主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。


by ssm2438

カテゴリ:黒澤 明(1910)( 17 )

赤ひげ(1965) ☆☆☆☆☆

f0009381_6271015.jpg監督:黒澤明
脚本:井手雅人
    小国英雄
    菊島隆三
    黒澤明
撮影:中井朝一
    斎藤孝雄
美術:村木与四郎
音楽:佐藤勝

出演:三船敏郎
    加山雄三

        *        *        *

黒澤明の映画というのはきわめて記号主義的映画である。そこに登場する人物というのは何かを象徴する記号でしかない。強い人はこのように描く。臆病な人はこのように描く。悔しい時にはこのように描く・・など、すべてが記号として処理さている。これは図式的に分り易いという利点もあるが、所詮は記号なので感情移入ができなくなる。なので出来上がって映画で本当に感動するということはない。素直な人は即効で「つまらない」と言えるだろうが、人間大人になってくると心ではなく頭でものを考えだす生き物であり、ほとんどの人は頭の中では、“ここは感動すべきところなのかな”と考え、感動したのだと自己暗示をかけることになる。特に自分に自信がない人は「黒澤映画はすばらしい」と世間が評せば、“そうなのかな・・”って思えるかもしれないが、実際誰もが心のなかでは「つなんないなあ~」って感じているのだ。
とりあえず、黒澤映画を見るときは、そのことを前提にして見ていこう。

そういうわけで、心の目でみるとつまんない黒澤映画であるが、さすがに様式美の引き出しとしてみると実にバラエティに富んでいて勉強になる。この映画もオムニバス形式の話なのでストーリーもの映画として面白いかといえば面白くはない。・・が、記号的な芝居づけと、画面構成は素晴らしい。とくにダイナミックな望遠画面は<強い絵>を具現化している。世間には<上手い絵>とか<繊細な絵>とかいろいろあるが<強い絵>というのが『赤ひげ』にもっとも適した表現だと思う。特におとよと佐八の階段での別れのシーンは日本映画史上にのこる名シーンだろう。
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by ssm2438 | 2011-06-16 06:27 | 黒澤 明(1910)

まあだだよ(1993) ☆☆

f0009381_0273438.jpg監督:黒澤明
脚本:黒澤明
撮影:斎藤孝雄/上田正治
音楽:池辺晋一郎

出演:
松村達雄 (内田百けん)
香川京子 (奥さん)
井川比佐志 (高山)
所ジョージ (甘木)

       *        *        *

おおおおおお、その鍋をやってるときの怒涛の望遠は燃える!!

香川京子さん、好きです。なかでも成瀬巳喜男『おかあさん』のなかでの香川京子さん、大好きです。黒澤作品でもきれいどころのヒロインでなんどか使われてましたが、最後も香川さんできましたか。

作品自体は・・・とりあえず、これを見たときはそれほど面白いと思わなかった。もしかしてあと30年くらい生きたらこの映画が良く見えるかもしれない・・・とおもわせてくれるところはさりげなくある映画。でも、やっぱりああの望遠だけの映画かもしれない。
・・・でも、黒澤作品のなかでは意外と嫌いではない映画である(苦笑)。いつもはうざいと感じる作為性も、この映画においてはそれほど感じない。たぶん感情移入できない映画というか、その必要がない映画だからなのだろうか。こういうふうに、教え子に慕われる教師というのが、あまり想像できないんだな。なのでどうも、別次元のお話なのだと私の脳は理解したらしい。

でも感情移入できないならもうちょっと短くてもいいのでは?
東芝日曜劇場みたいに50分で作ったらいいのができてたかもしれないのになあ・・。
by ssm2438 | 2010-07-13 00:37 | 黒澤 明(1910)

野良犬(1949) ☆☆☆

f0009381_045444.jpg監督:黒澤明
脚本:黒澤明/菊島隆三
撮影:中井朝一
音楽:早坂文雄

出演:
三船敏郎 (村上刑事)
志村喬 (佐藤刑事)
淡路恵子 (並木ハルミ)

