西澤 晋 の 映画日記

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2011年 08月 18日

サヨナライツカ(2009) ☆☆

f0009381_21233718.jpg監督:イ・ジェハン
原作:辻仁成
脚本:イ・ジェハン
    イ・シンホ/イ・マニ
撮影: キム・チョンソク
美術: チェ・ギホ
音楽: ソ・ジェヒョク

出演:
中山美穂 (真中沓子)
西島秀俊 (東垣内豊)
石田ゆり子 (尋末光子)

    *      *      *

中山美穂と石田ゆり子は、キャスト入れ替えてやってほしかったかな。

中山美穂って基本的には怖い顔なので、どぎついメメイクをするとドンビキしてしまう。その点石田ゆり子は、どこか幼さが残る顔立ちなので、こういう人にどぎついメイクをすると、いかにも意地張ってそうで素敵な雰囲気になる。

物語は『スウィート・ノベンバー』みたいな感じ。赴任先のタイで知り合った沓子オリエンタルホテルのスイートルームで暮らす謎の女。その女に魅了されてしまった主人公。そして情事。自分だけが彼女にとって特別なj人間なんだと思っていたら、どうやらそれは順ぐりにやってくるめぐり合わせのようなものだった。その実態をしると萎える主人公。でも、やめられない。でもなんとか別れることにするのだが、どうやら彼女のほうも「これはいままでの遊びとは違う何かだ・・」と思い始めたらしい。

その他大勢のなかに一つだと思ってたら、ひつは特別な一つだった・・ってよくあるストーリー。もちろん、良くあるストーリーで悪いことはない。奇をてらったストーリーのほうが悪いことのほうが多い。なので、良くあるストーリーはいいのだけど・・・、うむむむ。それでもちょっと喰い足りないのは、それぞれが選ばれる理由が今ひとつはっきりしないのがダメなのかな。その結果、「べたべたしてくれる女のべたべたしてたけど、時期が来て別れ、25年の月日を経てあってみたらまた懐かしくなった」ってことで終わりそうな話になってしまった。
もうすこし、それぞれが特別だったことを印象付けて欲しかったなあ。根本的にムードだけでおしてるので、「タコ焼きにはいってるタコが小さいぞ!もっと大きくしろ!」って言いたくなる。

でも画面はけっこうしっかりしてる。望遠でとるところは望遠でとってるし、ハンディでしかとれないところは、そうとる理由付けをしてあるし(たとえば本人目線であるとか)、レンズの使い分けもしっかり出来てて、画面だけで最後までみさせてもらえる映画です。特に突出する点をあげるとしたら、カメラ前の<ブック>の使い方が以上に上手い! みてソンはない映画である。
最近の日本の監督さんにこんなレンズワークが使える人がいなくなっているので、以前からすると当たり前のことでも、今の時代だとすごいことのようにもみえる。しかし・・・ほんとに今の日本の監督さんってレンズの意味や視点の意味をまったく理解してない素人がおおい。このままいくと日本映画は崩壊するんじゃないかと思ってしまう。

<あらすじ>
1975年、タイ、バンコク。イースタンエアラインズ社の若きエリート東垣内豊(西島秀俊)がバンコク支社に赴任してくる。彼は東京に残してきた美しく貞淑な婚約者、尋末光子(石田ゆり子)との結婚を控えていた。だが、彼の婚約を祝う祝宴に現れた真中沓子(中山美穂)の艶やかな美貌と官能的な魅力に支配された豊は、体を重ねるようになる。結婚式が近づき、別れなければならないと知りつつも、沓子への気持ちを抑えられない豊か。一方、恋愛を遊びと割り切ってきた沓子は、豊への気持ちが本心であることに気付く。25年後、光子と結婚し、副社長に昇進した豊は商談で再びバンコクを訪れる。かつての想いを胸に、オリエンタルホテルに足を踏み入れた彼の前に現れたのはそのホテルのVIPの接待をまかされていた沓子だった。

--このあたりから燃えてくる。
以前の沓子は感性のままに言葉をはき、しかしそこには真実はないようだった。思いつきの言葉ばかり、しかし、その言葉が、総てを理性で生きている豊かにとっては新鮮だったのかもしれない。そんな沓子との再会。そしてホテルの従業員となった沓子に案内されたあのスイートルーム。そんな沓子をそしておもわず抱きしめてしまう豊。ここからの沓子の台詞が素晴らしい。
いままですべてはぐらかしてきたような沓子の言葉はいまわなく、お客様に接する従業員のビジネストークなのだが、その口調で「ずっとずっと会いたかった」・・と彼女の心情を語るのである。上手い!!!!
一緒に食事にいくと、メニューをみるのにふたりとも老眼鏡をかけないと見えない。おもわずふきだしてしまう二人・・・。上手い!!

そのあとは一度東京に戻って、総てを捨てて、今一度タイにもどってくる豊かだが、案の定沓子は癌におかされていた・・・。
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by ssm2438 | 2011-08-18 21:24


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