西澤 晋 の 映画日記

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2011年 01月 13日

ゴーリキー・パーク(1984) ☆☆

f0009381_13234565.jpg監督:マイケル・アプテッド
原作:マーティン・クルーズ・スミス
脚本:デニス・ポッター
撮影:ラルフ・D・ボード
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演:
ウィリアム・ハート (レコン・アルカージ民警捜査官)
ジョアンナ・パクラ (ソ連の反体制思想の女性イリーナ)
ブライアン・デネヒー (NYPD警部補カーウィル)

       *        *        *

うわ・・・、みんな寒そう。

<あらすじ>
1977年4月、モスクワのゴーリキー公園で雪の下から男女3人の射殺体が発見される。いずれも顔面を鋭利な刃物で削ぎ落とされ、指先も切断され判別不能。捜査を命じられた民警の主任捜査官レンコ(ウィリアム・ハート)は残虐な事件の背後に見えかくれするKGBの影に当惑する。彼は人類学研究所に被害者の顔の復元を依頼する一方、被害者のひとりがはいていたスケート靴から運命の女性イリーナ(ジョアンナ・パクラ)と出会う。反体制派の彼女に次第に魅かれてゆくレンコ。そして捜査線上に浮かぶアメリカ人の毛皮商オズボーン(リー・マーヴィン)、さらに弟を探しにきたというアメリカ人(ブライアン・ドネヒー)=実はニューヨーク市警の部補カーウィル、などが登場。そのなかでレコンは真実を追い求めていく。

犯人は、物語の中盤で分かってくるので、推理小説というジャンルではない。どちらかというと、社会主義体制の動きづらいなか、クールに地道にがんばるソ連の捜査官のハードボイルドものと考えたほうがいいだろう。

「頭蓋骨からの顔の再生」というテーマは、最近ではメジャーになってきたが、私が見た中ではこれが最初だった。それ以前にある漫画のなかでそんな展開があったが、それが似たようなものだったので、あ、この作品が「頭蓋骨からの顔の再生」というテーマの走りだったのかもしれないと思った。

原作は、英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)を受賞したミステリー。アメリカ人作家によるサスペンス・ミステリーなれど、舞台はモスクワ、主人公はソ連の警官、そして英国で評価された作品。それを『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』と『愛は霧の彼方に』マイケル・アプテッドが監督してつくられた作品。この監督さん、地味だがきちんと撮れる人で私は好感をもっている。

主人公たちはソ連人なのだが、それをアメリカ人のウィリアム・ハートが演じ、それも英語を話すので見ている側としては一瞬戸惑う。なれれば英語で展開するソ連を舞台にしたソ連人の物語って分かってくるのだけど、当時このVHSを借りてきた私は予備知識がなかった。あとで調べたら原作は地味に人気のある作品だったようだ。しかし、映画は・・・・こちらはかなり地味で、抑揚がなさ過ぎた・・と印象がいなめない。

映画ではそこまで描かれてなかったのだが、このドラマのポイントはソ連の共産主義体制のなかで行う捜査の困難さと、そのなかでそれでやりぬいていく主人公の硬骨さだろう。
国家は間違いを犯さない。ゆえに、有罪でなければ裁判は開かれない。そんな真実の解明とは無縁の司法制度。そんな環境下でもなお真実を追い求めようとする捜査官レコン・アルカージ。しかし、彼のそんなまじめささえも、ソ連の社会にとっては憎むべきものになってしまう。思想の自由が制限された社会においては、レコンのようは自由な発想とまじめな行動力をもつ人物でさえもそれだけで危険因子であり、まわりからの圧力も捜査をにぶらせる。形式的な法律の遵守よりも社会の利益が優先される法治主義。さらに、レコンが所属する民警の担当は国内犯罪限定。そこに国家の安全保障にかかわる問題を担当するKGBがからんくる。本作では捕まえるべき真犯人が明らかになっているにもかかわらず手出しすることのできない状態。
物語が進むにつれて、犯人を追っているのはアメリカのブライアン・デネヒーも一緒で、彼がレコンの見方になってくるだが、犯人は捕まらないまま終わってしまう。物語を通じてレコンのがんばりから生まれた結果は、イリーナを自由の国に亡命。
なんとか、それで物語りはまとまったかな・・という感じ。

しかし、殺人の原因となったのが毛皮の密売という、あまりに姑息なモチベーション。そんなことで人殺すなよって思ってしまった。まあ、その毛皮の価値をしらない私だから言えるのだろうが・・・。

by SSM2438 | 2011-01-13 13:28


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