       *        *        *

いいんだけど、嫌い。上手いんだけど、下手。実に黒澤節である。

感情移入したいのに、大げさな作為性がそれを邪魔する映画。いろんな意味でバランスが悪いんだと思うな。アンドリュー・ワイエスタッチで描いたらいい絵になりそうなものを、ゴッホで描いちゃったような映画。良くも悪くもそれが黒澤映画・・・。

こういう演出しなくてもいいのに、そうしてるのが実に鼻につく。こういう演出するんなら他の作品でもいんじゃない? っていうシーンがやたらある。その違和感と、作為性が妙に鼻につく。反対演出効果をやたらと乱用するのがどうも嫌だ。
反対演出効果というのは、たとえばギャグシーンに悲しい音楽を流すと実にしんみりするとか、静かに聴きたい時にやたらと騒音をかぶせるとか、対決シーンで牧歌的な音を流すとか・・。つぼでやればいいのに全部でやるから、うざくなってくる。

ただこのお話、もうちょっと無機質にとったら良い映画になっていたのになあって思う。
なんというか、シーンの演出力はあるのだけど、その妥当性というのがないというか、場違いに乱用しているというか・・、うむむむむむ。やっぱり基本的に黒澤明って映画作りは下手なのだと思う。下手な人が一生懸命下手なりにアピーリングのする演出をこれでもかこれでもかと積み重ねていくから、その素人のいこじさが無骨に見えてしまうのだろうと思う。

でも、この話はいいなあ。ラストの病室のシーンは要らないけど。音楽もうざい。そう、全体的に音楽もけっこううざいんだよねこの映画。
あと遊佐がとまったホテルに書いた偽名が「並木晴夫」ってのが男の切ない憧れをものがたっていたなあ。
この映画、犯人サイドから撮らないからいいんだけど、捜査の過程でもう少し並木ハルミと遊佐の接点をかあぶりだして間接的の妄想させるような作りだったら良かったのに・・・。

<あらすじ>
むせ返るような夏のある日、射撃練習を終えた村上刑事(三船敏郎)は再び弾を装てんして上着のポケットに入れて帰路に着く。しかしその拳銃がバスのなかで何者かにすられてしまう。それからというものは村上刑事はボロボロ服に変相して毎日探し歩いた。その結果、場末の盛り場の貸ピストル屋にたどりつく。
村上刑事はベテランの佐藤(志村喬)と一緒に捜査する。手際よく事件の情報をみきわめていく佐藤は、本多という男に目星をつけ、後楽園の球場にいる彼を逮捕する。しかし村上の拳銃は遊佐新二郎という男に渡っていた。
村上と佐藤両刑事は次々と捜査網を縮めて行った。そして遊佐の憧れの女性ダンサーで幼馴染の並木ハルミ(淡路恵子)をつきとめる。その間にも、村上の拳銃を使った殺人強盗事件が起きる。嵐の夜、佐藤刑事は、村上刑事を並木ハルミの元にのこし、単身遊佐の足取りを追うが、遊佐に撃たれて重傷を追う。自責の念にかられる村上。なんとか佐藤刑事が一命を取り留めた朝、憔悴しきった村上刑事にハルミが遊佐の居場所を教える。
そして最後は、はあはあぜいぜいのあえぎながらも取っ組み合い(『酔いどれ天使』でもやってたような・・)。
by ssm2438 | 2010-07-13 00:06 | 黒澤 明(1910)
f0009381_14123771.jpg監督:黒澤明
脚本:黒澤明/ユーリー・ナギービン
撮影:中井朝一
    ユーリー・ガントマン
    フョードル・ドブロヌラーボフ
音楽:イサーク・シュワルツ

出演:
ユーリー・サローミン (ウラディミール・アルセーニエフ)
マクシム・ムンズク (デルス・ウザーラ)

        *        *        *

カピターあああああああン!

