西澤 晋 の 映画日記

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2011年 03月 06日

男はつらいよ42/ぼくの伯父さん/後藤久美子(1989) ☆☆☆

f0009381_6101415.jpg監督:山田洋次
脚本:山田洋次/朝間義隆
撮影:高羽哲夫
音楽:山本直純

出演:
渥美清 (車寅次郎)
吉岡秀隆 (諏訪満男)
後藤久美子 (及川泉)

       *        *        *

新装開店の寅さん、その第一弾!

良くも悪くも新しい『男はつらいよ』である。しかし、若い人に媚びた感があるところは否めない。オールドファンにはある種の拒絶反応はあるだろう。でも、決して面白くないわけでもない。ついつい観てしまうような魅力はある。

物語の根本的な違いは、リーディング・キャラクター(物語をリードするキャラクター)が満男にシフトしてきている。満男が動いて事が起きる。いままでは寅さんが動いて事が起きていた。
満男には常時想う人がいる。それが及川泉(後藤久美子)である。この満男と泉ちゃんの恋愛劇を軸に、寅さんがサポートにまわるという展開が、この作品からあとの『男はつらいよ』の基本パターンとなってきている。

それ以外にも話の展開が根本的に見直されている。
今までのシリーズでは、夢オチ→《とらや》での騒動→マドンナに出会う→うまいこといかず再び旅に出る→マドンナが《とらや》をたずねてくる→旅先で元気に商売している寅次郎、の展開。それがこのシリーズからは、冒頭の夢オチが排除され、寅次郎賛歌の言葉を満男のナレーションで語られる。その後は諏訪家での騒動。そのあと満男が旅に出る。その目的はいろいろあるが、ほとんどは泉ちゃんを想っの旅である。泉ちゃんが登場しない話では、就職活動に嫌気がさしたとか、就職しても人生に張りがない・・とか。とりあえず満男が旅にでて、その旅先で偶然寅次郎に会う。あるいは、寅次郎はさくらの意向をくんで満男をおいかていく・・などの展開で、旅先で満男と合流。満男の恋愛のサポートをする。そのうちその場所でちょっとした恋愛にいたりそうな女性との触れ合いもある。最後は満男が泉と別れて、諏訪の正月を過ごしていると、彼女が尋ねてくるというパターン。

満男と泉は寅次郎のキャラクターを二分したようなキャラで、満男は寅次郎の情けなさと人の心を思いやる性格をもっている。泉は、寅次郎の直情的で人の迷惑かえりみず行動するところをもっているが、これが潔くけっこうカッコいい。でも、彼女の人生はけっこう不幸に満ち溢れている。

<あらすじ>
浪人中の満男(吉岡秀隆)は高校時代の後輩の及川泉(後藤久美子)からちょくちょく手紙をもらうようになっていた。満男が高校3年の時に、泉が高校1年であり、同じブラスバンド部に所属していた。しかし、家庭の事情で泉は名古屋に越してしまう。彼女からの寂しいという手紙に、いてもたってもいられない満男はバイクをとばして名古屋に向かう。
名古屋で泉の母親礼子(夏木まり)に出会えた満男だったが、泉は母親のもとを出て、佐賀の叔母さん(礼子の妹)の所にいるという。満男は無謀にもオートバイで佐賀に向かった。宿がなく、相部屋しかないというのだが、それを了承すると、なんとそこには寅次郎(渥美清)がいた。翌日、寅次郎は満男について泉がいるという家へ向かった。そこの祖母は郷土史研究家で人に説明するのが大好き。聞き上手な寅次郎はすっかり気に入られ、その晩はぜひ泊まってゆけという。叔母の寿子(檀ふみ)も親切にしてくれる。

しかし寿子の夫・嘉一(尾藤イサオ)は東京からバイクにのって泉を訪ねてきた若者が気に入らない。その叔父さんも気に入らない。翌日バイクででかけた泉と満男だが、帰りが遅くなったことで辛らつな言葉をなげつける嘉一。恐縮し謝るしかない満男。二人が帰った後も、寅次郎に一言二言憎たらしい言葉をなげつける。いつもなら切れそうなところだが、ぐっとこらえて静にうけこたえる寅次郎。

「私のようなできそこないが、こんなことを言うと笑われるかもしれませんが、私は甥の満男は間違ったことをしてないと思います。慣れない土地へ来て、寂しい思いをしているお嬢さんを慰めようと、両親にも内緒ではるばるオートバイでやってきた満男を、私はむしろよくやったと褒めてやりたいと思います」

このシーンはなかなかじい~~~~~~んときた。
初めての一人旅をおえてどろんこになってかえってきた満男がみんなに祝ってもらってることに、寅次郎は木枯らしのふく無人駅の赤電話から中電話してくる。この対比が超寂しくていい。


満男がバイクに二のって旅するときにかかる挿入歌もこの話から使われるようになったものだが、どうも心にのこらないかなりシャローな歌なのだ。個人的にはこの挿入歌使うの辞めて欲しいのだけど。使うのならもっと心ニ言葉がのこる歌にして欲しいものだ。作詞・作曲は最低である。
さらにもうひとつ、よく判らないホモのバイカー登場。なんなんでしょうね、これは???? 世間には魑魅魍魎もいるよってことなのでしょうが、ちょっと違和感のあるエピソードだった。無くても良かったのに・・・。

by ssm2438 | 2011-03-06 21:51 | 男はつらいよ(1969)


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