西澤 晋 の 映画日記

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2011年 10月 30日

デイライト(1996) ☆☆☆

f0009381_21495532.jpg原題:DAYLIGHT

監督:ロブ・コーエン
脚本:レスリー・ボーエム
撮影:デヴィッド・エグビー
音楽:ランディ・エデルマン

出演:
シルヴェスター・スタローン (キット・ラトゥーラ)
エイミー・ブレネマン (マデリン・トンプソン)

       *        *        *

『ポセイドン・アドベンチャー』ふたたび・・・

NYのマンハッタン島とニュージャージーを結ぶ海底トンネルで、チンピラストリートギャングの運転する車が事故を起こし、産業廃棄物を運搬中の車も巻き込まれて大爆発。紅蓮の炎は人々を焼き尽くし、有毒なガスと煙がトンネル内に充満するがトンネルの出口は塞がれたまま何人かの生存者が中に閉じ込められる。そこにたまたま居合わせた元EMS(緊急医療班)のチーフだったキット・ラトゥーラ(シルヴェスター・スタローン)は、事故現場へ危険も顧みずに飛び込んでいく。

やたらとラジー賞でたたかれるシルヴェスター・スタローンですが、この映画はそれほど悪くないのです。といってもこの映画はスタローンが企画したというのではなく、ロブ・コーエンの映画にスタローンが出てるというほうが正しいでしょう。なので、映画のテイストもスタローンの映画のようにみえなくもないけど、やっぱり本質的にはロブ・コーエンのテイストで終始描かれています。
ロブ・コーエンは、こういったエンタメ系のノンストップアクションものはかなり得意で、それも平坦な見え方にならないような見せ方が上手いという印象の人。個人的にはこの人が監督をやった『ステルス』は大好きである。そしてこの映画にも、「こうすれば面白く魅せられる」というツボを知っているなと思える箇所がいくつもあり、ま、それはどこかの映画で見たようなものばかりなのだけど、映像の引き出しは多い人だなと感心する。

この映画のコンセプトは『ポセイドン・アドベンチャー』である。とはいえ、あっちは大海原で180転覆してしまった豪華客船内でのサバイバル。こちらは海底トンネル内でのサバイバル。シチュエーションはたしかにちがうのだげど、事故現場に単身下りていくスタローンが生き残りに合流してからは『ポセイドン・アドベンチャー』をそのまま海底トンネルに移し変えたもの。人が死んでいくプロセスや、当時のジーン・ハックマンにいつでもたてついていたアーネスト・ボーグナインの役どころなどもそのまんま。なので、映画的な正義を貫く主人公の描き方と、実際にこれが起きたらそんな判断はしないだろう・・というギャップに関するいやらしさを感じるところまで一緒である(苦笑)。

<あらすじ>
トンネル内に閉じ込められた生存者たちの生命は風前の灯火だった。内部の酸素はあと3時間しかもたない。偶然、現場付近に居合わせたタクシー運転手キット・ラトゥーラ(シルヴェスター・スタローン)は以前、EMS(緊急医療班)のチーフだったが、任務中に部下を含む3人の人間を死なせた過去があり、それ以来自責の念にとらわれ食を辞していたのである。
巨大な通風口のファンを一時止めることでそこからトンネル内に降下していくラトゥーラ。しかしファンは再び稼動しはじめ、もうそこからは出られない。生存者と合流したラトゥーラは、まとまりのないそれ連中をなんとかリードして生還に導いていく。

ただ・・・最後のほうはちょっとイヤだったなあ。
みんながなんとか脱出できる坑道までたどり着いたが、生存者のなかの一人がつれていた犬と助けにもどる。ほかの連中はそんな犬ほっとけ!というのだけど、ラトゥーラは助けに戻ってしまうわけだ。先の仕事で、「もう生存者はいない!」と判断してその場を去ったら、実はまだいた・・という過去を背負っており、その結果、今回は犬を助けに戻ってしまうわけです。
その結果坑道に登る足場は崩れ、ラトゥーラだけが取り残されてしまう。それを助けようとしたマデリーン(エイミー・ブレネマン)も一緒に溢れ出す水の中に降ちて、もう助からない。ラトゥーラは「お前達は行け」と言って彼らを行かせる。あまりに映画的な主人公の<良い人ぶりっ子振り>を描きすぎて、物語がいやらしくなってしまっている。坑道がくずれるのは、もちろみなさんの退散したあとなのだけど、それも映画的な都合であって、ほんとの現場にいたらそんなことわからない。もうちょっと理性的な展開にできなかったものか・・・。
さらに、その後はなんだかんだと爆発物を仕掛けて、どういう仕掛けなのかわからないけど、とりあえずその爆発に乗じて水面にたどり着くという・・だったら最初からそうしろよ!っておもってしまう。
このワンちゃんを助けるエピソードから最後まではかなりいただけないのはたしかだが、全体の流れや見せ方はロブ・コーエンの魅せ方が冴えていて、画面的には気持ちよく見られる映画だと思う。

by ssm2438 | 2011-10-30 21:50 | S・スタローン(1946)


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