西澤 晋 の 映画日記:ジョン・フォード(1894)
2010-01-15T23:43:31+09:00
ssm2438
主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。
Excite Blog
長い灰色の線(1954) ☆☆☆
http://ssm2438.exblog.jp/12120852/
2009-04-14T02:46:00+09:00
2010-01-15T22:28:35+09:00
2009-10-14T02:48:15+09:00
ssm2438
ジョン・フォード(1894)
監督:ジョン・フォード
脚本:エドワード・ホープ
撮影:チャールズ・ロートン・Jr
音楽:ジョージ・ダニング、モリス・W・ストロフ
出演:タイロン・パワー、モーリン・オハラ
* * *
ウェスト・ポイントに陸軍士官学校の教官、マーティ・マー(タイロン・パワー)の半生をつづった大河ドラマ。士官学校の教官といえば『愛と青春の旅立ち』のルイス・ゴセット・Jr扮するフォーリー軍曹を思い出す人も多いと思うが、もう人世代上だとこのマーティ・マーだろう。フォーリー軍曹には鬼軍曹というイメージがあるが、このマーティ・マー軍曹はもうすこし人情あふれるキャラクターとして描かれている。ジョンフォードの映画のなかではあまり評判がなかったこの映画だが、見てみるとけっこうよかった。おまけに最後の兵士たちの行進のシーンでは涙がでてきた。フォードの映画で泣けることはほとんどないのだが、この映画は泣けた。
・・ただ、給仕として雇われたマーティがどういう経路で仕官学校の教官になったのかがいまいちわからなかった。一応こういうこと(↓)らしい・・
<あらすじ>
ウェスト・ポイントの陸軍士官学校の教官として50年間勤めてマーティ・マー軍曹(タイロン・パワー)は、辞職命令に不服で、教え子である大統領のところへその辞令撤回を頼みに行く。そして回想シーンとして物語がはじまる。
1903年、アイルランドからやって来たマーティ青年は、ウェスト・ポイント陸軍士官学校の給仕に雇われたが、やがて兵士に志願して入隊。ウェスト・ポイント勤務隊に配属される。ハーマン・ケーラー大尉に気に入られたマーティは教官助手となった。そしてケーラー家の女中のアイルランド娘メアリー・オドンネル(モーリン・オハラ)と結婚した。
やがて男子が生れたが、その子は不幸にも死んでしまう。自棄になったマーティは酒に溺れたが、候補生たちの温かい忠告に自己をとり戻すことが出来た。
レッド・サンドストロムという候補生が成績不良に悩んでいたのを、やさしく慰めて、学校の先生をしているキティ・カーター(ベッツィ・パーマー)を相談相手に与えてやった。レッドは優秀な成績で卒業し、キティと結婚したのち第一次世界大戦に出征した。大戦は勝利に終わったが、レッドは戦死し、キティは幼児を抱えて未亡人となった。レッド・ジュニア(ロバート・フランシス)はマーティ夫妻の庇護の下に成長し、1938年ウェスト・ポイントに入学した。だが、卒業間際女性とのことで間違いを起こし、自省ののち自ら退学して折からの第二次大戦に一兵卒として参加した。メアリーは安らかに生涯を終えた。残されたマーティは淋しかったが、彼の周りにはいつも若い候補生たちがいた。それが彼の生甲斐だった。
マーティの話は終わった。大統領はドットスン中将(フィル・ケイリー)に善処を依頼した。しかし高齢のマーティをそのまま教官として組織のなかに残しておくわけにはいかなかった。マーティがウェスト・ポイントへ帰ると、マーティを待っていたのは彼へはなむけのウェスト・ポイント全員の大分列式だった。彼の前を兵士たちが行進していく。思い出深い行進曲を胸にかみしめながら、マーティ老軍曹は感動の涙を拭うのだった。
