの要塞(1961) ☆☆☆

f0009381_14442334.jpg監督:J・リー・トンプソン
原作:アリステア・マクリーン
脚本:カール・フォアマン
撮影:オズワルド・モリス

出演:
グレゴリー・ペック (キース・マロリー大尉)
デヴィッド・ニーヴン (ミラー伍長)
アンソニー・クイン (アンドレア・スタブロス大佐)
スタンリー・ベイカー (ブラウン無線兵)
アンソニー・クエイル (フランクリン少佐)
ジェームズ・ダーレン (パパディモス一等兵)
イレーネ・パパス (マリア)
ジア・スカラ (アンナ)

       *        *        *

アリステア・マクリーンの楽しさが表現された冒険小説の映画化。

第二次世界大戦時の話で、ヨーロッパ戦線の東の端、ドイツは中立だったトルコを見方に引き入れるために、トルコと目と鼻の先にあるギリシャのケロス島に軍を大量に送り込んできた。その島のイギリス兵たちは圧倒的なドイツ軍の数の前に撤退するしかなく、イギリス軍は駆逐艦6隻をケロス島に向かわせる。しかし、その水域にはドイツ軍のナバロンの要塞があり、その水域を航行する軍艦や輸送船を大型の砲塔で狙い撃ちにしていた。主人公たちは6人の精鋭部隊は、このナバロンの要塞の大砲塔を無力化するために送り込まれる・・という話

007シリーズのイアン・フレミングより20歳ほど若く、第二次世界大戦を20代で経験したアリステア・マクリーン。イアン・フレミングと人気を二分する戦争、スパイ、冒険小説での第一人者であろう。その中においてこの『ナバロンの要塞』がもっとも有名な映画であり、後に『八点鐘が鳴るとき』『軍用列車』『黄金のランデブー』などいくつかの作品が映画化されてる。多分短編小説だとはおもうが、マクリーン原作の映画では個人的には『テロリストゲーム』が大好きである(笑)。007のような一人で行動するよりも、何人かでチームを組み作戦に挑むというものが多く、かならずみうちにスパイがいる(苦笑)。この『ナバロンの要塞』にしてもやっぱりそうだった。
1シーン1シーンでの登場人物同士の微妙な精神的やり取りや、物理的なやり取りをかなり書き込む人なので、部分的には面白いのだが、トータルでみるとちょっと出来すぎかなと思わせる部分もあったりする(苦笑)。

この物語りも戦闘シーンというよりも、戦時下の緊張感のなかで要塞爆破のミッションを遂行していくスパイモノ的要素がつよい。そして物語の面白さをきわだたせているのが、キャラクター設定の明確さだろう。

冷酷なまでに沈着冷静なマロリー大尉(グレゴリー・ペック)。
ミッションリーダーだが、負傷してしまい足でまといになるフランクリン少佐(アンソニー・クエイル)。
フランクリン少佐の旧友で、出世欲のない気の良いミラー伍長(デヴィッド・ニーヴン)。
かつてマロニー大尉のあまり判断から家族をドイツ兵に皆殺しにされたスタブロス大佐(アンソニー・クイン)。
ナイフの使い手だったが、今は自衛でしか人を殺さないと誓ったブラウン無線兵(スタンリー・ベイカー)。

・・など、ドラマとしての基本的な個性が配置されている。そんな人間関係の中で、負傷したフランクリン少佐をどうするのかというジレンマや、潜在的に殺意のあるだろうスタブロス大佐、「自衛でしか人を殺さない」と言っていたが、実はスパイではないかと思われるふしもあるブラウン無線兵。そんなメンタルのやり取りが実に巧妙に物語りに盛り込まれている。
さすがにこれだけだと女っけがあまりなさ過ぎると思ったのか、レジスタンスの二人の女性が合流。中盤からは画面が華やかになってくる。

撮影的にも、当時としてはかなり頑張っている。荒波のなかの小船のシーンや、実物の戦車は軍用バイクなどが多数登場、絵的にも遜色ない。これは撮影現場のギリシャ軍の協力だったらしい。ギリシャ軍の軍用車両にドイツのマークをはりつけたもので、実際よくよく見るとあまりドイツらしくない戦車や輸送車両なのである。

by ssm2438 | 2011-01-02 14:46


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