西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2011年 09月 04日

リング(1998) ☆☆☆

f0009381_9381262.jpg監督:中田秀夫
脚本:高橋洋
撮影:林淳一郎
音楽:川井憲次

出演:
松嶋菜々子 (浅川玲子)
真田広之 (高山竜司)

     *      *      *

平成オカルトブームの原点的作品

このあとやたらと和製ホラーがかなり制作されました。それもこれも、この映画の成功があったからでしょう。この映画が話題になった当時は、「ええ、そのビデオを借りたら7日後に、テレビからオバケが出てきて、見てる人が死んじゃうの・・・、そんなコメディみたいなシチュエーションで怖いわけないじゃん」とかなり保留してたのですが、1年くらしてみてみたらこれがけっこう怖かった。いやいや驚きました。面白いのです。

なんというか、呪いの映画というはそのシチュエーションがどこか古めかしくないとなかなか相容れないような気がするものです。この映画の重要アイテムはレンタルビデオ。それを聞くとどうしてもホラー映画としてはなかなか成立しづらいものがあるような気がしたものです。しかし、この映画はそれを見事にやってのけた。えらい!
この映画のポイントは、その時代の生活必需アイテムをネタにしたこと。
今となってはDVDレンタルが当たり前で、ビデオというのはもう廃れてきてるのが現状ですが、当時はレンタルビデオ全盛期。人生のなかにレンタルビデオなしに考えるのは不可能は時代でした。その生活習慣の拠点となるレンタルビデオをネタにして、なをかつそれをきちんと怖いものにしてしまったことにこの映画の素晴らしさがあり、その後、やはり生活アイテムの必須としてその立場を確立してきた携帯電話などをネタにしたホラーがぞくぞく登場したのでした。
あとから考えてみると、このコンセプトはこの時代に確立されたような気がする。それ以前のホラーモノっていうのは、昔からあった伝統を踏みにじってしまい、怨念が具現化されて暴れだした・・みたいなシチュエーションが多かったような。伝統的なホラー映画というのはこの「昔からあった・・」というのが基本だったのです。しかし、この映画を起点に、「現在の必需品をなにかしら怖いものにする」という発想の転換がなされているのです。
今度はなにが出てくるのでしょうね・・・。「カツラが怖い」とか・・、はは、実に怖いものが出来そうです。「トイレが怖い」・・、これはけっこう昔からある題材だけど、必需品が怖い原点になると、見ている人も他人事では済まされなくなる心理がありますね。

もうひとつ、この映画に関して付け加えるなら、物語の構成がハリウッド的な構成をしていたこと。
日本では「起承転結」というストーリーの構成を基本しますが、ハリウッドの場合は<第1ターニングポイント、第2ターニングポイント>方式が採用されています。<第1ターニングポイント>というのは主人公がその物語に巻き込まれるイベントが起きるポイント。物語が始まって30分以内のどこかにあります。<第2ターニングポイント>というのは、主人公がその事件を解決しないと破滅する、それがいやならもうやるしかないというシチュエーションに追い込まれるポイント。このあとから物語りは一気にクライマックスの大決戦に流れていきます。この『リング』という映画は、このハリウッド的な物語展開で構築されているような気がします。そこが今までの日本映画とはちょっと違った、どこかモダンな雰囲気をかもしだしたのではないかと分析しました。

<あらすじ>
「そのビデオを見た者は一週間後に死ぬ」という呪いのビデオがあるらしい。そのビデオの取材をすることになったTVディレクターの浅川玲子(松島菜々子)。疑心暗鬼で取材を続ける玲子だが、実例が身近にあった。実は玲子の親戚の娘・智子が死ぬ前にこのビデをを見たらしいことが判る。しかも、そのビデオをみた友達3人も同じように死んでいる。智子たちがビデオを見た伊豆の貸別荘へ赴いた玲子は、そこでビデオを発見。
さすがにそんな事実が重なるっているので、玲子もビデオを見るのは怖いが、仕事といういい訳も手伝ってみてしまう。もし、伝説が本当なら自分も7日後に死ぬことになる。<第1ターニングポイント>

玲子は、離婚した夫・高山竜司(真田広之)に助けを求める。玲子の持ち帰ったビデオを見た竜司は、そのビデオがどこで撮影されたのかを特定しはじめる。どうやら三原山の噴火に関係があることを掴み、玲子と共に大島へ飛ぶ。そのビデオは誰かによって撮影されたものではなく、山村貞子によって念写されたものだという。その貞子の母は、千里眼という不思議な力を持っていた為に、人々から恐れられ、気がふれて噴火口へ身を投げて死んでいた。貞子もまた母の力を受け継いでいたせいで、千里眼を研究していた伊熊博士によって井戸に突き落とされ殺されたという。

予告された玲子の死まで時間がない。のろいを解くには貞子の遺体をビデオに映る井戸からあげてやるしかない? その井戸は伊豆の貸別荘の下にあった。井戸のそこに降りて貞子の死体を探す玲子と竜司。玲子たちは貞子の亡骸を探しだし、死を免れることに成功する。
ところが、東京へ戻った竜司が謎の死を遂げてしまう。呪いはまだ解けていなかった。そしてこともあろうに自分の息子がそのビデオを見てしまう。果たして息子の命を助けには・・・??<第2ターニングポイント>

by ssm2438 | 2011-09-04 09:39


<< らせん(1998) ☆      ウォール街(1987) ☆☆☆☆ >>