西澤 晋 の 映画日記

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2011年 06月 16日

JFK(1991) ☆☆☆☆

f0009381_123817.jpg監督:オリヴァー・ストーン
脚本:オリヴァー・ストーン/ザカリー・スクラー
原案:ジム・キャンベル
撮影:ロバート・リチャードソン
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演:ケヴィン・コスナー (ジム・キャンベル検事)

       *        *        *

こいつが犯人だ!と言い切るオリヴァー・ストーンの潔さが素敵。

ケネディ大統領が暗殺されたのは私が生まれた翌年、1963年のことだ。リー・ハーヴィー・オズワルドという男が犯人として逮捕されたが、事件の2日後、移送途中にダラス市警本部の地下通路でジャック・ルビー(本名:ジャック・ルーベンシュタイン)に射殺された。ケネディ大統領が頭部を打たれたときの映像をみると、前方から狙撃されたように見えるが、オズワルドがいた場所は、大統領ののった車の後方の建物でだった。
はたして誰が、何の目的で大統領を暗殺し、オズワルドに罪をなすりつけたのか? その後各方面の隠ぺい工作も行われ真実が見えないまま現状に至っているわけだ。
そんな事件をオリヴァー・ストーンが自分なりに解釈し、その思想を世間に提示したのがこの映画だといる。

ケネディ大統領暗殺計画の主犯は誰かという疑問に対して現在2つの説がある。

サム・ジアンカーナを中心としたマフィア主犯説。
サム・ジアンカーナは、ケネディ家と古くから深いつながりを持っており、ケネディの当選の陰の功労者であることが明らかになっている。
だけでなく、暗殺の黒幕の一人とも言われている。しかし、ケネディ政権が弟のロバート・ケネディを中心にしてマフィアに対する壊滅作戦を進めたことを「裏切り」と受け取ったジアンカーナらを中心としたマフィアが、「裏切り」への報復と壊滅作戦の停止を目論んで行ったとするもの

◆軍産複合体の意を受けた政府主犯説
ケネディはその大統領就任中に、ベトナム戦争からの早期撤退を計画したが、急進的なベトナム戦争撤退の方針が産軍複合体の利害と対立して、ケネディ暗殺につながったという一説がある。

この映画ではあ、後者にほう。そしてこの映画のきもちのいいところは、軍事産業にからんでいた実業家のクレー・ショーが主犯であるといいきってしまう気持ちよさであろう。

主人公はニューオリンズ州の地方検事ジム・ギャリソン、当時飛ぶ取り落とす勢いだったケヴィン・コスナーが演じた(まだ髪もあった)。好感度ナンバーワンの俳優を主人公に据えるのも、自分の解釈を世間に受け入れ安くするひとつの重要な手段だったろう。この映画は、この問題に取り組むギャリソン検事と、その家庭事情を描きつつ物語は展開していく。
オリヴァー・ストーンだけにとにかく情報量がおおい脚本になっていて、それが延々3時間ちかくつづく。かなりしんどい。この人も映画はとにかく観客に情報を与えることがすべてて、彼らにそれを浸透させ、理解してもらう時間をなかなか与えない。観ている人の脳を一休みさせたり、しばし高揚感にひたらせるような気持ちの緩みをいれるともうすこし観やすくなるのだが・・・・。
先ごろ公開された『ソーシャルネットワーク』の脚本家、アーロン・ソーキンもこの手の脚本を書く人。政治的知識をベースに脚本を書く人というのは、どうしてもこの手に方向性におちいりやすい。映画作りの手法としてはあまり上手いとはいえないが、それでも怒涛のように与えられる情報はとても見ごたえがあり、見終わった後どどどどどと疲れを感じる。観るのに体力の要る映画である。
個人的には、ありきたりの「アメリカのお父さんはこうあるべき」シーンを削ってもらえるともっとコンパクトにまとまったのではないかとおもった。ま、それをやっちゃうと、この映画はほんとに事件解明物だけになってしまい、個人の意見を押し付けるだけの映画になるのが嫌だったのだろうが、でも、オリヴァー・ストーンの映画ってのはだいたいいつもそうなのだからいまさら・・ってきもした。

<あらすじ>
第35代大統領ジョン・F・ケネディが暗殺され、犯人としてオズワルド(ゲイリー・オールドマン)が逮捕された。しかしそのオズワルドもマフィアの関係者によって移送中に射殺される。ジム・ギャリソン地方検事(ケヴィン・コスナー)は一連の経過に疑問を抱きはじめる。
副大統領だったリンドン・ジョンソンが第36代の大統領となる。その背景で、ケネディがあのまま大統領を続けていれば撤退していたはずのヴェトナム戦争はますます泥沼化していた。ギャリソンは身近なスタッフと共に捜査を開始する。捜査が真相に近づくにつれギャリソンはマスコミの攻撃や政府からの脅しを受け、妻(シシー・スペイセク)や子供たちとの私生活も危機に見舞われる。
やがてギャリソンは、軍の極秘任務によりキューバ侵攻のゲリラ作戦を進めていた元FBI捜査官ガイ・バニスターやデヴィッド・フェリーらが暗殺を図ったことと、首謀者は実業家として知られるクレー・ショー(トミー・リー・ジョーンズ)であることを突き止めた。
この事件は軍やFBIや CIAをも巻き込んだクーデターであることを知らされ、遂にクレー・ショーを暗殺の共謀罪で告訴する。だがクレー・ショーは無罪に終わった。全ての真相が明らかになるには、オズワルドやジャック・ルビーについての非公開の極秘報告書が公表される2039年まで待たなければならない。

by ssm2438 | 2011-06-16 12:02


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