「長い灰色の線」とは、このグレーの軍服を身にまとった兵士たちの延々と続く大行進の列のこと。
一生懸命教えた士官の卵たちが、戦争に行き、帰らぬ人となることを描きつつ、人情モードに行き過ぎる部分があって、ちょっと鼻につくのだが、それでも最後のマーティに捧げる大行進は泣ける。ジョン・フォードの軍隊愛の映画だ。この映画で泣かされるとは思わなかった。]]>
わが谷は緑なりき(1941) ☆☆☆☆
http://ssm2438.exblog.jp/12120729/
2009-04-12T00:41:00+09:00
2010-01-15T22:29:39+09:00
2009-10-14T01:54:51+09:00
ssm2438
ジョン・フォード(1894)
監督:ジョン・フォード
脚本:フィリップ・ダン
撮影:アーサー・C・ミラー
出演:ウォルター・ピジョン
モーリン・オハラ
ドナルド・クリスプ
ロディ・マクドウォール
バリー・フィッツジェラルド
* * *
この映画をみていると思い出される言葉がある。ジョージアコーヒーの宣伝だったか、高倉健がでていてこんな台詞をつぶやく。
「男は男に生まれない。男になるのだ」
この映画がまさにそんな感じ。炭鉱で働く男を描いた映画は常に無骨だ。崩落の危機と背中合わせの炭鉱のなかで働く男たち。命を懸けて家族をささえる男たちだからこそ、責任感があふれるドラマになるのだろう。物語自体はそれほどすごいドラマではない。私も始めてみたときはそれほどの感動はなかった・・。がのちのち思い起こすと、このドラマで描かれたエピソードは<男の責任>というものが根底にあり、与えられる立場だった子供が与えるがたの大人へと変わっていく過程でみた、それぞれの男の生き様が心にしみこんでくる。あとあとから感動がわきあがってくる映画なのだ。
この映画が撮影された1940年ごろといえば、ヨーロッパでは戦争が拡大していた頃。製作者は物語の舞台であるウエールズでの撮影をあきらめ、代わってサン・フェルナンド渓谷に80エーカーの土地に150人がかりで本物そっくりのウェールズの炭鉱町の大オープン・セットが建設したという。撮影は当初ウィリアム・ワイラーが監督する予定だったらしいが、スケジュールがあわず、ジョン・フォードになったという。 原作を読んで子供時代の豊かな家庭生活の思い出を呼び起こしたフォードは、登場人物により家庭的な温もりを与えるために、自分自身の両親と兄弟をモーガン家のモデルにしたといわれている。
第14回アカデミー賞では10部門にノミネートされ、作品賞、助演男優賞(クリスプ)、監督賞、白黒撮影賞、白黒室内装置賞の5部門に輝き、フォードは3度目のアカデミー監督賞だけでなく、ニューヨーク批評家協会の監督賞にも選ばれた。
<あらすじ>
19世紀末のウェールズ炭鉱にある村。ギリム・モーガンの一家は、10歳の末っ子のヒュー(ロディ・マクドウォール)をのぞく男たちはみんな炭坑で働いていた。家族の受ける給料は家長の父(D・クリスプ)によって保管され、家庭のために決められた使途にあてられていた。長男のイヴォーはブロンウェン(アンナ・リー)と結婚して一家を構えた。
そんなおり、石炭需要の低下から炭鉱は労賃値下げを断行する。モーガンの息子たちは組合を組織して戦おうとしたが、父は反対だった。対立した息子たちは、ヒューと長女のアンハード(モーリン・オハラ)をのこして両親の元を去ってしまった。そのころ新任の牧師グリフィド(W・ピジョン)と姉は秘かに魅かれあっていたが、禁欲的な彼を前に、姉は不本意な結婚を承諾、彼女も家を出て行った。
鉱夫たちはストライキにはいった。鉱山の管理人は人望のある父に、ストライキを中止するように説得を依頼したが、父は断わった。しかし、彼が事務所から出てくるところを見た鉱夫たちは、父が管理側についていると誤解してしまう。ヒューと母は組合の会議に行き、夫の立場を説明するが、その帰途凍った河におちた。母を助けて凍傷になったヒューだが、それを機会にグリフィド牧師すごす時間がおおくなり、ヒューは文学の世界に目覚めていく。
