西澤 晋 の 映画日記

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2011年 05月 29日

影なき淫獣(1973) ☆☆

f0009381_1222515.jpg監督:セルジオ・マルチーノ
脚本:エルネスト・ガスタルディ/セルジオ・マルチーノ
撮影:ジャンカルロ・フェランド
音楽:グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス

出演:
スージー・ケンドール (ジェーン)
ティナ・オーモン (ダニー)

       *        *        *

誰が主人公なんだよう・・って思った、あなたでしたか・・・(苦笑)。

<あらすじ>
ペルージャの町で、女子大生が惨殺されるという事件が起きる。証拠としての残されたのはスカーフ。そのスカーフから警察は、犯人を突き止めようと操作を開始する。生徒のひとりダニー(ティナ・オーモット)はそのスカーフに見覚えがある気がしていたが、捜査のストレスから逃れるために、ジェーン(スージー・ケンドール)や他の友人達数人と別荘に引き篭ることにする。

最初のうちはティナ・オーモットのほうが主人公なのかなって思ってみたら、スージー・ケンドールのほうが最後まで生き残ってしまった(苦笑)。他の女優陣はおっぱい提供部隊というところか。
不運なことに、着いた次の日ジェーンが捻挫してしまい、地元の医者にお世話になる。ささっと走って逃げられないような段取りをさりげなく踏んでいる。その後も、犯人らしい男を登場させて見ている人に推理させるねたを提供してくれる。
最後はその別荘のほとんどの女の子が惨殺され、足の不自由なスージー・ケンドール危機一髪というところで、犯人かと思われていた男が登場、真犯人と格闘の末物語は終了。


中田英寿がセリエAに移籍したとき在籍したのがこの街じゃなかったっけ・・?
そのペルージャを舞台にしたセルジオ・マルチーノが監督した『13日の金曜日』系の映画。ちゃらちゃら“H”してる学生連中がある男に惨殺されていく・・という、来るぞ来るぞ連続猟奇殺人サスペンススリラーで、登場するお姉ーちゃんはみなさんサービスよろしく、惜しげもなくすらりと伸びた裸体を披露してくれます。でも主人公っぽいお姉ーちゃん(実は最後まで誰が生き残るのかわからないように話がつくられているので、誰に感情移入してみたらいいのか分らない)はちょっと乳首がすけて見えるくらいのドレス程度で終わってるのがちょっと残念。

この手の映画は「GIALLO物」(ジャーロ/ジャッロ物)と呼ばれるもので、1970年代のイタリアで絶頂期を迎えた。狂気や疎外感、偏執病といった猟奇的なテーマを導入することを典型とし、エロと残虐描写を見せ場とするが生産性がまるでない(苦笑)。このジャンルの監督としては、セルジオ・マルティーノの他にダリオ・アルジェントマリオ・バーヴァルチオ・フルチアルド・ラドウンベルト・レンツィプーピ・アヴァティなどがメジャーだろう。
しかし、この『影なき淫獣』はこのジャンルの映画としては、かなりまとまってる作品なんじゃないだろうか。低俗さは当たり前だが、それでもかなり上品に作られていると思う(苦笑)。そんなに数多くみてるわけではないが、<脅し>のレパートリーや、音楽の入れ方、ショック音の入れ方、殺された死体をどのように見せればきちんと残虐的に見えるのかなど、技術的なポイントはきわめてきちんと押さえてある映画で、その手の演出を見るにはなかなかスタンダードな教本となるかもしれない。

ちなみにセルジオ・マルチーノといえば全部がジャーロ物かといえばそうではなく『ドクターモローの島』とか『アリゲーター』とか、イタリアのB級SF、B級パニック映画も提供してくれる監督さん。個人的に上の2作はバーバラ・バックを画面に出してくれただけでけっこう嬉しいのだけど。
さらに、この映画だけに関して言えば、イタリアの街がいい! こういうヨーロッパの庶民の街っていう意味ではイタリアは魅力だ。こういう街並みを見てるだけで、「ああ、ここを舞台にドラマをつくってみたい」と思う人もおおいでしょう。

by ssm2438 | 2011-05-29 12:03


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