この映画をみるとついついこう叫びたくなる!(笑)

ロシア文学好きの黒澤明がロシアで取った映画。悪くはないんだが・・・、やっぱりいつものように、「良い!」と思わなきゃいけないんだろうなって映画ではある。願わくば日本の撮影スタッフでとって欲しかったかな。ロシアの大地は怒涛の望遠で見たかった。

サバイバルを、きちんとやったんかなって勘違いさせられるくらい具体的に几帳面に映画いてくれている。それに黒澤の脚本でも、やっぱりロシア語に変わると違うのだろう、いつもよりも普通に見られた。ただ、設定的にはやっぱり記号的なのでいつものように見せられるだけの映画ではあるのだけど・・。
自然のなかで水を得た魚のように活動するデルス・ウザーラ(発音的にはデルソウ・ザーラに聞こえる)は実に魅力的だ。しかし、第二部にはいると歳取ると視力も落ちてきて猟銃の狙いも定まらない。かといって文明のなかでは哀れなくらい生きられない男だし・・・。悲しい終劇だった。

ちなみに「カピターン」というのは英語でいう「キャプテン」のことなのだろう。調査隊のチーフの呼び名。

<あらすじ>
1902年の秋。カピターン・アルセーニエフ(Y・サローミン)は地誌調査のためにウスリー地方を訪れる。森の中でカルセーニエフは、毛皮を着た猟師デルス・ウザーラ(マクシム・ムンズク)に出会う。デルズは一行の案内人として同行することになった。彼は天涯狐独ので、家を持たず密林の中で自然と共に暮らしていた。ハンカ湖付近の踏査に出かけた時、迫りくる夕闇と同時に、横なぐりの吹雪が襲ってきた。二人は厳寒に耐えるために草を刈り続けた。アルセーニエフはあまりの寒さと疲労のために気を失ったが、目が覚めると、吹雪がおさまりも、二人はデルスが草で作った野営小屋のおかげで凍死をまぬがれた。
やがて厳しい冬が大地を多い、調査の目的を達したアルセーニエフはウラジオストックに帰ることになる。彼はデルスを自分の家に誘ったがデルスは弾丸を少し貰うと、一行に別れを告げて密林に帰っていった。小さくなる男の影がふりかって叫ぶ「カピターああああああン」。

1907年、再度ウスリー地方に探検したアルセーニエフはデルスと再会した。しかし視力が急速におとろえてきたデルスは猟銃の狙いがさだまらない。猟ができなくなったデルスは既に密林に住むことはできなくなっていた。デルスはアルセーニエフの誘いに応じ都会の彼の家にすむことになった。しかし、自然の摂理にそむいた都会生活は、彼の精神をむしばむばかりだった。たとえそこで生きていけなくとも、彼は自然の中に戻りたいと思った。密林に帰ることになったデルスに、アルセーニエフは最新式の銃を贈った。しかし、デルスは行きずりの強盗にその銃を奪われ、他殺死体として発見されたのだ。
by ssm2438 | 2010-03-04 14:14 | 黒澤 明(1910)

用心棒(1961) ☆☆

f0009381_1284254.jpg監督:黒澤明
脚本:黒澤明、菊島隆三
撮影:宮川一夫
音楽:佐藤勝

出演
三船敏郎 (桑畑三十郎)
仲代達矢 (新田の卯之助)

        *        *        *

この『用心棒』『椿三十郎』とは、おなじ主人公の時代劇コメディ・・。宿場町を支配する2大勢力のヤクザ。そのヤクザが道のあっちとこっちに陣取っている。そのシチュエーション時代がもうコメディ。チャンバラシーンのすばやり立ち回りはわるくないのだが、それ以外のシーンのテンポの悪い演出と、お話自体のコメディ的要素の喰い合わせが非常にわるくて個人的には大嫌い。まだ見てない人は、メジャータイトルなので「面白いきっとおもしろいんだ」って期待するとかたすかしをくらう。「黒澤映画はすごいんだ!」っていう先入観ある人にはいいかもしれないが、そんなものもってない私には全然楽しめなかった。つぎの『椿三十郎』に関してはまだ面白いとおもうが・・。

