西澤 晋 の 映画日記

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2011年 04月 27日

シャーキーズ・マシーン(1982) ☆☆

f0009381_22354853.jpg監督:バート・レイノルズ
脚本:ジェラルド・ディペゴ
撮影:ウィリアム・A・フレイカー
音楽:スナッフ・ギャレット

出演:
バート・レイノルズ (シャーキー)
レイチェル・ウォード (ドミノ)

       *        *        *

ウィリアム・A・フレイカーのコントラストは絶品!!

話はあんまり大したこと80年代前半の刑事ドラマなんだけど、ウィリアム・A・フレイカーの真っ黒な背景がいいんだ。
先ごろはデジタル技術の進歩で、意地でも見せないときがすまないやからがおおいなかで、きちんと黒を黒として撮ってくれる撮影監督さん。しかし、ゴードン・ウィリスのようないってしまってる黒さではなく、ある程度節度をもって、エンタテーメントに画面を処理してくれる撮影監督さんだ。個人的は好きな撮影監督さんの人である。
この『シャーキーズ・マシーン』『ミスターグッドバーを探して』の画調に近いかな。かなり黒い(笑)。しかしそのあと撮った『天国から来たチャンピオン』ではハスケル・ウェクスラーの撮った『ウディ・ガスリーわが心のふるさと』みたいな白のにじみをふんだんに生かした綺麗が画面を、そしての『ウォーゲーム』では、赤や青ののネオン光をさんざんつかったエンタテーメントの画面を披露してくれた。のちに『スペースキャンプ』などもこの路線の照明の使い方だ。私の中では一番エンタテイナーな撮影監督さんという印象の人である。

監督はバート・レイノルズがみずから監督をつとめている。なんでこの映画で・・という疑問もある。それほど本人がこだわらなければならない物語の要でもないのだが・・・、どうしても自分で撮りたかったのだろうか? あるいは、誰もいないから仕方なくやるはめになったのだろうか???ただ、内容的にはそれほどこだわりをもって撮られた映画という印象は、正直受けなかったのだけど・・・。。

話の発端はこんなところだ。
麻薬課のシャーキー刑事(バート・レイノルズ)はドミノ(レイチェル・ウォード)という娼婦を監視するために向かいの建物に部屋をかり四六時中監視をつづける。その結果、彼女をあやつっているのはビクターという名の男(ヴィットリオ・ガスマン)であることが判明する。その部屋には盗聴マイクが仕込まれていてドミノと彼女に関係する男たちの会話が聞こえてくる。その様子も向のビルから覗き見ることが出来る。やがて彼女のアパートを殺し屋が襲い、ショットガンをぶっぱなすのが見えた。シャーキーは、ドミノのアパートに行き、そこで彼女に会う。殺されたのは、ドミノの友人ティファニーだったのだ。彼女を守るため、シャーキーは自分の家にドミノを連れてゆく。

この映画の楽しさは、レイチェル・ウォードとバート・レイノルズとのからみだろう。この映画の素晴らしいところは、主人公の刑事であるバート・レイノルズが、レイチェル・ウォードを抱きたいとう欲望をもっているところ。
ビクターの支配下から逃れなれないドミノは、悔しさを押し殺し、理性を殺すために涙を流しながらコカインを吸い、その男の求めに応じる。彼のまえでストリップをし、彼を欲情させたところで、その前にひさまづきフェラチオをする。それの会話を盗聴しているバートレイノルズ。屈辱感に打ちひしがれている彼女を哀れむのと同時に、あきらかに、その男に嫉妬し、その男に奉仕するドミノの欲望を覚えているバート・レイノルズ。この描写がいいんだ。
それを任務という言い訳で覆い隠しているバート・レイノルズが健気にも意地をはっている。抱きたいのに抱きたいといえない人間味のあるチキンさ、男として普通な感性。お互い反発しながら、レイチェル・ウォードは、バート・レイノルズの痛いところを着く。「あなたも私が抱きたいんでしょう」。
この映画の主人公は、あの悪役と同じ感情で、ドミノという女を抱きたいと思うのである。それは美しい愛とかではなく、いい女に対するただの欲望なのである。それがすばらしい。
これがダーティ・ハリーなんかだったらこういう正直な展開には決してならない。この点が、他の刑事ドラマとこの『シャーキーズ・マシーン』の根本的な違いであり、この映画が愛される理由だとおもう。数々ある刑事ドラマのなかで、映画の良し悪しは別にして、個人的にはかなり好きなほうの映画である。

物語自体は大しておもしろいわけではなく、最後のほうもまどろっこしく、もうちょっとかっこよくてもいいのにと思う後半のまとめ方だ。レイチェル・ウォードとバート・レイノルズの逃避行が終わったところで、この映画の楽しさは終わったといっていい。そのあとはどうでもいいや。。。

by ssm2438 | 2011-04-27 22:37 | W・A・フレイカー(1923)


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