西澤 晋 の 映画日記

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2012年 06月 04日

ミッドナイト・イン・パリ(2011) ☆☆☆☆

f0009381_2247380.jpg原題:MIDNIGHT IN PARIS

監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
撮影:ダリウス・コンジ

出演:
オーウェン・ウィルソン (ギル・ペンダー)
レイチェル・マクアダムス (婚約者イネズ)
カーラ・ブルーニ (美術館ガイド)
レア・セドゥー (懐メロレコード屋のガブリエル)
マリオン・コティヤール (アドリアナ)
トム・ヒドルストン (F・スコット・フィッツジェラルド)
コリー・ストール (アーネスト・ヘミングウェイ)
キャシー・ベイツ (ガートルード・スタイン)

     ×   ×   ×

カートルード・スタインは、ジーナ・ローランズ希望なんですけど・・・。
ジェラルディン・ペイジでもいいですけど。デブになったダイアン・ウィーストでもいいなあ。フィッツジェラルドの奥さんは、若き日のミア・ファーローにやって欲しかったぞ!!!


いやあああああ、よかった。21世紀のいまのところウディ・アレンの最高傑作だろう。
そういう私も実はパリ大好き人間で、TOEICは900点オーバーとってもアメリカには行ったことがなく、ひたすらパリビ贔屓なのである。パリはいいやね。実存主義あり、印象派あり、ロダニズム在り、私に文化的遺伝子を活性化させてくれる要素つまってる。

この映画のなかでは、映画のシナリオライターやってるギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン)が、婚約者と訪れたパリを訪れる。しかし婚約者とも、その親ともイマイチ波長が合わず、さらに婚約者の彼女のまえに大学時代の昔の彼が登場。そんななかで精神的に蚊帳の外の彼が、パリの夜中をぶらついてると嘗てにビッグネームの文豪や画家に会うというというファンタジー。ただ、それだけの話なのだけど、話の盛り上げ方が上手い。

物語の構成からいうと、起承転結ストーリー。
映画の物語構成は2種類ある。ひとつはハリウッドご用達の第一、第二ターニングポイント方式。これは、はじまってから30分間で主人公がドラマに巻き込まれる。『ロッキー』でいうなら、アポロからの挑戦を受け入れる羽目になるところか。物語の後半にもう一つターニングポイントが用意され、そこでは、主人公がそれを成し遂げないと本人の存在意義が消滅してしまうという、それを解決しないと自分が滅びるという生きるか死ぬかの戦いに突入する。
もう一つが日本古来の起承転結方式。一度目のマジックやってみました。2度目のマジックやってみました。調子にのって3度目のマジックやってみたらとんでもないことになってしまった。そして最後は命がけでそれをやっつけないと・・という構成。スティーブン・キングなどは起承転結方式を採用している。
この『ミッドナイト・イン・パリ』もどちらかというと、起承転結方式を採用しているといっていいだろう。
やっぱりこの展開は味わい深い。

彼女や彼女の両親や彼女の友人などとそりが合わず、疎外感を感じている主人公。そんな彼がパリの夜の街をさまよい歩いてると満ちに迷ってしまい、そんなところに、1900年代にはしっているようなクラシックカーが現れる。乗っている人間はなんだがのりがよく、「いいから乗れ乗れ」という感じで拉致られてしまう主人公。いった矢先のバーには、コール・ポーターや、『グレート・ギャッツビー』の原作者フィッツジェラルドに会う。最初は半信半疑だがどうやら時空を越えて1920~1930年あたりにトリップしているらしい。そこには主人公が憧れるアーネスト・ヘミングウェイもいる。彼がパリにいたのは1921~1928年までの間なのでその間のどこかの時間であろう。
小説を書いている主人公君はヘミングウェイに自分の今書いている小説を読んで欲しいという。明日持ってくるといって店を出るが、約束をコンファームしようともどってみると、そこはコインランドリーである。

トキメキの夜の出来事を婚約者の彼女に伝えたいと思い、夜中まで彼女をその場所で待たせるが、あのクラシックカーは来ない。ぐれて帰ってしまう彼女。しかし真夜中の鐘がなると昨日と同様に嘗ての異人達をのせた旧式のルノーが通りかかる。そして起承転結の「承」のパートに展開する。
この語り口の上手さが問答無用に上手い。