撮影は珍しく宮川一夫。黒澤映画でははじめてなのでは・・? 当時名前のある撮影監督さんだったことには間違いないが、画面を作る思想がふるい。とにかく役者が見えること、何が起こったかわかりやすくはっきり撮ることを重要視しているようで、黒澤映画独特のダイナミズムがあまり感じられなかった。個人的にはミス・キャストだったなあって思ったが、これ以降は使われなかったので、ああ、やっぱりな・・って感じでした。

とにかくシチュエーションがコメディなので、これを真剣に映画化しようとした『荒野の用心棒』とか『ラストマン・スタンディング』とか・・その基本的発想を疑う・・。

<あらすじ>
馬目の宿は縄張りの跡目相続をめぐって二人の親分が対立、互いに用心棒、をかき集めてにらみ合っていた。そこへ桑畑三十郎(三船敏郎)という得体の知れない浪人者がふらりとやって来た。一方の親分馬目の清兵衛のところにやって来た三十郎は用心棒として雇わないかと持ちかけて、もう一方の親分丑寅の子分五、六人をあっという間に斬り捨ててしまった。清兵衛は五十両で三十郎を傭った。しかし女房のおりんは業突張り。半金だけ渡して後で三十郎を殺せと清兵衛をけしかけた。これを知った三十郎はあっさり清兵衛の用心棒を断わり、居酒屋の権爺の店に腰をおつつけ、両方から、高い値で傭いにくるのを待つことにする。
丑寅の弟卯之助(仲代達矢)が帰って来た。短銃を持っており腕も相当だった。三十郎は丑寅方につくことになった。
丑寅は卯之助の知恵で清兵衛の家に火をかけた。清兵衛一味は全部殺された。喧嘩は丑寅の勝利に終った。そこへ三十郎がふらりとやって来た。卯之助が銃を構えるより速く三十郎の手から出刃が飛んだ。そして丑寅達の間を三十郎が駆け抜けると、丑寅達は倒れていた。「おい親爺、これでこの宿場も静かになるぜ」と言って三十郎は去って行った。
by ssm2438 | 2009-12-23 19:01 | 黒澤 明(1910)

椿三十郎(1962) ☆☆

f0009381_521112.jpg監督:黒澤明
脚本:菊島隆三、小国英雄、黒澤明
撮影:小泉福造、斎藤孝雄
音楽:佐藤勝

出演
三船敏郎 (椿三十郎)
仲代達矢 (室戸半兵衛)
加山雄三 (井坂伊織)

        *        *        *

これは楽しい侍コメディ映画だ。『用心棒』の続編に位置するこの映画、前作で外の桑畑をみて「桑畑三十郎」と名乗ったこの侍、今回は庭の椿が目に入り「椿三十郎」と名乗るのだけど、それがそのままタイトルになってしまったとさ。しかし、『用心棒』より面白い。ただ、今の人がこれをみて面白いかどうか・・。

<あらすじ>
志清らかな若者武士九人は、藩の汚職事件を知ってしまい、城代家老睦田にその胸を伝えたのだが、大目付菊井に「まあまあまあまあ」と癒されて追い返されてしまう。しかたなく薄暗い社殿でこれからの対策を検討していると、よれよれの紋付袴の素浪人(三船敏郎)が現れる。その浪人者は、城代家老と大目付こそが黒幕だといって皆を仰天させが、その言葉の通り、社殿は大目付輩下の手の者によって取りまかれていた。その浪人者は、九人を床下へかくし一人でこの急場を救った。
この浪人、庭に椿の花が咲いているのをみて自らを「椿三十郎」と名乗った。

