西澤 晋 の 映画日記

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2011年 01月 17日

タイタンズを忘れない(2000) ☆☆☆

f0009381_0165427.jpg監督:ボアズ・イェーキン
脚本:グレゴリー・アレン・ハワード
撮影:フィリップ・ルースロ
音楽:トレヴァー・ラビン

出演:
デンゼル・ワシントン (ハーマン・ブーン)
ライアン・ハースト(ビル・ヨースト)
ヘイデン・パネッティーア (ヨーストの娘)

       *        *        *

ブラッカイマーのシンプルさがとても功を奏る。

ディズニー映画でありながら、ジェリー・ブラッカイマーがやるとこうなるのか・・・。ブラッカイマーは、「こすうればみんなが喜ぶ」というのを判ってて、それをやるところが好きになれない。作り手ならそれを「卑怯」と呼ぶのだが、残念ながら彼はプロデューサーだ。儲かることが大事な人だ。個人的にはあまり好きではないブラッカイマーなのだが、この映画は良いほうにころがった。そのむかし『スクールウォーズ』でぼろ泣きしたのを思い出してしまった(笑)。

時代はまだ黒人差別がのこる1971年。所は、アメリカ東海岸の真ん中よりもちょっと北、首都ワシントンDC」のあるメリーランド州の西に位置する。位置的には真ん中よりちょい北なのだが、南北戦争では南に属して戦った。そんな歴史的背景もあり、黒人似たいする白人の嫌悪感はつよいところである。
そんなバージニア州でも、公民権法施行により教育改革により白人黒人混合の共学の高校が生まれた。そのフットボールチームも最初はお互い嫌悪感をもっていたが、スポーツを通じて「勝つ」という一つの目的のために徐々に融合していき、周囲の人々をも巻き込みながら、奇跡を起こしていくという絵に描いたような感動作。

登場人物や、物語の構成も「いかにも・・」というくらいこてこてのキャラクター配置になっている。
「全人種が平等に扱われなければならない」と言うアファーマティブ・アクション法の施行と世論の動きに後押しされた町の教育委員会は、白人ヘッドコーチのビル・ヨーストを降格させアシスタントコーチとして招かれた黒人のハーマン・ブーン(デンゼル・ワシントン)をヘッドコーチに就任させる。
ヘッドコーチだったヨーストも州立高校よりはるかに高額の報酬で雇ってくれる大学のフットボールチームが彼に打診してきており、そんな居心地の悪いところになど居たくないと思う。ブーンも、白人のコーチの上に立ってヘッドコーチなどしたらいつ闇討ちにあるかもわからない。しかし、このヨーストは善人であり、人に嫌われることをしないよく出来た人で、なんとかブーンヘッドコーチ、ヨースト・アシスタントコーチの体制でやることになった。
そんなこてこての設定だが、この映画ではきわめてすんなりと、それほどのいやらしさを持つこともなくまとまっている。それぞれのコーチの娘同士も、初めは価値観が合わないが、徐々にお互いの価値観をみとめあとうする。白人コーチの娘に、『アリー・マイラブ/シーズン5』でアリーの子供の役をやったヘイデン・パネッティーアが扮し、なかなか元気でいい。

<あらすじ>
人種差別が強く根付く1971年に、ヴァージニア州アレクサンドリアの州立高校に黒人ハーマン・ブーン(デンゼル・ワシントン)がアシスタント・ヘッドコーチとして雇われ迎え入れられるが、アファーマティブ・アクション法の施行と世論の動きに後押しされた教育委員会はヘッドコーチのビル・ヨースト(ウィル・パットン)降格させ、ブーンをヘッドコーチに就任させる事を決定した。その不安は当事者のみならず、生徒や生徒の親達にもひろがっていた。
合宿が始まるが、最初はお互いの未知から来る恐怖に支配されて話すこともない白人と黒人の生徒達。ブーンは生徒達に、白人は黒人と、黒人は白人と話すことを強制する。話さなければ練習量が増やされる。仕方なく生徒たちは話し始める。さりげなく融和ができはじめたころ、カリフォルニアからの編入生ロニー(キップ・パルデュー)が合流する。西海岸育ちの黒人を嫌わないアバウトな性格も功を奏して、合宿が終わることにはチームは一丸となっていた。
しかし合宿が終わって学校に帰ってみるとそこには人種差別が渦巻いていた。キャプテンのゲイリー(ライアン・ハースト)の彼女も、チームメイトの黒人ジュリアス(ウッド・ハリス)とは握手するのさえ嫌がり、再び不穏な空気につつまれる。
シーズンが始まるが、ブーンが一回でも負ければ教育委員会は彼をクビにする考えだった。一方ヨーストも、殿堂入り投票委員会からさりげなく八百長の話をきかされる。試合が始まると審判は相手チームに有利な判定ばかり、退場にならんばかりに審判にくってかかるブーンを抑えて、ヨーストが審判に「不正をしているのは知っている。そのつもりなら総てばらすぞ」とドスをきかせる。ヨーストの殿堂入りはなくなったが、チームは勝った。そして全勝対決決勝までコマをすすめる。
前夜際にわく夜の地元の町では、既に街の人たちも肌の色をこえた融和が完成しつつあった。ゲイリーの前からさった彼女も偏見をなくするように努力する言う。しかしその夜ゲーリーが交通事故に遭い、決勝戦には出られなくなってしまう。

もちろん決勝にもタイタンズは勝つのだが、試合前に、ゲイリーの彼女がジュリアスに握手をしにくるのがいい。以前は黒人だからということで、握手を拒んだ彼女が、試合前に手を差し伸べる。お互いに「はじめまして」と挨拶をしなおすところが実にいい。

by ssm2438 | 2011-01-17 00:19


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