やがて主人公は後期印象派の画家たちやパブロ・ピカソやその愛人・アドリアナ(マリオン・コティヤール)と出会う。彼女が夢想の世界でのヒロインとなる。彼女のドラマ上の役割は懐古主義の認識。
主人公が、「この時代はすばらしい」と思っていた1930年代のパリにいってみると、その世界板アドリアナは、それ以前の世界ゴーギャンロートレックの時代が素晴らしいといい、その時代にトリップすると、そこから帰りたくないという。
今の世界で「自分は競争力がない」と自覚したものは懐古主義に走りがちであるが、それは本来も求めるべきものはないよ!っと言ってのけてしまうウディ・アレン。すばらしい!!!!!!!

結果的には、主人公はパリの街で出会った、過去のアートに美しさを見出すガブリエルという女の子と同じ価値観をシェアし、彼女と現代で生きる流れを選択するという方向性におちつく。
きわめて美しい終わり方だろう。ウディ・アレンの完成されて作風が見事に展開された映画であった。

しかし、私にとってのウディ・アレンのベスト’ブ・ザ・ベストはやはり『インテリア』であり、あの画面の素晴らしさ、物語の切実さにくらべると、やはり穏やかになったなと思えてしまう。『カイロの紫のバラ』的なムードを感じる。
当時、世間ではこの『カイロの紫のバラ』とか『ハンナの三姉妹』とか、けっこう評価されてたのだけど、個人的には『インテリア』ほどのインパクトはなく、技術的な安定期に入ってしまったかなという感じであり、その後のウディ・アレンはやや低迷してたのだけど、この映画で浮上し、技術的な安定期初期の時代までもどったかなという気がした。でも、『インテリア』ほどのとげとげしさはないなあ。
チェッカーズの唄ではないが、

♪ナイフみたいにとがっては、触るもの皆、傷付けた~♪

っていうあの切実な劣等感の爆裂を見てしまうと、穏やかさがいまひとつ物足りない。。。。

・・・・しかし、ウディ・アレンっていい娘をみつけてくる。
今回敵役のヒロインとなってるいレイチェル・マクアダムスは素晴らしい。ガイ・リッチーの『シャーロック・ホームズ』のアイリーン役の彼女なのだけど、美貌ははちきれている。レコード屋のお姉ーちゃん、ガブリエルを演じたレア・セドゥーもいい。彼女にはマリエル・ヘミングウェイを見たね。『マンハッタン』の時のマリエル・ヘミングウェイ(アーネスト・ヘミングウェイの実孫である)の純朴さがいい。
フィッツジェラルドの奥さんは、若き日のミア・ファーローにやって欲しかったぞ。パブロ・ピカソの愛人は若き日のダイアン・キートンにやって欲しかった・・ということで整理した。

時空をこえた私の希望の配役

ギル・ペンダー=ウディ・アレン
あっちの世界の恋人アドリアナ=ダイアン・キートン@『アニーホール』/『マンハッタン』
こっちの世界の恋人ガブリエル=マリエル・ヘミングウェイ@『マンハッタン』
婚約者イネズ=シャロン・ストーン@『スターダスト・メモリー』
美術館ガイド=シャーロット・ランプリング@『スターダス・トメモリー』
F・スコット・フィッツジェラルド=ロバート・レッドフォード@『華麗なるギャッツビー』
ゼルダ・フィッツジェラルド=ミア・ファーロー@『華麗なるギャッツビー』
アーネスト・ヘミングウェイ=ウォーレン・ビューティ@『レッズ』、このころダイアン・キートンと付き合っていた。
ガートルード・スタイン=ジェラルディン・ペイジ@『インテリア』/ジーナ・ローランズ@『私の中のもう一人の私』

・・・で,
ぜひやって欲しかった。
というか、ウディ・アレンはこの配役を絶対意識してると思う。
もっとも、イネズに関しては、レイチェル・マクアダムスでもすばらしいけど、心の中のホントはスカーレット・ヨハンソンだったと思うが・・・。




ああ・・・、男って、なんで認められたいんでしょうね・・・・・。
それを「恋」っていうのでしょうか?

ああ、劣等感を感じよう。
勉強しよう。
恋をしよう。

by ssm2438 | 2012-06-04 22:45


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