ストライキは終わり、ヒューはまた学校に通うようになった。拳闘家だったデイ・ブランドとそのマネジャーのサイファーサと仲よくなり、拳闘を教わるようになると、ヒューも男らしくなっていった。モーガン家は昔のように楽しくなろうとしていたが、兄のイヴォーは坑内で事故のため死んでしまう。残された義姉ブロンウェンのために、ヒューは学校をやめ、彼の家にはいり兄にかわって働くことになった。まだ小学生の高学年くらいの男の子が、大人の女性に見送られながら出勤する姿は「男」を感じさせた。]]>
駅馬車(1939) ☆☆☆☆☆
http://ssm2438.exblog.jp/11970020/
2009-01-20T15:27:00+09:00
2010-01-15T23:43:16+09:00
2009-09-20T16:23:04+09:00
ssm2438
ジョン・フォード(1894)
監督:ジョン・フォード
脚本:ダドリー・ニコルズ
撮影:バート・グレノン
レイ・ビンガー
音楽:ボリス・モロス他
出演:ジョン・ウェイン
トーマス・ミッチェル
クレア・トレヴァー
ルイーズ・プラット
ジョン・キャラダイン
ドナルド・ミーク
ジョージ・バンクロフト
アンディ・ディヴァイン
バートン・チャーチル
* * *
私のなかでは最高の西部劇である。とにかく駅馬車というコンセプトが実にうまく生かされている。というか、これをみるまで西部開拓史のなんたるかは知らなかった。西洋人はインディアンの土地を支配して彼らを追い出したっって事だけしか知らなかったが、そういう土地柄に文明社会が広がっていくプロセスをまざまざと見せてくれた。私自身は頭がいい人びいきであり、インディアンが文明を発達させることが出来なかったのなら滅ぼさせてもそれはそれで仕方がないって思う人間。そういう私にとってはこの騎兵隊は素晴らしいの一言。インディアンからの襲撃させる危険性をはらんでいても行かねばならい時、それを護衛する騎兵隊。そして騎兵隊の活動限界地を越えると底から先は、運を天にまかせて進むしかない駅馬車。もし次の街までの間にインディアンと襲撃にあったら自分たちで戦わなければならない・・。そんな危険を冒してもやはり人は西へと進み。かれらを地道に運んでいたのがこの駅馬車なんだなあと感動。
で、またこのドラマの登場人物の配置が良い。医者、商売女、酒商人、銀行頭取、大佐夫人、賭博師、保安官、御者、それにお尋ね者のリンゴー・キッドを加えた8人。ドラマを各立場ならどんな展開でもできそうなくらいわくわくするだろう。そんな一癖も二癖もありそうな連中がいるなか、ひとたびインディアンが襲ってきたらともに戦わなければなrならない。
1885年ごろのアリゾナ、トントからニューメキシコのローズバーグまでは駅馬車で2日かかる。
馭者バック(アンディ・デヴァイン)は大男のくせに臆病だ。
この一行を護衛するのは警察部長カーリー(ジョージ・バンクロフト)。
ルシイ・マロリー(ルイズ・プラット)は妊婦。
ピーコック(ドナルド・ミーク)はウィスキー行商人。
医師ブーン(トーマス・ミッチェル)は呑んだくれ。
大賭博師のハットフィールド(ジョン・キャラダイン)はルシイに心ひかれ同乗する。
ダラス(クレア・トレヴァー)は新開地を流れ歩く酒場女。
そして銀行家のゲートウッド(バートン・チャーチル)。
途中脱獄囚リンゴー・キッド(ジョン・ウェイン)のせる。彼は「父と弟を殺したブラマー3兄弟を討つために脱獄した」という。
