西澤 晋 の 映画日記

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2012年 07月 16日

恋はデジャ・ブ(1993) ☆☆☆

f0009381_22184470.jpg監督:ハロルド・ライミス
原案:ダニー・ルービン
脚本:ハロルド・ライミス/ダニー・ルービン
撮影:ジョン・ベイリー
音楽:ジョージ・フェントン

出演:
ビル・マーレイ (フィル)
アンディ・マクドウェル (リタ)

     ×   ×   ×

『素晴らしき哉、人生!』の派生系の物語になるのかもしれないが、料理の仕方が実に上手い。

全然関係ないのだが、この映画にでてくるウッドチャック(学名モーマット)という動物、しらべてみると、なんと!!!子供の頃みた『山ねずみロッキーチャック』の主人公はロッキーはこのウッドチャックと呼ばれる動物だったとか。世の中には知らなかったことが多いなあ(笑)。

とにかく話の基本設定がユニークだ。
テレビの人気天気予報官フィル(ビル・マーレイ)は、番組プロデューサーのリタ(アンディ・マクドウェル)、キャメラマンのラリー(クリス・エリオット)と共にとパンクスタウニーという田舎町を訪れる。この町では、毎年2月2日に冬眠からさめたウッドチャックが春の到来を占うという儀式がおこなわれており、各局のテレビ局がこの地に取材班を派遣していた。とりあえず取材をすませたフィルたち一行は地元局のあるピッツバーグに帰ろうとするが、雪に阻まれてもう一泊することになった。しかし・・・、フィルが6時に目を覚ますと、その日はまたしても2月2日の繰り返しだった・・・。
都合のいいトリックは、周りの世界は同じ日を繰り返しているが、主人公のフィルだけは経験値が貯蓄されていくというもの。

これは「待った」が永遠につかえるという条件で、ド素人が羽生名人に挑む名人戦のようなものだ。
初日が終わって、二日目、気づいてみると、主人公にとっては再び1日目なのである。1日目の大局で妙手を打とうが、握手を打とうが、翌日はやっぱり1日目の朝から繰り返し。これだと負けることはないが、2日目がない以上勝つこともない。明日がないことに絶望して自殺もしてみるが、やっぱり次の日は1日目の繰り返し。

2日目がないのなら、1日で勝ちきるしかない。
この物語においては、それまで好きだったリタの心を1日でものにすることなのだ。

「前日はあの2五銀から悪くなった、じゃあ、今日はそこを3一飛車でいってみよう」・・という具合に、前日不利になった手を回避し、別の手を選択できる(映画では朝からその手間の時間は省略してあるので、同じシーンを何度もみせられることはない)。しかし、それを繰り返している間に相手の思考、趣味、何を「よし」とするのかなどの価値観が判って来る。
しかし相手は羽生名人、なかなか勝たせてくれない。なので今度は一気に戦法を変えてみる。一から振り飛車を勉強し始める。端のほうで死にそうになってる「歩」の命もすくってみる。戦場に参加してないで使い古された「と」も大事にあつかってみる。そんな日々、そんな対局を毎日繰り返していると、次第に「美しい将棋」がさせるようになり、最後は羽生名人に勝ってしまう・・というお話。
めでたし、めでたし。

物語構成的には実におもしろい。ぼおおおおおおおおおおと見るには面白い。
難を言うなら、善の価値観がかなり記号的であり、主人公がおいつめられることのない状況で戦っているところか・・・。永遠に「待った」が使える将棋ゲームをやっているようなプレッシャーのなさが、現実世界で戦うことを避けている人にはうけるかもしれない。しかし私自身は「余裕のある人のゲーム」にはそれほど価値観を見出さないので☆3つにとどめておくことにした。

by ssm2438 | 2012-07-16 22:19


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