西澤 晋 の 映画日記

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2013年 10月 02日

絆 -きずな-(1998) ☆☆

f0009381_0442168.jpg監督:根岸吉太郎
脚本:荒井晴彦
撮影:丸池納
音楽:朝川朋之

出演:
役所広司 (伊勢孝昭・芳賀哲郎)
渡辺謙 (佐古章生)
麻生祐未 (布田今日子)
川井郁子 (馬渕薫)

     ×   ×   ×

やっぱり『足長おじさん』ってのはスタンダードなんだなと思った。。。

ヤクザモノの『足長おじさん』といえば誰もが知ってる『冬の華』だろう。こちらは降旗康男監督で高倉健主演。ヒロインは池上季実子でした。今回のは『遠雷』根岸吉太郎監督で主演が役所広司
我々の世代からするとどうしても健さんでやったほうがいいじゃね?と思うのだが、ま、監督がなにをとっても退屈な根岸吉太郎なので役所広司でもありかなって気がした。

根岸吉太郎さんの作品というのは、実に何を撮ってもたいくつなのである。ところが、まあ我々の世代ともなると彼の退屈さが決してイヤではなく、たいくつなんだけどついつい見てるとそれなりに感情移入している自分がいるのに気づく。この人の特徴は「主人公を凡人化させる」演出なのだ。根岸さんが監督をやると、主人公がヒロイックにカッコつけないのである。黒澤明みたいに象徴的に主人公を描くことはない。きっとテレやさんのなのだろう。虚栄心というのをかなり嫌っている人だと思う。それが判るので私はこの人を嫌いにはなれないのである。
そういった監督さんであるから役所広司ってのはけっこうありだったする。役所広司ってのは二枚目だけど顔がでかくてどっかバランスが悪い。暑苦しそうな顔なのだけど実は草食系なテイストでナイーブなのだ。男くささはあまりもとめられないが、普通さがいい役者さんという印象。なので役所広司は根岸吉太郎とはけっこう愛称がいいのだろうなと思う。

今回の足長おじさんはこの役所広司。
哲郎が子供の頃両親が離婚した。哲郎は母親についていったがその母親が再婚して薫という妹ができた。それが今回のヒロイン。新しい家庭は実に幸せだった。しかし昔の父親が現れ母に借金の保証人になることをせまりその結果、幸せだった家庭は崩壊した。父は病死し、母は自殺、兄妹は施設に預けられた。その後妹は音楽の才能を見出されある音楽教授の養子となって施設を去った。そして今は成人し、バイオリニストとして時の人となり、さらにある財閥の御曹司と結婚がきまっている。
一方哲郎は、施設のお友達をかばうような形で殺人を犯し少年院におくられた。出てきた彼はヤクザになりに東京に出てきた。そして10年前、金融業だった実の父親を射殺した。その事件はお蔵入りになりかけていた。

そして現在・・・。
そのとき使われた拳銃で再びある芸能記者が殺される事件が起きた。その芸能記者は薫の過去を暴こうとしていた。警察は哲郎を追った。しかしその真相は・・・。

個人的にはこの話は松本清張テイストでやってほしかったかな。
主人公を足長おじさんにするよりも、その事件をおってる刑事(今回は渡辺謙)にして、実はこの殺人事件のうらにはこんな話があったのですよ・・ってことがだんだんと暴かれていくほうが良かったのに・・・。

自分はお前の兄ちゃんだよと言いたくてもいえない。
エレベーターで合ってもどきまぎして言い出せない。
コンサートのアンコールでバイオリニストになった妹が兄を思って弾いたのは子供の頃兄がリコーダーで吹いてたいたあの曲・・・。
泣けそうになるシーンはけっこうある。

ただ・・・やっぱり役所広司にはヤクザは似合わない。
凡人化演出の根岸さんとは相性良くても、ヤクザという役どころととは相性わるい役所広司であった・・・。

by ssm2438 | 2013-10-02 00:44


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