西澤 晋 の 映画日記

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2011年 06月 13日

U.M.A レイク・プラシッド(1999) ☆

f0009381_747765.jpg監督:スティーヴ・マイナー
脚本:デイビッド・E・ケリー
撮影:ダリン・オカダ
音楽:ジョン・オットマン

出演:
ビル・プルマン (ジャック・ウェルズ)
ブリジット・フォンダ (ケリー・スコット)
オリヴァー・プラット (ヘクター・サイア)
ブレンダン・グリーソン (ハンク・キーオ)
ベティ・ホワイト (ビッカーマン夫人)

       *        *        *

私にチンチンがあれば舐めさせてあげるわ!

テレビシリーズでは才能を発揮するデヴィッド・E・ケリーなれど、映画の脚本を描かせるとまるでダメ。一言でいって、『アリー my love』からロマンスをとって、舞台は湖に移動し、張りぼてのワニでジョーズをやってるような映画。デヴィッド・E・ケリーの才能というのは、コケティシュかな会話劇のなかで発揮させるものなのだが、今回の映画ではアニマルパニックものという食い合わせの悪い舞台でそれをやっているのでどうにも合わない。彼のつくりだす会話の楽しさが、アニマルパニックものの、緊張感を台無しにしているのである。というか、アニマルパニックものというシチュエーションが、デヴィッド・E・ケリーの会話劇を台無しにしているというほうが正しいかもしれない。もうこうなるとクリエイターの問題を通り越して製作者の問題だろう。どういう意図でこういう人事と物語にしたのか理解に苦しむ。

主演はビル・プルマン。私の中ではこの人のイメージは『スペースボール』のローン・スターになっているので、まったく緊張感がない。きっとどこまでいってもコメディなのだろうって思ってしまうので、アニマルパニック物にはは合わない。相手役の女性はブリジット・フォンダ。これまたビジュアル的にアウトブ眼中の人なので画面をみててもときめかない。こまった配役である。

この物語が、他の動物パニックものと違うところといったら、ビッカーマン夫人のキャラクターだろう。世間のことは何にも考えてない良心のおばちゃんで、湖でワニを餌付けしてる。どういう展開なのだかしかり覚えていないのだが、そのワニが赤ちゃんの頃から餌を与え続けていて、最近では巨大化したので牛を餌にあたえるようになっているという突拍子もない設定。おのおばちゃんの言い分は誰にも迷惑かけるわけじゃ無し、ここにすまわせといてあげればういいじゃない!という。それでも映画のなかではダイバーが食い殺されているのだがそういうわけにもいかないのだけど・・・。

<あらすじ>
奥深い森の中の湖で、ダイバーが謎の生物に下半身を食いちぎられて死亡する事件がおきた。現地の狩猟管理官ジャック(ビル・プルマン)と、ニューヨークからやってきた古生物学 者ケリー(ブリジット・フォンダ )は調査を開始、ワニ博士のヘクター・サイア(オリヴァー・プラット)も合流、いよいよなぞの巨大生物の追跡がはじまる。けっきょくのところ、それは体調10メートルのワニなのだが、そのワニに赤ちゃんのときから餌をあたえているというビッカーマン夫人(ベティ・ホワイト)を発見。聞けばこの人はかわりもの。つりにでかけた旦那が返って来るとボートについてきたワニがいた。で、それからといういもの餌をあげるようになった。で釣りに出かけ、返って来るとから還ってくると赤ちゃんのワニをみつけて最初は鶏肉のようなものでもあげてたのだろう。そのうちに巨大化し、いまでは牛一頭与えるようになってたという。牛をうんしょうんしょと湖畔に誘導すると湖からでっかいワニが出てきてぱくりと食べてしまう。このえんのCGはかなりしっかり出来ている。
このおばちゃんに言わせるとあのワニはペットだという。そして冒頭の発言・・

「わたしにチンチンがあれば舐めさせてあげるわ」

--いかす台詞だ!!

当の本人は、自分が食べられる可能性など信じていないからいたってあっけらかんとしてる。このあたりはデヴィッド・E・ケリーの脚本のたのしさであり、アニマルパニック物とは相容れない様相でもある。
首がとばされた部下の死をいたむ地元の保安官にオリヴァー・プラットが子供の頃の夢の話をするのもおもしろい。その夢の中の彼は、頭がなくって、あちこちぶつかりながら歩いている。頭はというと子供たちがサッカーボールにしてる。彼はそれでサッカーに参加が出来て喜んでいる・・というなんとも物悲しい語りである(苦笑)。こいうペーソスの入れ方も実にデヴィッド・E・ケリーである。

最後はワニおちゃちゃんが飼っている牛を没収。ヘリからつるして水面でばちゃばちゃさせておとりに使い、捕獲しようというもの。ワニが牛にきづいて迫ってくると徐々に岸へ移動させていくのだが、「様子はどうだ?」ってきかれたオリヴァー・プラットが「牛が必死で飛ぼうとしている」っていうのがおかしい。こういう楽しい会話がほんとに超一流なのだが、いかんせん作品のもっておりそれぞれの特徴が、お互いを相殺する関係にあって、見る気が遠のいていく。

一件落着して最後は、湖畔の桟橋であしを水面にたらしてちゃぷちゃくしながら湖に小さな肉片をまくビッカーマン夫人。食われるぞ食われうぞとどきどきしてみていると足元に小さなワニの赤ちゃんがおたまじゃくしにようによってきてその餌を食べている。「私の足をかじってもいいのよ」と楽しそうに餌をあたえるビッカーマン夫人の幸せそうな描写で物語りはおわるのだった(笑)。

by ssm2438 | 2011-06-13 21:26


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