最後は三十郎と悪徳家老の片腕、室戸半兵衛(仲代達矢)との一騎打ち。
おたがい至近距離でにらみ合ったまましばし時間が過ぎるが、一瞬で勝負はきまる。ぶしゅ~~~~~~~~っと血しぶき噴出して倒れる室戸半兵衛。
by ssm2438 | 2009-12-22 04:45 | 黒澤 明(1910)
f0009381_952282.jpg監督:黒澤明
脚本:黒澤明
撮影:伊藤武夫
音楽:服部正

出演:
大河内伝次郎 (弁慶)
藤田進 (富樫)
榎本健一 (強力)

       *        *        *

予算がなかったんだなあ・・・。

終戦間近に撮影され、撮影途中で終戦を迎え、出来上がったものも、GHQの検閲にあい、結局上映されたのはサンフランシスコ条約が締結されてからという映画。後にわかったことだが、この映画の撮影現場にジョン・フォードも見学にきていたとか。

『虎の尾を踏む男達』
といおえばこわもての「どんな映画だろう?」と思うかもしれないが、歌舞伎『勧進帳』を題材に作った、黒澤明初の時代劇。もっとも、『勧進帳』が能の『安宅』を基にしているので、こちらをオリジナルの素材としたほうがいいかもしれないが・・、メジャーな呼び方なら『勧進帳』だろう。

<『勧進帳』のあらすじ>
源頼朝の怒りを買い朝敵とされた源義経一行が、北陸を通って奥州へ逃げる道すがら、安宅の関[石川県小松市]の通過を余儀なくされる。
義経一行は武蔵坊弁慶を先頭に山伏の姿で通り抜けようとする。しかし関守の富樫左衛門の元には既に義経一行が山伏姿であるという情報が届いていた。焼失した東大寺再建のための勧進を行っていると弁慶が言うと、富樫は勧進帳を読んでみるよう命じる。弁慶はたまたま持っていた巻物を勧進帳であるかのように装い、朗々と読み上げる(勧進帳読上げ)。
なおも疑う富樫は山伏の心得や秘密の呪文について問い質(ただ)すが、弁慶は淀みなく答える(山伏問答)。富樫は通行を許すが、部下のひとりが義経に疑いをかけた。弁慶は主君の義経を金剛杖で叩き、疑いを晴らす。危機を脱出した一行に、富樫は失礼なことをした、と酒を勧め、弁慶は舞を披露する(延年の舞)。踊りながら義経らを逃がし、弁慶は富樫に目礼し後を急ぎ追いかける(飛び六方)。
--ウィキペディアより抜粋--

そんなオリジナルの話に今回は強力(榎本健一)という荷物を運ぶ下人が追加されている。弁慶以下、ほかの面子が神妙なおももちなのにたいして、このキャラだけがこうるさいハエのように見るものをいらだたせてくれる。

『どですかでん』はとっても面白い!」って言える人(タルコフスキー・アンゲロプロス症候群の人)だけにお勧め。普通にみたらたいくつなだけだろう。私はこの映画を劇場でみたのだが、上映時間が黒澤作品のなかではとびぬけて短かった(59分)ことが不幸中の幸いだった。
by ssm2438 | 2009-09-08 09:07 | 黒澤 明(1910)

乱(1985) ☆

f0009381_17132071.jpg監督:黒澤明
脚本:黒澤明
    小國英雄
    井手雅人
撮影:斎藤孝雄
    上田正治
美術:村木与四郎
    村木忍
音楽:武満徹

出演:仲代達矢
    寺尾聰
    根津甚八
    隆大介
    原田美枝子

        *        *        *

いやああ、つまらん。これってゴールデンラズベリー賞によくならなかったなあ。ぎょうぎょうしいだけの映画。

黒澤の映画って記号論な映画。登場人物はこういう性格の人でこういう芝居をする。もう芝居仕方もメイクの仕方もなにもかにも象徴的で全部記号、・・なので感情移入できないんだよね。そこ役者が芝居してても「ああ悲しい芝居してるのね、じゃあ悲しいのね」って解釈は出来るけど、見てる人がその気になって感情移入ですることはない。そういう象徴的記号をみせられるだ。
なのでこの映画をみてても、まるでこれって映画を撮ってるような映画だなあって感じるところが非常におおかった。合戦のシーンもまるで北朝鮮のマスゲームみたいで、角川春樹『天と地と』と同じくらいつまんない。いや、『天と地と』のほうが面白かったかも。

