西澤 晋 の 映画日記

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2011年 10月 27日

セーラー服と機関銃(1981) ☆

f0009381_1361021.jpg監督:相米慎二
脚本:田中陽造
撮影:仙元誠三
音楽:星勝

出演:
薬師丸ひろ子 (星泉)
渡瀬恒彦 (佐久間真)
風祭ゆき (マユミ)

       *        *        *

食い合わせの悪い映画でした・・・マル

赤川次郎原作なのだから、所詮まじめにリアリティを追求して撮るべきではない映画。楽しくあっけらか~~んと撮るべき映画なのだと思うけど、けっこう死人もでて、シーンの持つ意味はシリアス。要するに、おちゃらけとリアリティの食い合わせが非常に悪い映画なのです。

赤川次郎の話というのは、オヤジが若い女の子に愛される映画でもある。これは作者自身の夢なのかもしれない。作者自身が小さな演劇部に所属して、オヤジが愛される軽いテイストの話を妄想してできたお話なのだろう。なので、それはほんとに妄想の世界の小話であって、真剣に具現化すると破綻してしまう。
女子高校生がヤクザの親分に・・・在り得ない話である。ヤクザの組の名前が「めだか組」(漢字で書くと「目高組」である)・・・ありえない話である。しかしこの監督の相米慎二は、この在り得ないアトラクション・ムービーにリアリティを持ち込もうとしてしまった。なので感情の処理が非常に微妙なのである。たった4人のめだか組、しかし別の組との抗争で彼らの全員が最後は死んでしまうのである。話自体はありえない話なのだけど、シチュエーションの描写はありえる描写なのである。でも、血のりとかかなり鮮やかでまるで血のりのように見えてしまうのでこれが軽いのである。おかげでどう感情的に処理していいのよくわからないまま物語がおわりまでいってしまった・・(苦笑)。

相米慎二はジム・ジャームッシュのように、ワンシーン=ワンカットで撮る人と思われてるかもしれないが、厳密にはそうではない。たしかにワンシーンをワンカットで撮ることもあるが、ワンシーンをいくつかのカットに別ける時も在る。しいていうなら<長廻しの撮り方>というほうが正しい。
なのでアップが少ないのも特徴のひとつだ。それがアイドル映画に当てはまる撮り方なのかといえば、そうでないのだろうが、当の本人はアイドル映画として撮るつもりはなかったのだろう。

こういう映画も、ジョン・バダムが撮ってくれたら普通に見やすい映画になっていただろうに・・・。
人選を間違うとこうなってしまうという悲しい出来であった。

<あらすじ>
目高組の親分が死ぬ時、遺言として、「跡目は血縁者に」と言い残した。しかし、その跡目となるべき星貴志は交通事故であっけなく死んでしまう。遺言に基づくなら、貴志の子供達に跡目の役がまわることなる。その星貴志には泉という娘(薬師丸ひろ子)がいた。そんなわけで、組員のひとり佐久間真(渡瀬恒彦)から組長になってほしいと頼まれる泉。
当然のごとく拒否する泉だが、引き受けてくれないのなら、組は解散、どこやら組に殴りこんで玉砕するという。彼らを止める方法は泉が組長になり「行くな」というしかなかった。こうして星泉は目高組4代目組長に就任する・・・。


しかし、宣伝は一流だが映画は三流と呼ばれた角川映画、しかしもう一つ一流ものがある。
それはテーマ曲。どの映画もテーマ曲は良いのだ。映画がこれだけ駄作を連打していてもテーマ曲だけはどれも一級品をそろえてくる。さすが角川!

ちなみに、この映画の表紙につかわれる写真で、薬師丸ひろ子の左の頬に血がついているものとそうでないものがある。この血は撮影の時に飛び散った破片でほんとに出来たものであり、メイクの血ではない。それがのちに販売させる拍子で消されていたりする。血がついているほうが本物である!

by ssm2438 | 2011-10-27 01:42


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