西澤 晋 の 映画日記

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2009年 07月 07日

迷宮のレンブラント(1997) ☆☆☆☆

f0009381_081077.jpg監督:ジョン・バダム
脚本:ジョーダン・カッツ
撮影:デニス・クロッサン
音楽:ジョン・オットマン

出演:ジェイソン・パトリック
    イレーヌ・ジャコブ
    ロッド・スタイガー

     ×     ×     ×

前回に引き続いて敷き居の低いおもしろ映画シリーズの第2弾! 今回は職人監督ジョン・バダム『迷宮のレンブラント』。 ジョン・バダムといえば知る人ぞ知るスーパー職人監督、とにかくプロフェッショナルなネタ、専門分野のネタをとっても分かりやすく、なおかつ観ている物に楽しめるように作る事にかけてはほんと天才。必要以上に重くなく、見易い程度にシリアスに、楽しく、面 白く、いろんなネタを映画にしてしまいます。 今回は絵画の雁作画家の話。

ジェイソン・パトリック演じるハリ-は親子ニ代の雁作画家であるが、彼の父(ロッドスタイガー)はもう歳でおいさきながくなさそう、そんな彼は息子のハリ-を雁作の世界にひきこんでしまったこと・・・。しかし息子のハリ-はその世界では超一流の画家としてその才能を発揮していた。そんなある日、報酬50万ドルでレンブラントを描かないか?とのオファーが入る。
始めて組む相手、それもレンブラント。ハリーは足が付きやすい巨匠の絵は避けていたのだ。が、オヤジに楽をさせたいと思う一念もありその法外な報酬も魅力的、受ける事にした。 アムステルダムにとんだハリーはレンブラントの過去の作品群を調べはじめる。記録に残っているが、今は紛失したといわれる作品はないか?調べてる間に美術鑑定士のマリエケ(イレーヌ・ジャコブ)となりゆきで“H”なんかもしてしまう。つかわれてない屋根裏のアトリエを借り、部屋を掃除し、 レンブラントの時代につかわれていた絵の具の暢達。鉛のホワイトがない、鉛の金属像をあつめてそれを酸化させ、そこからホワイトのインクをつくり出す。 カンバスには、父の写真。目だけは父の瞳を描き込むことにした。 描く描く描く!! もうここの描写 は迫力あって気持ちいいんだ。 画家魂がもえる瞬間。
私事ではあるが、アニメーターもやっぱりすでにあるものを描くのが仕事、 そのすでにある物をどう描いたら本物っぽくみせられるか、それが総べて。 どっかねえ、共感するものがあるんですね。

※このあとはサスペンスものの流れになっていきます。
出来上がったレンブラントの絵、署名ナシ。 そして依頼人が集めた鑑定士たちはそれをレンブラントだと言い切った。しかし、それはレンブラント過ぎた。 依頼人たちは、それをアジアの富豪に売り付けようとしていたのだが、あまりにレンブラントだったために、オークションにかけてもっと法外な値段で売ってしまおうと画策しはじめる。そしてアムステルダム、レンブラント専門の鑑定士数人のまえに出されたその絵、彼等も言い切った、ただひとり、マリエケを除いては。「この絵は、レンブラントにしては洗練されすぎている・・・」。
彼等が帰ったあと、「ただ1人でも見破る物がいる以上表にはだせない」と言うハリーはその絵を売らないことにするが、すでに依頼人たちの間ではオークションへ出典する流れができている。こじれあう依頼人とハリ-、銃を持ち出して脅迫する依頼人たちからドタバタの末絵をとりもどし逃げ出したハリ-、一方依頼人たちは、いざこざから1人が殺されてしまう。バーで飲んでいると、警察がハリ-の所にやってきて「殺人容疑で逮捕する」といいい手錠をかけるがなんとか逃げ出すハリ-。途中であの鑑定士マリエケとばったりあい、彼女に手錠をかけふたりの逃亡劇が始る。
いろいろあって、その間に二人もけっこう仲良くなったりするわけですが、 結局の所、つかまってしまうハリ-、 裁判になり「その絵は自分が描いた物だから盗みではない」と主張するが、 裁判所が用意した鑑定人たちは、その絵はレンブラントのものだと主張する。 残された手段はたたひとつ、 法廷でハリ-が自らその絵をもう一度描き上げるしかない。 関係者一同が見つめるなか、法廷に用意されたカンバス、それに向かってハリ-が筆をとる。 さて結末は・・・・。

個人的にはサスペンスものの流れなんかどうでもいいんで、 もっと、もっと絵をかくところを見せてほしいとおもいましたね。 とにかく前半1/3のレンブラントを描き上げるところのノリが素晴らしい。 そこだけでもこの映画の見る価値があります。 トータルしたらうむむ~~~、[☆☆☆/5点満点]くらいの映画だとはおもうんですけど、 その前半の絵を描くシーンの燃えるノリで、ついつい自分にとって忘れられない一作になってしまった『迷宮のレンブラント』でした。

by ssm2438 | 2009-07-07 01:10 | ジョン・バダム(1939)


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