最近分ってきたのだけど、黒澤明って映画づくり下手な人なんだなあと・・。
自分の中のげろげろしたものを結局出せない人で、実に三島由紀夫みたいな感じ。自分のげろげろがだせないからそれらしものを仰々しく出してる、私はあばいてますよ~~って旗振ってる感じ。でも所詮は八代亜紀のメイクと同じで決して素顔は見せない。化粧としてなら怖い顔も、おびえた顔もかけるけど、本との顔は決して出さない。
だからなにとっても面白くないんだと思う。
by ssm2438 | 2009-07-14 16:59 | 黒澤 明(1910)

どですかでん(1970) ☆

f0009381_6472667.jpg監督:黒澤明
原作:山本周五郎
脚本:黒澤明
    小国英雄
    橋本忍
撮影:斎藤孝雄
    福沢康道
美術:村木与四郎
    村木忍
音楽:武満徹

出演:頭師佳孝

        *        *        *

いやあ、つまらん。本気でつまらん。
こんな映画を面白いというやからはよっぽど自分の感性に自信がない人間だ。

もし無人島に行くとして、映画を一本もって行っていいとき、この映画とほかになんでもいいや、もう一本くらべてどっちを持っていきますかといったらかならず別の一本を選ぶはず。

これは、自信を持って嫌いなものは嫌いだといえる能力があるかどうかを測るリトマス試験紙。
by ssm2438 | 2009-07-14 06:35 | 黒澤 明(1910)

七人の侍(1954) ☆☆☆☆

f0009381_23503818.jpg監督:黒澤明
脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄
撮影:中井朝一
音楽:早坂文雄

出演:
志村喬 (勘兵衛)
三船敏郎 (菊千代)
千秋実 (平八)
宮口精二 (久蔵)

        *        *        *

長い! それも長く感じた。 いろいろ詰め込みすぎ。 若侍と農民の娘の恋愛事までいれちゃうし・・、もうちょっと内容省略して2時間半くらいまでにしてほしいなあ。一シーン、一シーンきっちり撮っているけど、だからこそモタっとした感じがするし・・、もうちょっとさらりと流すこところは流して見やすくしてほしいものだ。
それでも、黒澤映画のなかでは見られるほうだな。ダイナミズムは文句なし!

最後の戦闘シーンでは、地面に何本も刀をさしておいて、一人きったら新しい刀を使うあれ・・リアルなところをつくなあ。日本刀って、人を一人か二人きったらもう血のり刃こぼれと脂で使い物にならなくなる。なのでああやって何本も刀を用意しとかないといけない。この「刀は2人までしか斬れない」の法則をきちんと描いたのは貴重。
その昔近藤正臣主演で『斬り抜ける』というTVドラマがあったが、あれもこの「刀は2人までしか斬れない」の法則をきちんと採用してて、敵が4人のときは2人まで刀で斬るとして、あとの2人はどう片付ける・・?というような展開をいつもしていた。竹やぶのなかで戦うと、相手と一緒に竹も鋭角的にばっさり斬って、そこに残りの敵を押し倒して串刺しにするとか・・。

しかし、この映画の三船敏郎はじつにかっこいい。最初はなんだか役立たずの侍もどきだとおもっていたが、いざ戦いになるともっとも頼れる男であることがわかる。村人とは心情的に距離感があるほかの侍たちと違って三船敏郎演じる菊千代は村人たちにもとけこみ、戦闘時でも、果敢に実行力と具体性を発揮する。
あと宮口精二演じるストイック・久蔵も素敵。

<あらすじ>
麦の刈入れが終わる頃、農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人をスカウトし、野武士に対抗すべく立ち上がる
by ssm2438 | 2009-06-21 23:09 | 黒澤 明(1910)