アパッチ・ウエルスに着いた夜ルシイが産気づいた。ブーン医師は酔をさまして大奮闘をした。そして無事に女の子が生れた。ダラスの夜を徹した看護にルシイは感謝の涙を流した。インディアンの襲撃をしらせる煙をみつけると、一行は直ちに馬車を走らせ、不気味な荒野を突切って壊された渡し場を無事に越えた。ホッと一安心した瞬間、毒矢がピーコックの胸にささり、インディアンの一隊が襲撃して来た。必死に馬車を走らせながら、すさまじい争闘が始まったが、すでに弾丸がつきてしまった。その時救援隊のラッパが聞え彼らはかろうじてローズバーグへ到着した。ルシイは夫の許へ、ピーコックは病院へ、ハットフィールドは墓地へ運ばれ、ゲートウッドは公金拐帯で警官に拘引された。
その夜リンゴウはダラスに結婚を申込んだ。世間の裏街へ追いこまれた同じ運命が、2人を堅く結びぐけたのである。ダラスは涙の出るほどうれしかったが、彼をカーリーの手から逃すため逃亡をすすめ、自分も後から行くと話すのだった。しかしそのまえにリンゴーにややらなければならない復習がある。夜の町で見事に3兄弟を射って仇を取る。カーリーはそんなリンゴウを見逃すことにする。リンゴウとダラスは馬車で国境を越えて新生活へ出発した。]]>
荒野の決闘(1946) ☆☆☆☆
http://ssm2438.exblog.jp/11969813/
2009-01-20T14:52:00+09:00
2010-01-15T23:43:31+09:00
2009-09-20T15:26:08+09:00
ssm2438
ジョン・フォード(1894)
監督:ジョン・フォード
脚本:サミュエル・G・エンゲル
ウィンストン・ミラー
撮影:ジョー・マクドナルド
音楽:シリル・モックリッジ
アルフレッド・ニューマン
出演:ヘンリー・フォンダ
キャシー・ダウンズ
ヴィクター・マチュア
リンダ・ダーネル
* * *
キャシー・ダウンズのクレメンタインが美しい。ワイアット・アープものはけっこう撮られているが、一番有名で一番勘違いつくりなのがこの映画(笑)。このタイトルを聞くと血なまぐさい決闘ものかと勘違いしそうであるが、実はドグ・ホリデー(ヴィクター・マチュア)の彼女クレメンタイン(キャシー・ダウンズ)に高校生のようにあこがれるワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)の話。
街人教会が出来てお祝いのダンスパーティがあるなか、ホリデーにふられて帰りの馬車をまつクレメンタインにダンスを申し込むアープ。いやあああ、あのてれくさそうなみずみずしさがいいんだ。これを他のOK牧場の決闘ものとしてみるとこの映画のよさが見えなくなってしまう。先入観とは恐ろしいものだ。
一応最後にはアープ兄弟とクラントン一家のOK牧場での対決はあるのだが、出来上がった作品は、壮大なモニュメント・バレーを背景に、史実にこだわらず、娯楽的なアレンジが全編に施されながらも、フォードらしいダイナミックかつ繊細な演出と映像美が観る者を魅了する傑作となり、観客からも批評家からも好評を博して450万ドルもの収益を上げる大ヒット作となった。
ちなみにワイアット・アープとOK牧場の決闘のエピソードは、アープにバート・ランカスターを、ドクにカーク・ダグラスを配したジョン・スタージェス監督の『OK牧場の決斗』(1957)として再び映画化され、スタージェス監督は1967年に『OK牧場の決斗』の後日談を描いた『墓石と決闘』を発表した。 90年代に入って西部劇が再びブームになると、カート・ラッセルがアープを演じるアクション色の濃い『トゥームストーン』(1993)と、ケヴィン・コスナーがアープを演じる伝説よりも史実に基づいた『ワイアット・アープ』(1994)の二本のアープの半生を描いた映画が作られた。 ]]>
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