西澤 晋 の 映画日記

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2012年 05月 06日

わるいやつら(1980) ☆

f0009381_1540564.jpg監督:野村芳太郎
原作:松本清張
脚本:井手雅人
撮影:川又昂
音楽:芥川也寸志

出演:
片岡孝夫 (戸谷信一)
松坂慶子 (デザイナー・槙原隆子)
藤真利子 (家具屋の妻・横武たつ子)
梶芽衣子 (料亭のカミさん・藤島チセ)
宮下順子 (看護婦長・寺島トヨ)
藤田まこと (会計士・下見沢)

     ×   ×   ×

ほんとにみんな悪い奴らばっかり・・・・

一番の問題点は感情移入できる人間がいないってことだろう。
物語は、ある病院の若院長が、美人デザイナーに強い興味を持ち、彼女を手に入れようと多額の援助資金を工面する。しかし、結果的にはその女にはめられて、残ったのは殺人犯として無期懲役の人生。しかし、そのデザイナーも最後は仲間だったはずの男に刺されて死ぬ・・・という、、まさに土曜ワイド劇場そのまんま。
「映画」という印象はきわめて弱い。

実はこの映画、霧プロダクションとしての最初の作品だったらしい。この製作会社は、松本清張が映画・テレビの企画制作を目的として、映画監督の野村芳太郎らと1978年11月に設立した会社で、松本清張自身も代表取締役に就任している。松本清張作品のなかでは、霧プロ制作・協力の映画の質が高いのはそのためなのだが、本作は・・・・・なんとも言えず面白くない。
一番の問題は、主人公に感情移入しづらいこと。チキンで小心者な親の七光り医者という設定の、人間的な弱さの部分では感情移入できるのだけど、いかんせん好感度がまったくない。おかげでこの人と一緒に物語を体験しようという気持ちになれないんのである。となるとあとはチキンな殺人計画とお金をせしめられるトリックだけだけ・・・・。
これでは見ている人が楽しめない・・・・。

これ、あとで思ったのだが、主人公をもうちょっと好感度の持てる人、たとえばトム・ハンクスとか、ハリスン・フォードとか、そういうイメージのひとだったら良かったのに・・・。
やってることはひどいことなのだけど、どこか憎めない愛らしさがあり、でも、欲望に負けてチキンな犯罪を続けて言ってしまう・・という感じ。当時だったら・・・、中村雅俊とか村野武範とか・・・。

<あらすじ>
名医と言われた父の死後、病院を継いだ2代目院長・戸谷信一(片岡孝夫)だが、病院の経営は悪化し、病院の建物はすでに抵当に入っている状態。会計士・下見沢(藤田まこと)は先代に大学に入れてもらった恩義もあり、信一を持ち上げるようにお守りをしているが内心へきへきしている。
戸谷には3人の愛人(もと愛人も含む)がいた。大きな家具店の妻・横武たつ子(藤真利子)、東京と京都にある料亭を切りまわす藤島チセ(梶芽衣子)、そして看護婦長の寺島トヨ(宮下順子)だった。
そんな戸谷が次に夢中になったのがデザイナーの槙村隆子(松坂慶子)だった。隆子の必要とするお金をなんとかしてあげたいと思うようになった戸谷はお金を工面を始める。
そんなとき横武たつ子の夫が死んでしまう。年の離れた夫は死期を早めるためにたつ子と戸谷は薬としょうしてヒ素を与え続けていたのだ。検死の結果に怯えるたつ子は取り乱してしまう。ヒステリックに騒ぎ立てるたつ子に神経を消耗する戸谷を助けるように嘗ての愛人だった看護婦長の寺島トヨ(宮下順子)が、たつ子にある薬をあたえ始末する。
一方の愛人・チセも夫を疎ましがっており、戸谷はたつ子のときと同じ方法で殺害する。秘密を共有することで弱みを握られてしまった戸谷は、トヨからの精神支配にまいっており、彼女をも、モーテルで絞殺、死体を林の中に投げ捨てた。
戸谷はすべての情熱を隆子に注いだが、下見沢が戸谷の預金を下して行方をくらませた。やがて事件も明るみにでて戸谷は無期懲役の刑を受ける。
やがて戸谷の裁判が決心し、網走におくられることになる。青函海峡をわたる船の上で、隆子がファッション・ショーが開かれていたその場で下見沢に刺されたという記事をみる。

by ssm2438 | 2012-05-06 15:41 | 松本清張(1909)


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