西澤 晋 の 映画日記

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2012年 12月 08日

北のカナリアたち(2012) ☆☆☆

f0009381_2272230.jpg監督:阪本順治
原案:湊かなえ『二十年後の宿題』
脚本:那須真知子
撮影:木村大作
音楽:川井郁子

出演:
吉永小百合 (川島はる)
森山未來 (鈴木信人)
満島ひかり (戸田真奈美)
勝地涼 (生島直樹)
宮崎あおい (安藤結花)
小池栄子 (藤本七重)
松田龍平 (松田勇)
柴田恭兵 (川島行夫)
仲村トオル阿部英輔
里見浩太朗 (堀田久)

     ×   ×   ×

おお、『ライアンの娘』!

デビッド・リーン『ライアンの娘』といえば、映画ファンなら誰でも知ってるだろう映画のひとつ。『マレーナ』の部分的なモチーフにもなってる映画でもある。
で、この映画、冒頭いきなり『ライアンの娘』レイアウトではじまります。孤島の村を終われる羽目になった20年前の吉永小百合、そのいきさつは後々語られるのだけど、その街の中を歩いて抜けるシーンのレイアウト。道の両脇に店が並んでいるだけのような集落のメインストリート、それを木村大作のカメラが望遠で撮っている。『アイアンの娘』の最後のシーンと同じなのである。そして物語が進むにつれてそれは偶然ではなく、意図的に多用されていることに気づく。。。

『ライアンの娘』のあらすじはこう。
アイルランドの右上だけがイギリス領になってる不思議な領土。そこでは独立運動の戦士達がドイツから武器を密輸入して再びイギリスに対して蜂起せん水面下の勢力争いがつづいていた。
大平洋海岸の寒村キラリーへ帰って来た教師チャールズ(R・ミッチャム)はロージー・ライアン(S・マイルズ)に激しい愛情をそそがれていたが、年齢や男やもめの身を考え心を押さえていたが、ロージーの勢いにも押され村の人々の二人を祝福、2人は結婚した。2人は安定した夫婦生活を送っていたが、そんな彼女の前に第一次大戦で足を負傷した戦士ランドルフ(C・ジョーンズ)がキラリーに近い英軍守備隊の指揮官として赴任してきた。戦場後遺症のくるしむランドルフは、ロージーに安らぎを求めるようになり、やがて2人は肉体関係を結んでしまう。うすうすその実態にきずいてしまうチャールズ。そしてこのことは村の噂にもなっていく。
一ヶ月後、独立運動の同志は武器を陸上輸送するが、彼らの前にランドルフの一隊が立ちはだかり、武器輸送は失敗におわる。密告は者は僅かな金につられたロージーの父・ライアンだったが、ランドルフとの浮気表ざたになってしまったロージーが疑惑の矢面にたち村のひとびとからリンチをうける。服を破かれ丸裸にされ、髪をきられるロージー。
ロージーから身を引こうと決心しつつもチャールズの、彼女に対する愛は変わらな。ふたりは寒波のふきすさぶなか、村の通りを通り抜けてさっていくのだった・・・。

・・・・そんな話である。

この『北のカナリアたち』もあたらずとも遠からず・・お話である。
というか、原作をしらないのでなんともいえないのだが、すくなくとも映画の構成ではこの『ライアンの娘』のシチュエーションをトレースしようとしているのは見て取れる。
そこらに点在する『ライアンの娘』レイアウトににやにやしながら見ることが出来た。

・・・・で、この『北のカナリアたち』という映画だが、感動するような話ではあるのだが、ちょっと作り方があからさまというか、もうちょっと物語りになじませて語られてもよかったのでは??と思った。とにかくエピソードを物語の中になじませるというプロセスがかなり甘いので、あまりにも都合よく展開しすぎるのである。
ま、根本的に泣きをとれる話なので、よっぽどハズレな演出をしない限りはそこそこみられる話になる映画ではあるが、イベントとストーリーラインをもうすこし自然になじませて作って欲しかったかな。
演出もシチュエーションをかえてるだけで、ずっと立ち芝居がおおい。もうすこし日常の動きのなかでその台詞をしゃべらせられなかったものか・・・と思う。演出的にはかなりベタなのだが、なんとか木村大作のカメラでもたせてるぞ・・という感じだった。

<あらすじ>
東京で図書館の司書として働くを川島はる(吉永小百合)のもとを刑事がたずねてくる。ある殺人事件の容疑者である鈴木信人(森山未來)の部屋を家宅捜査すると、はるの住所をかいたメモがでてきたというのだ。20年前はるが北海道のある離れ小島に赴任した時の生徒の一人が鈴木信人だった。
はるが教えた生徒は6人。そのなかの信人が本当に人を殺したのか? なぜ自分の住所をしっていたのか? もしかしたら・・??? 数年前にその生徒の一人からもらった手紙を頼りに、再び北海道にもどったはるは、かつての子供たちを訪ねていく・・・。

公開日2日目・日曜日のレイトショー、大泉のOZで見たのですが、750人は入ろうかという劇場にたった6人。とってもおちついて見ることが出来ました(苦笑)。たった6人のために上映してくださった劇場のスタッフのみなさん、ご苦労さまでした。安心して泣かせていただきました。
これから映画のみるのは日曜日の最終レイトショーにかぎるな・・・。レイトショーなので1200円でみられたし・・・。

カメラは天下の木村大作なれど・・・もうちょっとかな。
いつものダイナミックな望遠で撮って欲しかったのだが・・・・。

by ssm2438 | 2012-12-08 22:07 | 木村大作(1939)


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