西澤 晋 の 映画日記

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2013年 10月 01日

踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003) ☆☆

f0009381_021649.jpg監督:本広克行
脚本:君塚良一
撮影:藤石修
音楽:松本晃彦

出演:
織田裕二 (青島俊作)
柳葉敏郎 (室井慎次)
深津絵里 (恩田すみれ)
水野美紀 (柏木雪乃)
ユースケ・サンタマリア (真下正義)
いかりや長介 (和久平八郎)
小西真奈美 (江戸りつ子)
真矢みき (沖田仁美)

     ×   ×   ×

普通にたのしい映画だった・・・。
ただ・・・ちょっと作り方が雑になってきてるかな・・・。

君塚良一脚本で一世を風靡した『踊る大捜査線』の劇場2作目。楽しさは前回同様元気いっぱいでした。基本構成も、「《現場》の勝利」がわかりやすく導かれており判りやすい映画でした。ただ・・・、部分部分ではそれなりに面白いんだけど、トータルパッケージでみたとき、もう少し意思統一がとれててもよかったのでは??って思うことがけっこうあったかな。おそらくシナリオの第一稿ではある程度本線がしっかりしていたのが、ああだこうだと部分部分をいじくっているうちに部分だけの楽しさになってしまい、どっか本線がぶれてしまったのでは??思ったな。

・・・でも、そうはいっても楽しい映画でした。

冒頭お台場に停泊してる豪華客船がテロリストにのっとられます。んが、どうもその犯人はひ弱。こんな連中ほんとにテロリストなんか??って思ってみてると、どうやらそれはSATと強襲訓練で豪華客船をのっとったテロリストグループおよび、その乗客は湾岸署の署員たち。ほとんどお祭り気分の署員たちをとりおさえるべくSATが突入するが、青島刑事のお茶らけた対応策のもとに次々に拿捕されていくSATのメンバーたち・・・、ついには隊長さんまであえなく拿捕され「パン」と一言・・、警視庁の威信をかけた公開SAT突入訓練はテロリストの勝利となり、死亡札を首からさげて下船することになったSAT隊長、そのあとに「すいません、勝っちゃいました」・・・と申し訳なさそうにおりてくる青島刑事他湾岸署のめんつ・・・。
そんなつかみで始まるこの映画・・・、冒頭からけっこう楽しそうでした。
本物のSATがみたら「こんなことあるか!」って怒り出しそうですがそこはそれ、映画だから・・(苦笑)。

で、本編スタート。
湾岸署管内で会社役員の連続殺人事件が起きる。
単発の事件なら所轄の範疇になるのだけど広域事件や連続殺人事件のように社会的影響力が強いと思われた事件は特別捜査本部がたち、その管内の警察署(今回の場合は湾岸署)におかれる。警視庁から管理官が派遣されその管理官の指揮のもと警視庁からの捜査員と所轄の捜査員とが合同で捜査が開始される。
以前の刑事どらまでは、たとえば七曲署の刑事たちが捜査し、犯人をあげるという小さなグループのなかでの刑事ドラマだったのだが、この『踊る大走査線』からは(もっともそれ以前に本庁と所轄が合同で捜査するというスタイルをきちんと再現したドラマや映画はあったと思うが)このスタイルがしっかり描かれるようになってきた。
ただ、この映画のように所轄の刑事たちがそこまでないがしろにされてるかどうかは・・・???
ま、物語的なデフォルメがあるのだろうが、このドラマに関してはかなり誇張しているのだろう。

で、いきなり出てきたホンテン(所轄にたいして警視庁のことを「ホンテン」と言うらしい)からの管理官。今回は女性管理官沖田女史。君塚脚本は強引にこのキャラに所轄のないがしろ行為を断行させていく。

「事件は現場でおきてるんじゃないの、会議室でおきてるの」

おい、言葉だけだったんだけど・・・・。
もうちょっと説得力あるなにか見せ方なかったんですか? あるいは、第一稿の時はあったのだけど、知らぬ間にけずられちゃったんですか???
キャッチな言葉はあれど、その言葉がまるでスッカラカンだったのがこの映画。だからといって面白くないわけではない。ま、これは宣伝のためにむりやりあとからつけられた言葉だったのかなって気がする。

この言葉に代表されるように、その場のムードで演出された言葉や芝居は楽しいのだけど、どこか本線とかみ合ってない部分がやたらとみられるのがこの映画・・・。
所轄の青島はお台場に出没する噛み付き魔をおってたり、すみれさんは家族ぐるみでスリやってる家族をおってたりするが、今回の事件に借り出されて、目の前にその犯人がいるにもかかわらず、本部からの命令でとりのがしてしまう。
のちに「目の前に犯人がいたのに取り逃がしたのか」と怒られる青島。
「我々が動くなと命じたのだ」と弁明する室井管理官。
しかし今回の嫌われ者沖田管理官に所轄の事件なんかどうでもいいのよと暴言をはかれる青島。

「事件に大きいも小さいもない」と言うすみれさん。

・・・え?そうなの? 言葉としてはかっこいいのである。ただ・・・その言葉、言葉だけかっこいいだけなのでは??? 所轄=庶民の代表というコンセプトはこの物語の根源だけど、事件には大きいものと小さいものがあると思うな。社会的影響力がある事件は優先されるべきだと思う。
こういうのがかなり目立つのです。
その場の雰囲気優先でシナリオが部分部分改変されてるな・・・って思うところが。あるいは宣伝の都合で無理やり差し込まれただけのキャッチーな言葉・・・とか。

最後はレインボーブリッジ封鎖してるんだけど・・・、え、どこで誰が封鎖したの???
あれ、強引に大号令どこかで誰かにかけてほしかったなあ。

いろいろ楽しい映画でしたが・・・なんか雑な感じが否めなかったなあ。
いい脚本って一事が万事で、すべてをこうちくしてるからその言葉がでてくるものなのです。なのに、その部分だけど上層部が「ここ都合により変えて」って言われると、本来は基本コンセプト全部を変えないと成立しないはずなのです。でも、それをしないまま、その部分だけを改変していった結果がこういう映画になちゃったんだろうな・・・。
楽しいけど・・・どこかご都合主義的な気がする映画でした・・・。

by ssm2438 | 2013-10-01 00:18


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