西澤 晋 の 映画日記

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2011年 10月 18日

ゴーストライター(2010) ☆☆☆

f0009381_1103589.jpg原題:THE GHOST WRITER

監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロバート・ハリス/ロマン・ポランスキー
撮影:パヴェル・エデルマン
音楽:アレクサンドル・デスプラ

出演:
ユアン・マクレガー (ゴースト・ライター)
ピアース・ブロスナン (元英国首相アダム・ラング)
オリヴィア・ウィリアムズ (その妻ルース・ラング)
キム・キャトラル (アダムの秘書、アメリア・ブライ)

       *        *        *

前任者の謎の死によって、元英国首相の回顧録のゴーストライターを引き継ぐことになった主人公(ユアン・マクレガー)。当初事故に思われていたがどうも殺人の臭いをかぎつけてしまう。そして見えない誰かに狙われている恐怖。前任者が殺されたのなら、誰によって殺されたのか? なぜ殺されたのか? 命の危険を感じとりながら主人公がその謎にせまっていくサスペンス。

まるでアラン・J・パクラゴードン・ウィリスで撮ると、じつにはまりそうな映画である。しかしロマン・ポランスキーだからといってダメなわけではなく、近年にはめずらしくサスペンスの王道をいく映画であり、みていて気持ちがいい。アレクサンドル・デスプラの音楽がまたいい。

ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀監督賞)をはじめ、ヨーロッパ映画賞、フランスのるセザール賞など、作品賞のグランプリは撮れないながらもそこそこいろんなカテゴリーの賞を獲ったこの映画。一番正統な評価はLA批評家協会賞かな。音楽賞だけ受賞! えらい! このくらいが妥当だと思う。ちなみにLA批評家協会賞のこの年の作品賞は『ソーシャル・ネットワーク』でした。

大傑作とは言わないが、近年のポリティカル・サスペンスのなかではかなり上出来の映画だろう。ネタ晴らしよりも語り口が上手い。そして音楽がいい。個人的にポランスキーは『水の中のナイフ』より、実はあまり認めてない監督さんなんだけど、上手いものを作る時はすこぶる上出来である。『テス』は大好きである。

<あらすじ>
元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を依頼されたゴーストライターが謎の死をとべる。その仕事を引き継ぐことになった次のゴーストライター(ユアン・マクレガー)。原稿をあげるまでの時間は1ヶ月。そのころラングは米国での講演のためにアメリカ東海岸のとある島に滞在していた。

--物語は全く関係ないのだが、彼が出版の仕事をうけるラインハルト者の面子がおもしろい。ニューヨーク支部のマドックス(ジェームズ・ベルーシ)、ラングの弁護士クロール(ティモシー・ハットン)だったりする。ジェームス・ベルーシといえば私にとっては『昨日の夜は・・・』のロブ・ロウのよき友達である。ティモシー・ハットンは『普通の人々』のコンラッドである。この2人は私が若い多感な時に、私に影響を与えた役者さんであった。。。

ラングが滞在する東海岸の邸宅は厳重な警備が敷かれていた。一応近くのホテルに滞在はしていたのだが、ラングの邸宅に泊まるようになる。与えられた部屋は前任者が使っていた部屋。遺品を整理していると彼がのこした秘密文書がみつかる。そしてある電話番号。それに電話してみると、ラングの政敵のライカートに繋がってしまう。

物語の進展はなにかが怪しいのだけど、なにがどう怪しいのかよくわからないまま進行する。疑惑はラング元首相の決断はどこからきたのか?という問題になってくる。ラングの大学時代のことを調べていくと、いくつかの矛盾がみつかり、さらにCIAとの繋がりも見え隠れする。英国元首相は、実はCIAに操られていたのではないか??? だとしたらイギリスの政治的最高責任者が、自国民の利害よりもアメリカの利害のために働いていたのではないか・・という疑念がうまれてくる。ラングに問いただすと否定する。しかしそのラングも、息子を戦争でなくした男の凶弾に倒れる。ラングのアメリカよりの判断が息子をイラク戦争に向かわせ、その結果として命を落とした、それはラングがアメリカに操られていたせいだというのが彼の行為のモチベーションだった。

しかし、ラングは「自分がアメリカに操られたことはない。自分は自分の信じる正義のために選択した」と言っていた。話してその真実は・・・。多分その言葉は正しかったのだろう。そして映画の最後にCIAの手先が誰であったのがが明確にされる。それを解き明かしたときゴーストライターの命もはかなく消える。。。

by ssm2438 | 2011-10-18 01:15


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