西澤 晋 の 映画日記

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2011年 04月 04日

フランケンシュタインの花嫁(1935) ☆☆☆☆

f0009381_21144866.jpg監督:ジェームズ・ホエール
脚本:ウィリアム・ハールバット
    ウィリアム・ボルダーストン
撮影:ジョン・メスコール
音楽:フランツ・ワックスマン

出演:
ボリス・カーロフ (人造人間)
コリン・クライヴ (ヘンリー・フランケンシュタイン)
アーネスト・セジガー (プレトリアス博士)
エルザ・ランチェスター (女性型人造人間)

       *        *        *

タイトルはB級映画だけど、実は『フランケンシュタイン』の原作をきちんとつくろうとしている。

<1931年に制作された『フランケンシュタイン』のあらすじ>
若き科学者ヘンリー・フランケンシュタイン(コリン・クライヴ)は、生命創造の研究に没頭し、助手のフリッツと共に墓地から盗み出した死体を接合し、雷光の高圧電流を浴びせ新たな人間を創造するという実験を行う。だが、その肉体には犯罪者の脳が埋め込まれてしまったため、凶暴な怪物が誕生してしまう。怪物は研究室から脱走し、村で無差別に殺人を犯す。怒れる村人たちに風車小屋に追い詰められた怪物は、燃え盛る小屋諸共崩れ去った。

しかし、その怪物は死んではいなかった・・というのがこの話。
前作の映画では、フランケンシュタイン博士が、人造人間を作る過程とその結果出来上がってしまった人造人間が人間を恐怖に陥れるという部分にスポットをあてたホラー映画であった。しかし、メアリー・シェリーが描いた『フランケンシュタイン』という物語はそのあとが実に面白い。というか、そのあとこそが彼女が書きたかったこのドラマなのだろう。そしてそれを映画にしたのがこの『フランケンシュタインの花嫁』である。

ちなみに原作の主人公の名前はヴィクター・フランケンシュタイン。この映画の主人公はちょっと変えてあってヘンリー・フランケンシュタインとなっている(苦笑)。

実はこの映画のLDを持っている私(笑)。前作の『フランケンシュタイン』には興味を示さなかったのだけど、もろもろの本をしらべてみると、こちらのほうが断然面白いうので、20年前にこの映画のレーザーディスクを買ったのでした。

原作のフランケンシュタインの怪物は、優れた体力と人間の心、そして、知性を持ち合わせていたが筆舌に尽くしがたいほど容貌が醜かった。そのあまりのおぞましさにフランケンシュタインは絶望し、怪物を残したまま故郷のスイスへと逃亡。厳しい自然の中を獣のように生き延びるが、醜さゆえ人間達からは忌み嫌われ迫害される。
これに対して前作の映画コンセプトは、犯罪者の脳が埋め込まれている・・ということになっているので、その辺は多少の違いが生じているのだけど、人間性をもってきてはじめて、自分の醜さしり、嫌われることしかない人生に絶望感を覚えるその怪物。

森の奥に逃げ込んだ怪物(ボリス・カーロフ)がたどり着いたのはある一軒家。その山小屋から漏れ聞こえる楽の音に心引かれて訪れると、小屋の主は親切にもてなした。その老人は目が見えないのだ。初めて火との親切を知った怪人は老人から言葉を教わり、楽しい幾日かを送ったが、またまた追手に発見されて逃亡する。
納棺堂に隠れた怪物は、そこでプレトリアス博士(アーネスト・セジガー)と出会う。プレトリアス博士は、その怪物のために伴侶を作ろうといい手名づける。プレトリアス博士はフランケンシュタイン博士の新妻エリザベス(メアリー・ゴードン)を怪人に襲わせ人質にとる。エリザベスを助けるためにあの手術をやるしかないフランケンシュタイン博士。かくてついに女怪の創造は成功した。同じ醜いもの同士なら自分は愛されると考えた怪人だったが、女怪(エルザ・ランチェスター)は自らのおぞましさに絶望し炎の中に身を投じた。怪人は怒りと失望の余り、全屋に通ずる電流のスウィッチを入れ自らも自殺をはかる。怪人はプレトリアス博士と女怪と共に死んでしまった。フランケンシュタイン博士は、エリザベスと共に逃れるのだった。

原作の物語の展開よりも、後につくられるケネス・ブラナーの『フランケンシュタイン』よりも、物語と流れてとしては、この『フランケンシュタインの花嫁』が一番原作のスピリットをスマートにちょっとセンチメンタルに、ドラマチックに、そして観易くつくった映画ではないかと思っている。

by ssm2438 | 2011-04-04 21:15


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