西澤 晋 の 映画日記

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2011年 11月 09日

ハスラー(1961) ☆☆☆☆

f0009381_18244555.jpg原題:THE HUSTLER

監督:ロバート・ロッセン
脚本:ロバート・ロッセン/シドニー・キャロル
撮影:ユージン・シャフタン
音楽:ケニヨン・ホプキンス

出演:
ポール・ニューマン (ファースト・エディ)
ジャッキー・グリーソン (ミネソタ・ファッツ)
パイパー・ローリー (サラ)
ジョージ・C・スコット (バート)

       *        *        *

「明日のために、今日の屈辱に耐えるのだ!それが男だ!」

これは『宇宙戦艦ヤマト』1話のなかの沖田十三の言葉である。このあと古代守は「戦って、戦って、戦い抜いて死ぬのが男じゃないんですか?」と反論する。当時これを見ていたときは沖田艦長「かっこわり~」とか思ったのだが、のちに『男おいどん』『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』にもこの趣旨の言葉が多々登場するのを発見、大人になってみると、実に現実味を帯びた理想的な言葉であることを実感する。

玉突きやるひとなら一度はみる映画・・かな?
「ハスラー」というのは本来「詐欺師・騙し屋」的な意味の言葉だが、金をかけてビリヤードをしてる人をそう呼ぶと理解してもいいだろう。
この映画の中で、主人公ファースト・エディ(ポール・ニューマン)は、当時最強とうたわれていたミネソタファッツに戦いを挑む。最初はリードしていたものの、セリフコントロールが出来ずに後半ぼろぼろ。無残に敗北する。有り金を全部すってしまったエディが、今一度ミネソタ・ファッツに戦いを挑むためには資金がいる。安い金では受けてくれないのだ。そこにエディの才能に目をつけたバートというスポンサーが現れる。バートは勝ち金のほとんどを吸い上げ、エディの取り分は2割程度。それでも、ファッツとの再戦のためにバートと旅を始めるエディであった・・・。
この映画の25年後にマーティン・スコセッシによって映画化された『ハスラー2』で一時期ビリヤードが人気になったこともあったが、こちらは、勝ち負けよりも騙しあいのほうにウエイトがおかれていて、今ひとつ消化不足だった。それにくらべて、この『ハスラー』は、賭けビリヤードを題材にはしているが「勝つ」ことにこだわったつくりであり、とっても見心地がよいのである。ただ、この映画で行われているゲームはナインボールではない。それが今ひとつ映画の楽しみをそぐ原因にもなっているかもしれない。

この映画のなかでおこなわれているのはストレート・プール(14-1)と呼ばれるゲームである。15個の的球を用いて行われるポケットのエニーボール種目(どの球でもねらってOK)で、得点は1個1点で、全てコールショットで行われるゲーム。ファウルは1点マイナス。オープニングブレイク時のファウルはマイナス2点。3回連続したファウルはマイナス15点のペナルティとなる。テーブル上の的球が残り1個(ブレイクボールと呼ばれる)を残した時点で、他の14個をラックする。そしてブレイクボールをポケットしつつラックを割ることで継続していく。
初心者のうちは、ブレイクショットをもったほうが最初にファールすることになる。だいたいブレイクショットなのにどの球をどこに入れるかって、そらほとんど無理だとおもうのだけど・・・。すくなくとも私のような素人には無理である。
このゲームのすごいところは、とにかくゲームが延々につづく。やめようというまで続く。『ハスラー』のなかでは、このゲームを何日にもわたって延々突きつづけている。このマラソンゲームがいいんだよなあ。

ファースト・エディの恋人役にはパイパー・ローリー『キャリー』のおかあちゃんである。このころはなかなかチャーミングだったのだ。しかし・・・、ドラマ的にはかなり沿えモノ的な扱いであり、今ひとつこの人の使われ方は的を得てなかったような気がする。物語の途中でにっくき敵役のバートに抱かれてしまい、その結果自殺してしまうのだが、その必然性も今ひとつ。ま、主人公の最後の「起こったぞ!」の起爆スイッチに使われるエピソードだけど、もうちょっと納得いく形に出来なかったものか。最後にポール・ニューマンがバートの非道さを語るのだが、それもいまいちピンとこない。もうちょっと物語を整理して、効果的に構成されていたらけっこういい映画になっていたと思うのだが・・・。

<あらすじ>
シカゴの若手ハスラー、エディ・フェルソン(ポール・ニューマン)は賭けビリヤードで資金をあつめ、当時最強と言われていたミネソタ・ファッツ(ジャッキー・グリーソン)に挑戦した。勝負は36時間にわたるストレート・プール。初日の前半はほとんどエディがリードしたが、図に乗って酒を飲みながら勝負を続けたエディは残り12時間というあたりで逆転され、そのまま追いすがることも出来ずに敗北した。その勝負をひそかに観戦するバート(ジョージ・C・スコット)。
自暴自棄になったエディは酒にふけったが、作家志望の女子大生サラ(パイパー・ローリー)と出会い、意気投合して一緒に暮らし始める。そんなエディにバートが話しかけてくる。彼は、エディのスポンサーになり、掛け金を出すという。75%はバートがもらい、25%はエディがとるというもの。一度はことわるエディ。
それから間もなくある撞球場で小金を稼いだエディは、ハスラーであると因縁をつけられ袋だたきにされた。その上、両手の親指を折られていよいよ文無しになってしまう。無一文になったエディは、バートの申し出をうけることにする。あとで判明するのだがこれもバートの仕組んだわなだった。
傷の癒えたエディはバートのマネージングのもとに、ビリヤードをやりバートをもうけさせる。ファッツに再戦を挑むには今はバートの資金のもとで、いかに不利な条件でも戦わなければいけないエディ。その姿を嘆いサラだが、なりゆきでバートに押し倒されてしまい自殺する。
バートと手を切ったエディは、二たびミネソタ・ファッツに挑戦する。勝負は一方的にエディの勝ちとなる。バートはマネジャーとして分け前を要求するがエディはバートの脅かしに耳も貸さずに立ち去るのだった。
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by ssm2438 | 2011-11-09 18:30


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