西澤 晋 の 映画日記

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2012年 01月 24日

事故/国道20号線殺人トリック(1982) ☆☆

f0009381_173225.jpg監督: 富本壮吉
原作: 松本清張
脚本: 猪又憲吾
撮影:浅井宏彦
音楽: 津島利章

出演 :
松原智恵子 (山西勝子)
山口崇 (興信所所長・田中幸雄)
宮下順子 (フリーの調査員・浜田久子)
植木等 (彩田刑事)

       *        *        *

東京都杉並区の住宅街のある邸宅に深夜トラックが突っ込む。その数週間後、そのトラックを運転していたドライバーが山梨県のとあるドライブインの崖下で死体となって発見される。同じ頃、ある興信所の女性調査員の死体も川から引き上げられる。山梨県警の彩田刑事(植木等)は同署の管轄で起きた二つの事件を調査することになる。

テレビ朝日の「土曜ワイド劇場」で放映された2時間ドラマ。
松本清張作品というよりも普通の土曜ワイド劇場でした。

しかし、相変わらず不倫してる者が、秘密保持のために殺人をするという展開なのだけど、この話はちょっとひねりがきいていた。ただ、主演の山口崇の設定にまじめさがないので、松本清張ものの、真剣な追いつめられ感はない。ただ、土曜ワイド劇場としては、アベレージなさ苦品ではないだろうか。
しかし、きちんと作ればトリッキーなストーリーとして成立しそうな話だったので、ややもったいなかったな。

<あらすじ>
東京都杉並区の住宅街に住む小西勝子(松原智恵子)は、夫の浮気調査を田中幸雄(山口崇)が所長をつとめる興信所に依頼する。彼の会社はそれほど大きいわけではなく、社内で調査員を雇っておらず、普段はフリーの調査員に依頼して調査を行っていた。しかし勝子の純粋な美しさに引かれた田中はこの件は自分で調査にあたることにした。
勝子はお嬢様育ちで、夫以外には男を知らなかった。親身になって調査してくれる田中に次第に信頼をよせるようになる。田中も20年の経験を活かして早々と彼女の夫が明美という女と出来ていることを知る。彼は大酒への出張を言い訳に、彼女と2人で箱根のホテルに宿泊している。
現場をおさえた田中は勝子をホテルまで呼寄せる。
「部屋に踏み込みますか?」という田中だが、気が動転してなにも決断できない勝子は、翌朝2人をそのまま発たせてしまう。しかし、その夜勝子は田中に抱かれたのであった。夫以外では、初めての男だった。

それからというもの、勝子は田中との情事に溺れていく。田中の事務所の資金繰りが厳しいときくと、お金を工面することもいとわない。勝子にとっては初めての恋愛だった。
しかし、妻の様子に不信感をもった夫が妻の素行調査を依頼する。それがよりにもよって田中の事務所だった。一瞬驚く田中だが、事の次第は本当に偶然だった。最初は断るつもりだったが、よその会社にこの仕事をまわされると、自分と勝子の浮気が調べられる。だったら・・・いっそうのこと。
田中は、自分の事務所で時々仕事を依頼している浜田久子(宮下順子)にこの調査を依頼する。田中は彼女を見くびっていた。しかし、浜田久子は強靭な忍耐力と執着心の持ち主だった。
浜田久子から調査報告を聞くたびに、確実に男の存在を捕らえていることに恐怖を覚える田中。そして勝子の夫が外国に出張中のある夜、一台のトラックが、小西宅に突っ込む。外での逢瀬に不安を感じた田中を、勝子は自宅に呼寄せていたのである。下着姿で玄関に下りてくる田中の目に、そとでたむろする近所の野次馬と浜田久子の顔が見えた。

・・・・というわけで、2人の不倫を隠蔽するために田中と勝子は、浜田久子とトラック運転手(実は同郷の友人だった)を殺す計画実行していく。

ここで松本清張の<女の健気さ>が本来なら発揮されるところなのだろう。
2人の殺人計画をきかされて、田中を止めようとする勝子だが、
「君はボクのことを愛していなかったんだ。所詮僕らは他人だ」と言われ、傷ついた勝子は、他人ではないことを証明するために、自らも殺人計画に手を染めていく・・という展開でした。

松原智恵子さん、いやあ、びっくりしました。綺麗です。まるで黒木瞳みたい。物語としては、この人をいかに美しく描くかが総てだったのだけど、その点においてはやっぱりちょっと物足りなかったかな。松本清張のドラマは、愛するがゆえに、あるいは愛されたがゆえに死に行く女をいかに純粋に綺麗に描けるかが総てといっていいので、もうちょっと普通の人妻がなんで殺人にまで手を貸してしまったのか・・という初めて覚えた恋の味感を出して欲しかった。

by ssm2438 | 2012-01-24 01:08 | 松本清張(1909)


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