西澤 晋 の 映画日記

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2013年 05月 13日

妹(1974) ☆☆

f0009381_1719997.jpg監督:藤田敏八
脚本:内田栄一
撮影:萩原憲治
音楽:木田高介

出演:
秋吉久美子 (小島ねり)
林隆三 (小島秋夫)
吉田由貴子 (和田いづみ)
ひし美ゆり子 (女子大生)

    ×     ×     ×

ひし美ゆり子が出てると、うちらの世代はそれだけでときめいてしまうなあ。

『神田川』『赤ちょうちん』、そしてこの『妹』南こうせつのヒットソング(四畳半シリーズ)をモチーフにした映画。『神田川』が東宝がつくり、『赤ちょうちん』と『妹』を日活が作ったもの。
ストーリー的には一番『神田川』が歌のイメージにちかかったようなきがするが、南こうせつは主演の草刈正夫がちがったみたい。あと物語自体にひっかかりが乏しかったかな。ビジュアル重視で丁寧に撮ってるけど、物語にはほとんど物語がなく、なんだかなあという感じ。
日活で作られた二本は秋吉久美子をヒロインにして作ったのだが、本来の歌詞のイメージとはかなりはなれたものになったてたような気がする。それでも70年代の四畳半生活(ぱっとみ六畳はありそうだが)のテイストとかは良く分かる。
いわゆる「しらけ世代」(私より10歳±5歳くらい上の世代かな?)と言われてた時代の若者感。あんまりその言葉がピンとこなかったのだが、この一連の映画をみているとなんとなく理解出来た。その前までは学生運動と大学紛争がふきあれてた時代は、「俺たちの世代で社会をかえるんだ!」みたいな空回りのエナジーがあったのだが、時代がそんな風情ではなくなり、学生運動ができなくなった四畳半に住んでた若者たちがただ日々をだらだら生きてる感じ。個人的には肯定する要素がないので好きになれない映画群ではある。

しかし、それはさておきこの『妹』、以外に面白かった。先にみた『赤ちょうちん』がぜんぜん受け付けなかったのでどうなることかと思ったが、こちらは意外な話でちょっとびっくり。
普通「妹」ってタイトルとつけると兄妹なんだけど、どこか近親相姦に転びそうなあぶなっかしさがあり、「家族」と「男女」の間でいったきたりな雰囲気を想像するが、この話は殺人事件が絡んでたりする。同棲してた秋吉久美子がケンカになったすえ、相手の男をがけから突き落としてしまった・・というエピソードが映画の始まりの前にあり、ふらっと家にもどってきたというのが映画の始まり。しかし、秋吉久美子の天真爛漫な態度にそんなことがあったなどとは想像も出来ない兄貴のほうは、おまえなんで帰ってきたんだ???って不可思議な状態なれど、それはそれで居心地が悪いわけではなくしばし妹との同棲生活(エッチがあるわけではない)を楽しむという感じ。
食い合わせは良くないが・・・なんとなく重くならず、チープにもならず、微妙なラインで推移したストーリーラインでした(苦笑)。
ただ、・・・おそらく南こうせつも思ってたでしょうが、普通に作って欲しかったんじゃないかな・・・。


<あらすじ>
物語は高田馬場の東西線のホームから始まる。今から40年もまえだからどこかでみた風景だなあって思ったらそうでした。やたらと新聞紙がホームにちらかってる場末の感じが実に当時の映画的でよいです。地下鉄の駅の構内には「頭上注意」の張り紙があり、なんとコンクリートの天井がぼろぼろぼろおおおと落ちてくる。そんな時代あったのかよ・・とちょっとびっくり出した。

高田馬場から早稲田通りを早稲田のほうに歩いて行く小島ねり(秋吉久美子)。実家は毎日食堂をいう学生相手の食堂だったが、父が死に、母が死んだあとは店の中も物置のようになっていて、兄の秋夫(林隆三)は食堂の小型トラックで、学生相手のモグリの引越し屋をやってなんとか生活していた。
ねりは和田耕三という男と鎌倉で同棲していたのだがどうやらケンカして出てきたらしい。翌朝、耕三の妹のいづみも訪ねて来た。耕三も帰ってこないという。
とりあえずいづみを返した秋夫とねりの二人の生活がはじまった。耕三がいなくなったことで相手の兄弟たちもばたばたしている。耕三の失踪のなぞを聞き出そうとねりを呼び出して家族会議をひらいたりしてる。いろいろ居心地のわく感じたねりは、てんぷら屋をやっている叔母の店を手伝うと言って秋夫の元を去った。叔母の娘、つまり従姉妹の岩上みどり(片桐夕子)はトルコ風呂(いまでいうソープランド)で働いていたが腱鞘炎になり実家にもどってきていた。ぶっきらぼうなみどりにねりは心を開き、口論のすえ耕三をがけからつきおとしてしまったことを告白(ここでやっとこさ、どづやらほんとに耕三を殺し手しまったらしいことが分かってくる。でも、秋吉久美子のキャラクターなのか、それでもどこまで本気なのかわかりづらい)。
何も知らない秋夫は貯金をはたいて花嫁衣裳を買い、「これをもって鎌倉のお前たちのアパートで耕三の帰りを待ちなさい」と優しく言う。翌日ねりに花嫁衣裳の打ち掛けを着せ記念撮影。耕三と同棲していたアパートに送り届ける。
そして数日後、「耕三さんは死んでるかもしれないけど、今度三輪車にのっておくれないで追っ駈けて行きます」という遺書を残してねりは消えた。

もうすこし整理してつくれば良くなったのに・・・。耕三の兄弟で長男にあたる伊丹十三が突然林隆三に迫り、それを妻にみられて・・みたいなくだりはいらんだろう。その後伊丹十三の一家が自殺して葬式になるのだがそれでも耕三は来ない? ほんとにいなくなってしまったのか??みたいな展開なのだが、あそこで同性愛者であることを妻に知られてしまったってことが一家心中にするしなけれいけなかったのか?? 葬式というシチュエーションが欲しいなら、他の展開もあっただろうに・・・悪ふざけが過ぎるきがした。

ちなみにひし美ゆり子が女子大生の役で出ており、林隆三に引越しを手伝ってもらったあとでエッチにいたる流れがある。ごちそうさまでした・・。

by ssm2438 | 2013-05-13 17:19


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