西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2013年 01月 05日

ザ・オーディション(1984) ☆☆☆☆

f0009381_1113110.jpg監督:新城卓
脚本:中岡京平/川村俊明
撮影:栃沢正夫
音楽:馬飼野康二

出演:
世良公則 (北森修平)
浜田範子 (小早川範子)
鈴木幸恵 (三枝幸恵)
岩間さおり (風間沙織)
板谷裕三子  (兵藤裕三子)
志穂美悦子 (七瀬玲子)
平田満 (間宮秀丸)
中尾彬 (矢島)
池部良 (伍代章造)

     ×   ×   ×

健全な80年代ここに在り!!

80年代のアイドルグループ、セイント・フォーを主演にすえた青春サクセス芸能界モノ。久々にみましたこの映画、泣けますね~~~~。こてこてのセオリーどおりなんですけど、王道の素晴らしさを真正面からぶっつけてきますね。そして、あれだけ良い素材4人(浜田載子岩間さおり鈴木幸恵板谷裕三子 )のユニットを組みながらヒットさせられなかったプロデュースのへぼさ・・・。なぜ、この4人がメジャーになりきれなかったのか不思議で仕方がなかった。
当時この映画のプレビューが流れてる時は、もうときめいてときめいて、「日本にも健全さサクセスストーリーができたぞ、絶対見に行く!!」って思わせてくれた作品。で行きました。最後のもって行き方はもっと盛り上げれらたと思うのだけど・・・、これでも充分感動できた。
みてみるとキャラクターの書き分けもすばらしい。4人のなかでは一番ビジュアル的にうけなさそうな板谷裕三子の使い方が上手かった。それぞれのなかのドラマもけっこう味付けがバランスよく分散しててよかった。適役となるライバルプロデューサーの妾の娘役が範子・・というのもいい刺激剤。この関係が物語をやや複雑なものにしていて、途中解散してからの展開はどうなるのか見ているほうが心配してしまった。ただ・・・、あんまり気持ちよい方向には流れなかったので、あそこをもうちょっとなんとかしてほしかったかな・・・。
しかし、大筋では基本構成がすばらしく誰がとっても燃える話になってた、。・・・なのに、最後の「アンコール、アンコール」の大合唱のあと一気に「不思議東京シンデレラ」に行けばよかったのに・・・、どうせ新人賞の大会はジャックしちゃったようなものなのだから。あそこで次元変えられるのがちょっと悲しかったかな・・・。

で、観ているとスーパーヒットに繋がらなかったのもなんとなく判る気がする。まともすぎた。健全すぎて時代がスルーしてしまったのかもしれない。ダンスというより体操が出来るユニットで、当時はあれだけ動きながら生歌があたりまえの時代。浜田範子はかわいかったし、岩間沙織もすてがたい魅力があった。みなさんパーツ的にはどこか不細工なところがあるのですが、それでも4人が一緒にいると輝いちゃうんだ。この映画もかなりのお金をかけてプロモーションしたのだろう。あの映画のころのセイント・フォーはよかったねえ。写真集は2冊しかなかったような・・・。一冊は今ももってます『抱きしめてセイントフォー』、もうひとつはCDがついてるような写真集で写真のページが薄かった。買いましたよ。ただ、そのつくりが今ひとつ中途半端で、そんな作りするんじゃなくて、もうちょっとひとりひとりの綺麗な時代をもっときちんと写真集のなかに入れ込んで欲しかったなあ・・・。
なのにブレイクしなかった・・・。そして、解散。浜田範子と岩間さおりはヌードの写真集をだすことになった・・・。芸能界が売れなかった怨念を彼女達にむけてリベンジしてるようで哀しくなった。

<あらすじ>
かつて芸能界を席捲したロックグループ“レイカース"のリーダー・北森修平(世良公則)。しかし、スキャンダルに巻き込まれテ失墜、サンライズ・プロの社長伍代章造(池部良)に拾われてマネージャーとしてタレントのタマゴ祐三子(板谷裕三子)を売り出そうと懸命だった。しかしそんな伍代ともつまらないことからケンカをし会社をやめてしまう。
プータローとなった北森だが、彼を慕っていた祐三子も会社を辞め、2人だけで再出発することになる。原宿で踊っていた範子(浜田範子)をみつけたのをきっかけに、分かれた妻の友人の女性レーサーの妹・風間沙織(岩間さおり)、三枝幸恵(鈴木幸恵)を発掘、4人で新たなレイカーズを結成する。
自費でだしたレコードは2000枚。これだけではどうにもならない。北森は4人を音楽番組のオーディションへ参加させる。しかし、音楽業界を支配する矢島オフィスの社長、矢島(中尾彬)の防害はつづく。ある日、のり子の妹が彼女を訪ねてくる。母が死んだのだ。実はのり子の母は矢島の愛人だった。憎しみを矢島にぶつけるのり子。
ある新人発掘番組のオーディションをめざして死に物狂いで自分達の歌を仕上げていく4人。目には目をと審査員に裏金を配る北森だが、それでも矢島のほうが一枚上手だった。結果、優勝は別の新人にもっていかれる。矢島になんくせつける北森だが、ボディーガードにぼこぼこにされる。
さらに沙織の姉がサーキット場で事故死。憔悴の沙織は田舎に帰ってしまう。どうしてもスターになりたいのり子は幸恵と一緒ならという条件で矢島オフィスに引きとられ、コンビでデビューすることになる。祐三子はサンライズライズ・プロに出戻り。北森は行方知れず。
大晦日の新人賞めざす新人賞レースは矢島の推す森あかねが一歩リードしていたが、のり子と幸恵のファニーズも人気がでてくる。しかしそのころヒットチャートでは奇妙な現象がおきていた。たった2000枚しか出されなかったレイカーズのデビュー曲がラジオ番組などではトップテンにはいってきていた。
そして迎えた大晦日、新人賞の発表の日。ファニーズとしてはもう歌えないというのり子は、デビューまでのプロセスを涙を流しながら訴え、会場にきていた沙織と、おなじ新人歌手としてその場にいた祐三子をステージに呼び、レイカースとしてここで歌いたいと申し出た。ファニーズとして歌えないのならと一旦は会場から下ろされる人だが、観客のレイカース・コールが会場にとどろきわたった。
矢島の圧力もあったが、番組プロデューサーの決断でステージにあげられた4人はレイカーズとして歌った。

正直なところ、オーディションで優勝できなかったあと、みんながばらばらになり、なおかつ、のり子が矢島のもとにいく流れがみていてあまりに気持ちよくないのである。ちょっとそれまでのメンタルではそうなりそうにない展開なのに・・・と心が違和感を覚え、あそこでかなり冷めてしまうのだ。あそこをもう少し嫌悪感を感じないくらいのエピソードにできなかったものか・・と思う。
物語では、北森と離婚した玲子(志穂美悦子)が再びひっつく話も平行して描かれ、最後は路頭にまよっていた北森が、巷でながれているレイカーズの歌を聞いてるうちに思い出の場所にいきつき玲子と再会というハッピーエンドになっている。

素材がよかっただけに、その後の芸能活動をみると、プロデュースサイドがもうちょっとなんとかできなかったものか・・と残念におもってしまう。

by ssm2438 | 2013-01-05 11:20


<< 女殺油地獄(1992) ☆☆      忍びの者(1962) ☆☆ >>