西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2011年 10月 20日

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984) ☆☆☆☆

f0009381_14331565.jpg原題:ONCE UPON A TIME IN AMERICA

監督:セルジオ・レオーネ
脚本:レオナルド・ベンヴェヌーチ
    ピエロ・デ・ベルナルディ
    エンリコ・メディオーリ
    フランコ・アルカッリ
    セルジオ・レオーネ
    フランコ・フェリーニ
撮影:トニーノ・デリ・コリ
音楽:エンニオ・モリコーネ

出演:
ロバート・デ・ニーロ (ヌードルス)
ジェームズ・ウッズ (マックス)
ジェニファー・コネリー (子供の頃のデイジー)
エリザベス・マクガヴァン (デイジー)

       *        *        *

ギャング世界での家族愛をテーマにした映画が『ゴッドファーザー』がであるとするなら、こちら友情をテーマにした映画といえるだろう。ただ、それを賛美するのではなく、それを踏みにじらなければならない状況下におかれた人間のドラマだといえる。

<あらすじ>
1923年、17歳のユダヤ移民の子、ヌードルスはマックス出会う。
折りからの禁酒法施行を利用して稼ぐことを覚え、その金を共同のものとして駅のロッカーに常置しておくことを誓い合った。地元のやくざバグジーたちの抗争のなか、仲間の一人が殺される。怒ったヌードルスはバグジーを刺し殺してしまう。
6年の刑期を終え、刑務所から出てきたヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)をマックス(ジェームズ・ウッズ)ば迎えに来た。ギャングとして成長していたマックスはヌードルスを新しい「仕事」にひき入れる。
マックスが全米一の警備を誇る連邦準備銀行を襲撃する計画を打ち明けるが、ヌードルスは頑強に反対。
マックスの愛人になっているキャロルは、彼の命を助ける方法は警察に密告してマックスの計画を潰す以外にないとヌードルスに懇願する。ヌードルスはキャロルの願いを聞き入れ、ダイヤルを回した。
しかし、マックスはヌードルスの前で警察の銃弾に倒れる。仲間たちは、裏切り者となったヌードルスを追う・・・。

映画は、逃亡したヌードルスを追うマックスの手下・・とういうシチュエーションから始まる。
さらに60歳を越えたヌードルスが登場する。
この物語は時間軸を解体してあるので、全貌を把握するに時間がかかってしまう。

1928年、60歳を越したヌードルスは、マックスと仲間が眠るニューヨークの墓地で1個の鍵を発見した。それはあの駅のロッカーの鍵だった。ロッカーの中には鞄が置いてあった中にあるはずの金はなかった。マックスは生きていた。彼はベイリー財団の理事長として政財界に君臨していた。マックスの死は、警察まで巻き込んだ大芝居であり、他の仲間はその場で死に、ヌードルスは裏切り者として追われ、彼らがためていた金はすべてマクックすが独り占めしたていたのだ。
そんなマックスにも法の手が伸びる。自分が手に入れたものをすべて失うのは時間の問題だった。そんなときマックスはヌードルスは自宅のパーティに呼び、「これでカリはなしだ」と自分を撃ち殺すようにと拳銃を差し出す・・・。


そもそも、私はギャング映画とかヤクザ映画とかは生理的に好きではない。なので、この映画が1984年のキネマ旬報ベストテンの1位になった時もほとんど観たい気持ちにはなれず、長い間放置してた。そんな映画を見る気にさせてのは、ジェニファー・コネリーの若き日の後姿の全裸映像があるということと、『普通の人々』でヒロインを演じたエリザベス・マクガヴァンのエッチシーンがあるというどうしようもない突破って衝動・・・今から20年まえくらいでした(苦笑)。

はじめてみた感想は、時間軸があっちこっち飛ぶので良くわからない・・という印象だった。そしてデイジーを演じた子供の頃がジェニファー・コネリーなのにたいして、大人になった彼女がエリザベス・マクガヴァンというのがどうにも違和感を感じてしまった。なのでそこでどうにも物語りにはいれなかった。個人的にはエリザベス・マクガヴァンも好きな役者さんのひとりなのだけど、この映画には似合わなかった。だいたい、あのうりざね顔のジェニファー・コネリーが大人になったらぽっちゃり顔のエリザベス・マクガヴァンというのはキャスティングの不自然さを呪った。

しかし、全体を通してみると、悪くはない。好きではないが、悪くはないのである。
友情というのを絶対不可侵の心の軸として考えていたヌードルス。その彼が、友情という名の下に友人を裏切り、その結果、彼らは警察の銃弾に倒れてしまった。そして彼が最後にみせる「にやり」。どんなに理性で友情を大事におもっていたとしても、心のどこかで自分が生き残り、その富を独り占めにしたことへのダークサイドの満足感はあったのだろう。
これはもう、男としての「業」なのだろう。ライオンの世界では、一番強いオスだけが群れのメスを支配し、残りのオスは路頭に迷って生きることになる。男の世界では、どんなにつらくても、「自分だけが勝ち残らなければならない」という動物的本能が潜在的に在る。それが表面化した瞬間だったのだろう。

ふたをあけてみると、ヌードルスが欲したものはすべてマックスが奪っていた。金もデイジーも。マックスは、友情よりもオスとしての「業」を優先した。60歳にしてヌードルスが出会ったマックスは、自分が「友情」よりも「業」を優先したときにもう一人の自分だったのだろう。

ヌードルスは、マックスを撃たずにそのまま去っていく。
そんなマックスは、ゴミ収集車のディスポーザーの中に身を投じこの世から消滅する。

by ssm2438 | 2011-10-20 14:33


<< プライベート・ライアン(199...      パンデミック・アメリカ(200... >>