西澤 晋 の 映画日記

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2011年 06月 06日

早春物語(1985) ☆☆☆

f0009381_21224911.jpg監督:澤井信一郎
脚本:那須真知子
撮影:仙元誠三
音楽監督:久石譲

出演:
原田知世(沖野瞳)/林隆三(梶川真二)

       *        *        *

赤川次郎原作のなかでは一番良いかもしれない。
思わぬ拾いものであった。


当時角川三人娘ということで、薬師丸ひろ子原田知世渡辺典子の3人が有名だったが、正直インパクトの強かったのは薬師丸ひろ子だった。原田知世に関してはあんまりときめきは覚えなかったのだが、ツボにはまる人ははまるらしい。しかし、この映画もそれほど期待はしてなかったのだが、思いもかけず澤井信一郎が前年にとった『Wの悲劇』がわるくなくって、だったらこれも見てみようか・・と手に取った作品。
赤川次郎の原作のわりにはけっこうしっとりして悪くはない。全然期待してなかった割には最後までついつい見てしまった。やっぱり澤井信一郎ってしっぽり見せるのが上手いのだろうなあ。

原田知世の役どころは、来年は大学になる高校生で写真部に入っている。そんな彼女が、母の恋人だった男に恋をするというもので、“H”まではいかないのだけど、ホテルまで行って、キスして帰ってくるという、まあ、あたりさわりのないストーリー。たしか、この作品が彼女の劇中でみせる最初のキスシーンって聞いたけど・・・勘違いかもしれない。たしかにあんまりキスしなれてるキスシーンではなかった(苦笑)。


<あらすじ>
「春、来たりて去る」というテーマで写真を撮っていた高校生の沖野瞳(原田知世)は、鎌倉のある参堂でさくらの花を取ろうとしていたが、フレームの中に停めてある車がどうに邪魔をしている。で、その車の持ち主梶川(林隆三)に車を移動してもら。それが縁でなんとなくその男性とささやかな接点を持ち始める瞳。
母の命日の墓参りからもどった瞳はアルバムを見ていて、母と一緒に写っている男があの梶川であることに気づく。そんなことから梶川に対する興味は深まっていき、母の友人松浦純子に会い、20年前に母と梶川の関係をしる。二人は当時付き合っていたのだが、梶川は仕事をとり瞳の母を捨てたという。
複雑な気持で瞳は梶川と箱根へドライブに同行。

--ここからの展開がなかなかにやにやさせられる。
かつて母と梶川が写真を撮った同じ場所へ行って写真をとらせる。すこしづつ怪しい気持ちになっていく梶川。ある種、世界中で彼女だけか、その遊びをできる唯一の人間であり、瞳はささやかな意地悪で、かつての母の恋人を刺激する。
この映画って、多分、原田知世の恋愛映画ではない。どちらかというと林隆三のほうだと感じる。原田知世は多少林隆三に興味をもっているのだが、怒涛の恋愛という感じはしない。それよりも、自分が特別な立場(元恋人の娘)にいることで、母の恋人だった男を刺激しているというくらいのも。そんなこんなで、林隆三のほうがそれほど気がない振りをしつつすこしづつ惹かれていく・・という話になっているようだ。

その夜、ワインを飲んですねる瞳を梶川は抱きキスをした。
数日後、瞳はかつて母と梶川がデートした思い出の喫茶店に彼を呼び出して詰問した。そのよりホテルの部屋におしかけてきた瞳に、過去の真相を話す。梶川も瞳の母を愛しあていたが、母の友人の女性も梶川に恋していて、二人の仲を知ると絶望して自殺したという。それで、二人は結婚をあきらめたのだという。
成田空港からアメリカにたとうとしていた梶川の前に瞳が現われた。梶川は君を本心から愛してると言って去っていくのだった。

by ssm2438 | 2011-06-06 21:24


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