2011年 03月 28日
監督:山田洋次 脚本:山田洋次/朝間義隆 撮影:高羽哲夫 音楽:山本直純 歌:渥美清 出演: 渥美清 (車寅次郎) 真野響子 (堤鞠子) 嵐寛寿郎 (藤堂宗清) 三木のり平 (藤堂家の執事・吉田六郎太) * * * タイトルと、パッケージで損をしているが、内容はアベレージの出来。 今回「殿様」と呼ばれているのは、嵐寛寿郎演じるところの藤堂宗清という大洲市の名家のご老人で、江戸時代がつづいていれば十八代目大洲藩当主になっていたであろうという人物。そんなわけで、世間からは「殿様」と呼ばれているわけだ。しかしその老人が可愛がっていた末っ子の男が駆け落ちし、そのご死んでしまったという。その老人と知り合った寅さんが、娘の嫁に会いたいといわれ、嫁探しをするという話。 ちなみに嵐寛寿郎は、その昔『鞍馬天狗』の主演で名をはせた往年の時代劇スター。もっとも、私の年代でも名前は知っているがスクリーンで見たことはなく、かなりのオールドファンでなければなじみのない役者さんだろう。 そんなわけで今回の冒頭の夢のシーンは『鞍馬天狗』でした。 ロケ先になっているのが愛媛県の大洲市。実は、映画をみるまではノーチェックだったのでそれがどこだかわからなかったのだけど、みているとどこかで見たような気がしてきた。「これ、もしかしてカンチの故郷??」って思ったら、やっぱり大洲市だった。町並みを見るだけでなんとなくその雰囲気というのがわかってしまうものですね。織田裕二と鈴木保奈美が一緒にこの町や、神社の階段をあるいている風景を思い出してしまう。 それはさておき、今回の問題点はマドンナになる鞠子(真野響子)の描きこみがかなり不足してること。もうひとつくらい寅次郎と心をかよわせるポイントなり、今好きな人が居るらしい匂いを提供して欲しかった。たしかにパターンをこなしていかなければならないこのシリーズなので、嵐寛寿郎がらものシーンに重きを置いた結果なのだろうが、個人的には真野響子さん、けっこう好きなのでもうちょっと見せて欲しかった。 余談だが、今回のマドンナ役の真野響子さんの読みは「まやきょうこ」。 妹さんの真野あずささんは「まのあずさ」だそうな。 <あらすじ> 愛媛県大洲市にやって来た寅次郎(渥美清)は、東京から墓参りにきたという美しい女性(真野響子)と同じ宿にとまったことから知り合い、いつものとおり「何かあったら柴又のとらやを訪ねてくれ」といって別れた。 そのあと、旧家の藤堂宗清(嵐寛寿郎)と知り合い、聞き上手の寅次郎は藤堂に気に入られ一晩とめてもらうことになる。きけばその老人の末っ子の息子は最近急死したとか。息子は、鞠子という女性と結婚したのだが、藤堂はその結婚に反対し、息子を勘当してしまったという。しかし、今となってはその息子の嫁に会いたい。きえば寅次郎は東京の人、藤堂は寅次郎に鞠子をさがしてくれないかと頼む。 広い東京の中から「鞠子」という名前だけをたよりに一人の娘を捜し出さなければならない寅次郎。しかも藤堂も上京してきて、鞠子がみつかるまで長男の家に泊めてもらうという。 そんなとき大洲であったらあの女性が尋ねてくる。聞けば彼女の名前は「まりこ」、なんでも相手の親に大反対されながらも一緒になった夫が、数カ月前突然亡くなったという。 すぐに藤堂を呼び出す寅次郎。いきなり夫の父が来るという状況にとまどう鞠子。第一そのことで夫は親子の縁をきられているわけだし、鞠子にとっては他人である。もう帰ろうかという思う鞠子だが、藤堂がきてしまう。鞠子の前にしっかと座る藤堂。なにを言われるかとびくびくの鞠子。そんな鞠子に、「息子がお世話になりました」といてあたまをさげる藤堂。「あなたのような女性と一緒にいられて、むすこもさぞ幸せだったでしょう」というと、鞠子も「私も幸せでした」という。もうだああああああああああ、と泣けてくる。 やがて鞠子と藤堂をかこんだ団らんのあと、ふたりで江戸川の堤防のうえをならんで帰っていく鞠子と藤堂。なんでもない他人同士が家族になった姿だった。 やがて大洲に帰った藤堂から《とらや》に手紙が来る。女一人の人生でこまっているのなら大洲にきて一緒に暮らさないかという提案と、寅次郎と結婚してはどうか?という提案だった。小躍りする寅次郎だが、鞠子にはすでに新しい恋人がいることが判明。寅次郎のささやかな夢ははかなくきえてしまう。
by SSM2438
| 2011-03-28 05:18
| 男はつらいよ(1969)
|
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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