西澤 晋 の 映画日記

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2011年 03月 02日

男はつらいよ46/寅次郎の縁談/松坂慶子(1993) ☆☆

f0009381_1311444.jpg監督:山田洋次
脚本:山田洋次/朝間義隆
撮影:高羽哲夫/池谷秀行
音楽:山本直純

出演:
渥美清 (車寅次郎)
吉岡秀隆(諏訪満男)
松坂慶子 (葉子)
城山美佳子 (島の看護婦さん・亜矢)
西田敏行 (ハマちゃん)

       *        *        *

松坂慶子第二段!

12年ぶりにマドンナとして松坂慶子再登場です。でも、今回は前回とはまったく別のキャラ。関連性はありません。

渥美清の老いをかなり感じる映画になってます。『寅次郎の青春』あたりはまだ元気があったようなきがするのですが、体の調子も思わしくなかったのでしょう。どことなく覇気を感じない寅さんです。それをカバーするのが満男ですが、泉ちゃんがでてきてからは満男をからませないとドラマが機能しなくなってきてます。悪いことだとは思いませんが、ほとんど、この二人がコンビみたいなものになってますよね。

大学卒業を目前に控えながらも就職先がきまらない満男(吉岡秀隆)。うける会社からはみなNG。もう就職難稼動でもいいと、ぐれて旅に出てしまいます。そんな満男から便りがとどいたのは1週間後。なんでも瀬戸内海の志々島にいるらしい。そんな満男を寅次郎(渥美清)が連れ戻しにいくというのが物語の発端。

大学を中退してこの業界にはいった私は、就職活動なるものをほとんどしたことがないのだが、やはりこの満満男君をみてると、大変だなあっておもう。来る日も来る日も自己否定の連続、やってることは仮面をかぶった就職試験の面接。なんどもなんども繰り返して演じてきた自分像の再生ばかり。「おれはテープレコーダーじゃねえぞ!」っていう言葉がとても痛い。

寅次郎が島につくと、そこには宿はどはない。満男は、善右衛門(島田正吾)のところに下宿されてもらっているという。そこでの満男は老人からは重宝がられ、島で唯一の診療j所の看護婦さんの亜矢ちゃん(城山美佳子)とはとってもいい感じ。泉ちゃんのことなど頭にない様子で日々楽しく暮らしている。人間、「必要とされる」というのは最低限度の自己肯定なのだ。なので、島での生活は満男にとってはとても幸せなものだった。ただ、現実逃避なので、所詮はどこかでおわらせなければならないのだけれど。

一方寅次郎は満男が下宿させてもらっている家の娘、葉子(松坂慶子)という美しい女性にときめいてしまった。葉子は善右衛門が別の女に産ませた子供なのであるが、心が病んだときはここにきているという。今回も病気はそれほどひどき訳ではなく、寅次郎とあった時にはほとんど全快していたので、悲壮感はどはない。
寅次郎と金毘羅参りに出かけた葉子は、いつものように寅次郎のあたたかさにふれ魂をいやされる。じつは葉子は多大な借金を抱えており、人生のどつぼにはまっていて、もうあとは自己破産しかないという状態。帰宅後、葉子は満男に寅次郎が独身か尋ね、すこしづつ恋愛の始まりを予感させるのだが、満男の「じゃあ伯父さんと結婚してくれますか」と言う言葉に、「そういうことは本人の口から聞かなければ嬉しくないのよ」とリアクション。

ほっとけば上手くいったかもしれないものを、満男がフライングでおじゃんになってしまった・・とう流れ。『男はつらいよ』の世界観のなかではよくあるパターンなのだが、個人的にはどうもありえない。恋愛なんて、女の方がほんとに好きなら最終的には成就するように出来ているので、それが成立しなかったのは女がほんとに好きじゃなかったから・・ってだけだだろう。
寅次郎というのは、<充分条件>はみたしても、<必要条件>をみたせない男なのだろう。

一方満男も亜矢とわかれて東京にもどるのだった。こちらも、ほんとに好きなら亜矢も東京にくれば言いだけの話で、それが出来ないってのは満男以上に優先課題があったということでしかない。
ドラマ的にはかなり「つなぎ」的な印象をうける映画だった。

by SSM2438 | 2011-03-02 13:12 | 男はつらいよ(1969)


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