西澤 晋 の 映画日記

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2011年 10月 07日

墨東綺譚(1992) ☆☆

f0009381_12163011.jpg監督:新藤兼人
原作:永井荷風
脚本:新藤兼人
撮影:三宅義行
音楽:林光

出演:
津川雅彦 (小説家・荷風)
墨田ユキ (お雪)

       *        *        *

雨宮時空子おおおおおおおおお!!

VHSが世間に広まりレンタルビデオ屋発展にともなってアダルトビデオが繁盛しはじめた頃、一見のアダルトビデオ屋で雨宮時空子なる人のビデオをみつけました。名前がいい。「時空」と書いて「とき」と読ませる。

いやあああ、雰囲気がいいんだ。借りてみると内容は動くビニ本程度のもので、そんなに擬似エッチばかりで、フェラチオなんてないようなもの。内容は需要にぜんぜんおいついてなかったのですが、この女優さんだけは輝いてました。この人は、きちんとした映画にでてくれないかなとずううううううううううっと思ってたのだけど、しばらくすると彼女のビデオもほとんどみなくなってしまい多分出演したのも10本もないと思う。素材的にはとても魅力的なのに、「惜しい・・、実に惜しい」と思わせる人でした。それから10年くたいして実現したのがこの映画。
あれ・・・、どこかで見た人・・・????って思ったらあの雨宮時空子さんではないですか!!!
当時は感動でした。ただ、この時はすでにかなりやせていて・・・、個人的に時空子時代のちょっとぽちゃっとしてるくらいのほうが良かったかな。あのときの清楚な新鮮さを知っていると、この映画の時にやせ細った墨田ユキ嬢にはちょっと残念な想いがしたのでした。。。
そうはいっても、映画の中で彼女が演じるお雪という女郎さんはなかなか純朴で素敵です。
しかし名前がよくない。なんで「墨田ユキ」なんですか? どうみたった「雨宮時空子」のほうが素敵じゃないですか!!!! そんなわけで、実はネガティブなイメージがつよかったこの映画ですが、ま、この映画がきっかけになって雨宮時空子時代の掘出しモノのVHSが世に出回り、私も懐かしさで中古のVHSと、当時発売された墨田ユキの写真集を買ったものです(苦笑)。

f0009381_739561.jpg監督は『しとやかな獣』『清作の妻』の脚本をてがけた新藤兼人増村保造の影響なのか、突き抜けてる感のあるライターあがりの監督さんです。個人的には増村保造作品の脚本をかいていたときのほうがなんとなく好きですが、古きよき時代の大映の面影を感じられるので嫌いではないです。ただ・・・好きかといわれるとそうでもない。突き抜けたようなパフォーマンスをしてる・・という印象かな。はずしたときはかなりイタい(苦笑)『地震列島』はかなり辛かった・・・。

今回のこの『墨東綺譚』は原作ありきの作品なので、あまり暴れようがなかったという感じ。原作の主人公を、原作者本人に置き換えて作ったあたりにある種の「ちがい」をかもし出しているのがひとつのミソ。
これってけっこう珍しいアレンジの仕方。ただ、健全なアレンジだとは思わない。しかし、妙な感覚である。
物語に登場する主人公は、なんだかんだいってもそれを書いた人の人格の切り売りみたいなものなのだけど、一応違う人物として描かれているもの。それを、この物語では、主人公を原作者・永井荷風にしているので、「じゃあ、原作者はだれなんだ?」という不思議な感覚におちいる。その<不思議な感覚>というのは・・・、つまり、「原作者不在の物語」みたいな感覚なのである。
だからどうだ?って言われると、「イや別に・・それがどうしたというわけではないのだけど」・・ってことになるのだけど、実に妙な感覚がのこることは確かである。

<あらすじ>
社会の底辺に生きる女性達に目が向けていた小説家の荷風(津川雅彦)は紅燈に親しむことも多く、文人たちから遊蕩児とみなされていた。そんな家風が、ある雨の日に玉ノ井のお雪(墨田ユキ)と出会う。女郎という世界に生きながらも清らかな心をもったお雪の純情さに惹かれた荷風は、彼女と結婚の約束をする。だが東京大空襲の戦火に巻き込まれて、二人は別れ別れになってしまう。それから7年、お雪は新聞で荷風が文化勲章受章者の中にいるのを見て驚くが、あの人がまさかこんな偉い人ではないだろうと、人違いだときめてしまい二度と出会うことはなかった。

by ssm2438 | 2011-10-07 12:19


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